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シリーズ:ライト(三毛猫)3
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ライト(三毛猫)3

作者:風呂助

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    お題:誰かの体験


    登録ユーザー星:6 だれでも星:0 閲覧数:110

    ライト(三毛猫)3 9420文字

     

    まだ人間のように振舞えなかった、あの時を覚えてる?
    貴方にだけは、ビビアンの気持ちが判るって思うのは
    私の勝手なエゴなのかな。ごめんねライト。

     ニャーニャー。

     そんなに鳴かないでライト。違う。ライトはいつも。
    決して泣かない。鳴くことはあるけど泣かない。
    ライトは騎士のように強い。光の騎士。

     ニャーニャー。

     違う違う違う違う!これはビビアンだ!廊下だ!
    いつのまにか、こんなに暗くなってる!
    ビビアン!大丈夫?!いまいくから!

     ビビアンは、掃除道具のコロコロに前足後足と尻尾まで
    ペッタリくっついて動けなくなってる。

     あんた。いい、家族になる気がする。これもエゴかな。
    離したくないよぉ。ビビアンもライトも!


    3:ライトの場合。


    「この作業積み終ったら、今日はあがっていいからねー。」

    『あ、はい!お疲れ様です!』

    「お疲れ様は早いだろう(笑)速いのもいいけど、丁寧に
    安全確認でお願いだよー。」

    『了解です!何せ数十キロも、ありますもんね!
    中身を傷つけないように。オラーイ、オーライ。
    いいですよー。ゆっくり荷物を下ろしてくださーい。』

     あ。

     一瞬の油断だった。

     ワイヤーはちゃんとしていたが、バランスが一瞬傾いた。
    何箱もの、数十キロもの貨物が。ライトの真上に。

     ドガシャーーーン!!

    「ラ、ライト君!」
    「わあああ!無事か!」
    「いいから荷物どけろ!すぐに救急車だ!」
    「どっちですか?!病院?犬猫病院ですか?」
    「どっちでもいいんだ!先に到着できる方を呼べ!」
    「がんばれ!ライト君、諦めるな!」
    「主任、血が、血が、止まらないです!」

    「動かすな!下手に素人が動かしてはいかん!」


    『ほやあ。ここはどこでしょう。か?』

    「相変わらず。間抜けにも程があるのお。」

    『ああ!ナムサンさん!お久しぶりです!え?
    ってことは、俺、もしかして……。』

    「だな。」

     三途の河の渡し守り、死神763号さん(ナムサン)は
    煙草をくわえてから、近くのマッチをチラチラみてる。

    『あ、火ですね。つけますつけます。』

    「おまえ、ホントに気が効くようになったなあ。」

    『はぁ、恐れ入ります。』

    「恐れ入りますじゃあねえよ!」

     ナムサンは煙草を河に投げ捨てた。ジュ!煙が上がる。

    『あのー。煙草をポイ捨てするのは駄目ですよ。』

    「キサマ、猫の分際で死神様に何を説教たれておるのか?!
    というよりも、ナムサンとかいうあだ名で呼ぶな!無礼な!」

    『まぁ、それはいいんですけど。』

    「よくないだろう!全然、よくないだろうが!」

    『じゃあ、よくないですけど、ともかくやっぱり、
    俺は再び死んじゃったんでしょうか?』

    「バカモーン!そうそう命を何度も死にやれるか!
    こんな簡単に死ねるなら、閻魔様だとて面倒な手続きは
    踏んでおらん。(【ライト】の第一話設定参照。)」

    『はぁ。じゃあ、何故ここに?』

    「閻魔様のお達しだからじゃ。」

    『どういう事でしょうか?』

    「お主と、飼い主の新木芽々子という者は、閻魔様との
    縁を繋ぐ為に毎週、隣町の廃寺になった閻魔堂へ、
    コンニャク供養に参っているな。」

    『コンニャククヨウって言い難いですね。』

    「そんな事はどうでもよいのだ!」

    『あ、はい。』

    「その心がけ(ワイロ)あって。お主の現世の処置を
    教えて進ぜよう。」

    『へ?えっと功徳を積んで六文銭、分貯まったらOK
    っていうのと違うのですか?』

    「実は違う。やはり猫は浅はかであるな。」

    『悪かったですね……。』

    「拗ねるな。よいかお主は再生したといっても、
    転生した訳ではないのだ。従って怪我もするし
    場合よっては死に至ることもあるのだが、
    転生とちがって、お主は1回目の死を清算していない。
    つまりは、迂闊に死ぬとその分の業が増すのじゃ。」

    『どういう事でしょう?』

    「猫の考え、休むに似たりじゃな。」

    『悪かったですね……。』

    「拗ねるな。つまりだ。極楽へ往生するには功徳六文。
    これは閻魔大王様の仰りに間違いは無い。」

    『はい。ですから頑張ってます。』

            *

    「ところがじゃ。逆もまた真なり。お主は猫ゆえ
    鏡という道具に余り好感を持っていないな。」

    『ええ。再生前は敵の猫かと思って何度か
    ぶつかりましたし。あれ、部屋の大きさがいまいち。』

    「そうではない。鏡とはどういう道具じゃ?」

    『えっと、自分とか映したいモノを逆に映す道具ですか?
    たまにメメ様が、草食系男子と知り合うと、鏡を使って
    変装とかしていますね。』

    「それは変装ではない。だが世の女性を敵に回して
    何一つ功徳は得られないので、それは他言するな。」

    『はい。で、鏡が何か?』

    「で、鏡とは何が逆に映るのか?」

    『左右じゃないんですか?上下ではないですし
    ネガポジでもあり得ませんから。』

    「違う。それは誰かの体験に依るのじゃ。」

    『え?』

    「鏡とは古来、水を模したものであり、陽の象徴である。
    お主は鏡を見て、右の前足で鏡を触れば、鏡の中のお主も
    右(側)の前足で呼応する。お主が他の猫と仮定すれば
    鏡の猫は左の前足となるだろう。だが違う。やはり
    お主である限りは、鏡の中のライトも、右足で触っている。」

    『?どういう意味です?』

    「鏡で逆なのは、左右ではない。前後じゃ。」

    『ああ、だから背中が見えないんだ。なるほど。』

    「では、さらばじゃ。」

    『え?!どういう事です?』

    「お主は再び再生される。だが、功徳をサボるほど
    地獄へ近づく。六文銭の裏側。お主の持つ絵図紙を見よ。
    今回の失態、一文の半分に等しい。何故かと問うな。
    目覚めれば判る。いいか、何もせず功徳も積まずに、
    アンニュイに日々を過ごせば、裏六文が貯まる。

    その時は、閻魔様を通らず地獄逝きじゃ。精進せよ。
    お主は再生の身である。一時停止しようとも
    その再生から逃げられぬ。不死身の生き物はお主を
    含めていない事を、努々疑う事ないように。喝!」

              *

     眼が醒めた。体中が包帯だらけ。動くと傷口が
    開く。血の匂いがする。痛い。すげえ痛い。
    半端ない。一度死んで再生してから忘れてた。
    これが命の痛みなんだ。しかも俺はこの痛みが
    地獄行きへ直結すると宣告された。

     正直に言う。再生したとき。功徳を積まずに
    ダラダラしていれば、一生メメ様のお側にいられるって。

     ハハハ。そんなに甘くないよな。俺の功徳はいま
    ほんの僅か。でも、紙の裏側に映った血の一文は
    いきなり半分になっている。結局は。

     俺はやっぱり死んだのだ。天か地か選んで進む。
    そういう猫なんだ。でも、これだけはメメ様に
    内緒にしてもいいだろう?!だってこれは

     俺、ライトの生き様なのだから。俺のもんだ。


     さて。痛くて寝返りをうつ事も出来ないのだけど
    犬猫病院で、包帯まみれの猫に抱きついてワンワンと
    泣いてくれてる。倉庫会社の主任さんも付き添っている。

     なんて、優しい人々なのだろう。もう俺は手抜きしない。
    彼女、彼らの為に功徳積むよ。ビビアン。と言ったか?!

    『あい。』

     よし。手伝え。俺が今日からお前の兄貴だ。何でも頼れ。

    『あい!ライトニーニ!』

     ニーニってのは兄さんって意味かな。まぁいいや。
    ところで、ビビ。頼みがあるんだ。

    『あい!ニーニの言う事なら何でもでち!』

     うんとな、俺たちの愛すべきメメ様に、言って欲しいんだ。

    『あい!アタチどうしたらいいでしょう!』

     簡単な事だ。その隣で寝てる三毛猫はメスで俺じゃないし
    俺はその隣で寝てるから、飼い主なら間違えないでくれと。
    そう伝えて欲しい。出来るか?

    『頑張ってみるでち!』

    「不安だぜ。やれやれ。」

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    コメント

    • やばい!このあとも連載して欲しい!!
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    • ねこまんまさん>
      ありがとうございます!m(_)m
      本来なら一話ネタだったのですが、
      同時に書いた「オプ」シリーズから派生させて頂いたのが、三毛ライトシリーズです。
      (実は他のシリーズ物(かりんとう姉妹)にも、
      時系列に違いがありますが、もしも、奇跡的に興味が涌かれましたら、何卒宜しくお願いします!
      ちなみに飼い主外伝もあります(笑)(「ルターの唄」「階段街連作」など)
      お時間とお暇つぶしには是非よろしくお願いします!
      メリークリスマス!
      いつもではなく常に祝福を!ヽ(´・ヮ・`)シ
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