今回、upppiとしては初の試みである表紙の公募の第一弾でしたが非常に様々な作品が応募され、審査にも非常に難儀しました。
舞台であるゲーム店をクローズアップして、ゲームソフトやカードをモチーフにした作品や、加西さんのギャップが見えるUFOキャッチャーとぬいぐるみに着目した作品。はたまた服装の細かな描写で雰囲気を出そうとするものまで、みなさん様々な方法で二人を描いていてそういうやり方があるのかと感心しきりでした。
皆様の中の福岡くんと加西さん、それぞれに独自の解釈と作品への愛を感じることができ、一主催者としても感謝の一言に尽きます。
作品全体についてですが、非常に惜しい作品が多数見受けられ、それが残念でならないことが多かったです。
作品内に入るイラストであれば問題ないものでも、表紙ですとどうしても構図や訴求力を考えて描くことが必要になってきます。やはり表紙として私たち審査員が見たときに、「この構図のいったい何処に、タイトルや著者名を入れられるだろう???」と困ってしまう作品は、残念ながら評価を下げざるを得ません。
また、今回評価のネックになったことの一つとして「加西さんの表情」があったと思います。福岡くんの特徴の若さゆえの元気さの反面、加西さんは年齢と仕事の関係との複雑な心理状況もあり難しいものとなっていました。難しいところなのですが、だからこそここが描けていた人とそうでない人で差がついたと思います。
また、作品への思い入れの強さを感じましたがそれはどこに向けられているのかを考えると評価が一気に上がったのではと思わせる人もいました。一部の方についてですが、二人が結ばれた後の姿やキャラへの愛が溢れすぎてしまったものが見受けられます。読後の人間が読んだ場合、非常に理解でき素晴らしいと思えるものでも、未読の人間がそれを読んだ時にそう思うかというとそうではありません。表紙とは本の顔であり、まだ読んだことのない人に読みたいと思わせるものだと思います。そこを意識するだけでも評価は変わるでしょう。
表紙を見てどんな話か(世界観・設定)を伝えることも重要なポイントです。人物の表情や背景、小物などでの表現は雰囲気にも直結してきます。
最後に応募要項にもありますが、どんなに上手な作品でも作品の理解ができていないものは選出できません。解釈の違いと思えるものはよいですが、読み違えているのではとこちらが思ってしまうところがあるとその時点で先に進めなくなります。描くその前に今一度確認をしておくと、その心配がなくなるでしょう。
長々と評価のポイントになった部分を話しましたが、最初に言ったとおりどの作品も作品に対する思い入れを感じることができ、そんな作品たちがちょっとしたことで評価を下げざるを得なかった歯がゆさ故のことと思っていただければと思います。
そして改めて今回BL小説表紙コンペ「その言葉を何度でも」の参加、本当にありがとうございます。
今後もupppiではカバーイラストの公募を行っていきますので、その際にはよろしくお願い致します。
upppi公式アドバイザー弓島
2013年6月より募集を開始いたしました 『その言葉を何度でも』表紙コンペ には47作品のご応募を頂きました。作品応募頂きました方々及びコメントや評価を頂いた読者の方々、本当にありがとうございました!
想定よりもレベルの高い作品が数多く応募されましたことで選出に時間を要し、発表が予定より遅れましたことを改めてお詫び申し上げます。
以下、選出作品と選評を発表させて頂きます。また最終選考に残った作品については短評を掲載させていただきましたので、ぜひご覧頂ければ幸いです。