全体的に、非常に楽しく読めました。僕が推薦した作品が全て受賞作になった訳ではありませんが、かなりの作品において、通常のリプレイでは使用しない『小説用の技巧』が施されていて、それを探すのも楽しかったです。たとえば、受賞作以外にも
『迷宮の闇、封印の影』や
『災禍の蓋』等の作品をご覧になってみてください。
惜しむらくは、『エンドブレイカー!』という世界をきちんと説明しないといけないという気持ちからか、少し説明が多くなってしまっている作品もあり、その点については、本来はもっと良い作品にできる能力がある作家さんなのに、気を使っていただいて申し訳ないなという気持ちになりました。
ともあれ、きっちりと読み込む方にも、空いた時間に楽しく読みたい方にも、どちらの方にも楽しんでいただける作品群が揃ったのではと思っています。この作品から、原作である『エンドブレイカー!』にも興味を持っていただけますと、嬉しく思います。
株式会社トミーウォーカー:うえむら
今回のコンテストでは、本来は読者が様々な設定の知識を持っている前提として書く「リプレイ」を、そうでない読者を想定した小説に変えるという点で、「慣れない世界観・設定をどうやって読者に伝え、読ませるか」という要素が一つのキーになっていたと思います。普段からリプレイを書かれているマスターの方々だけあって、物語の設定・戦闘描写などは純粋に面白い作品が数多くありました。その中で、入賞を果たした作品は、物語としての面白さはもちろんのこと、冒頭で読者の興味を引くギミックがあったり、物語の展開を妨げない形で説明を行う等、リプレイの枠から脱して「小説形式」へのアレンジが上手く成されている点で高い評価となりました。
一方、上記のアレンジという点で受賞には至らなかったものの、ネタとノリで突き進む力強い作品もあり(
『名状しがたきナニカとの邂逅』など)、これらにはリプレイの面白さを再確認させられました。実にマスターとプレイヤーが楽しそうで、自分も参加したくなる魅力を感じます。
株式会社パピレス:販売担当
投稿された作品はどれもレベルが高く、限られた設定の中で巧みに物語を表現していたように思いました。
技術的には受賞作品と比べて何ら遜色のない作品も数多く見受けられます。
その中でも受賞作品は、どれも個性的なキャラクターと共に、書き手独自の世界を築いていたように感じました。
ともすれば同じような話になってしまう条件の中で、どれだけ読者に自分の世界を印象付けられるかが評価へ繋がったのではないでしょうか。
また惜しくも受賞を逃してはおりますが、
『凍れる暁の涯て』などは、ストーリー・キャラクターともに個性的かつ綺麗にまとまっており、完成度の高い作品だと感じました。
一方で誤字が散見されたり、もう少し言い回しを工夫すればより良くなったであろう作品もあり、惜しいと思うと同時に、こういう時こそupppiの改訂機能を利用していただければと思いました。
株式会社パピレス:制作担当
2012年12月より開催致しました 『エンドブレイカー!』リプレイ小説コンテスト について、73作品のご応募を頂きました。
作品を応募頂きました作家の方々及び、作品へコメントや評価を頂いた読者の方々に深くお礼申し上げます。