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シリーズ:ライト(三毛猫)3
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ライト(三毛猫)3

作者:風呂助

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    お題:誰かの体験


    登録ユーザー星:6 だれでも星:0 閲覧数:105

    ライト(三毛猫)3 9420文字

     

     その子を拾ったのは、私が自転車をかっ飛ばして
    国道沿いをレーサーのように、地上最速を気取って
    疾走していた自由な時。

     思い切りダンボール箱を確認!ぶちズっころんで、
    反転、回転、とホップ!スッテップ!ジャーンプ!
    して回避したあげく、川沿いの土手まで自転車捨てて
    転がった時の事です。

     あ。意味が解りませんね?

     っつまりは、自転車で帰宅中、横道のダンボールに
    気を取られて転んで、川沿いの土手を転がったって
    まぁ、そんだけの事です。

     え?わたしですか?

     私は、えとその、あ、いや、干支じゃなくて。
    マイナーな漫画家で。新木芽々子って言います。
    あと、えと、その。ペペペ、ペーンネームとかあって
    MEMEって名前で、マイナーな雑誌にマイナーに
    描いてますけれど。ドン!ガラガッシャーン!

     っていうか、そんなことはどうでもいいんですよ。
    私はダンボールの中の、ガリガリに痩せてヘタヘタな
    敢えていうならば、私の描く線のようにヘタレちゃった
    その仔猫を手の平に抱いた時なんです。

     その仔猫は私にハッキリ鳴きながら。

     泣きながら。

    『もっともっと、遠くに遠くに捨てに行くの?』と。

     私はこのダンボールへ、この子を入れた馬鹿を、
    武士の時代なら切捨て御免、又は生類憐れみの令宜しく
    刀を抜いて一刀両断していたかもしれません。

     でも現代ではそれが適わないから、冷静になってみて
    やはり犬猫病院へ向うべきと、判断しました。
    自分がぶッ転んだ怪我なんぞは、捨て置きます。

     ツバつけときゃ治る。それが人間の武器なんですよ。
    人間が強いのは単純明快!馬鹿だからです。
    馬鹿に生きる事が人間の武器なのです。

     とにかく全速力で馴染みの動物医院の先生へ。
    ちなみに、ここの先生は無精髭さえ剃ればスリムで
    理知的な気品の名医です。看護士のお姉さんは無茶苦茶に
    歯科医かよ!って程に美人で。

     私の膝の消毒もしてくれました。男だったら惚れてます。

     こんなせいかで。ほとんどの猫は、この町でこの病院では
    絶対に反抗せず。故に、圧倒的カリスマ医院として
    名高いのです。ちなみに二階堂先生と仰います。
    30代中頃の優しいお顔。でも診察になると
    ブラッ●ジャックみたいな鋭い名医の目つきで。

     いや、まぁそんな事はいいんです。

     そして、この日も診療時間外なのに笑顔で診察して頂き
    このダンボールから、私に届いた♀猫(推定1歳)は
    上下ツートーンカラーの仔猫。

    (お腹より上は全て薄茶、下は足先まで真っ白。)
    犬歯以外の歯が1本もありませんでした。全部抜け落ちて。
    生きようと、しがみついて。私のところへ来た。けれど。

     ただ、一つだけ問題があったのです。

               *

     一般家庭では特にペットが飼える環境にある方には
    絶対に起こらない問題が、我が家にはあったのです。
    家族の反対?まぁ、そういう見方もできるかも。

     これ、隠していないのですが、ほとんどの人が
    信じないことなので、気にしていませんでした。
    同時に信じた人(漫画のアシスタントさん、担当編集さん)
    にも、弊害がない。というか、むしろ今や重宝されている
    そういっても過言ではない人物が。否、猫物がいるのです。

     何を言ってるんだ、オマエはと思われるでしょうけど。

     実は我が家では過去に完全な三毛猫の♂4歳を飼ってて、
    色々あって、その三毛猫【ライト】は、他界したのですが、
    どんな奇跡が起きたのか。本人によれば、上書きするように
    私の前に再生して帰宅したのです。

     解りやすくいうなら生き返ったって事。ゾンビではなく。
    ただし、少々違っていたのは【ライト】は、生前と違って
    人間語を理解して、会話出来て、二足歩行して火も怖がらず
    いまや、私の普通の家族になっていて、漫画のアシとしても
    大活躍しているという、ありえない環境なのです。

    (詳細は第一話「ライト」を参照くださいませ。)
    http://upppi.com/ug/sc/item/7933/

     ただ、ライトは私のパートナーとして最高の友なのですが
    何か私に飼い主への敬意以上の、忠誠心のような態度があり
    そこへ私が新たに、この仔猫を連れ帰った場合。

     どう思うのでしょうか。

     ライトは物凄く。多分ですか世界でも五本指に入るほどの
    忠猫です。故に、私に甘えないように努力しています。
    でも、本音を言うと私にはそれが寂しかったのです。

     彼が努力するほどに、私は頼って貰えなくなっていく。
    いつしか、私がライトに依存していたのかもしれません。
    ちなみ今朝の朝ごはんもライトが作ってくれました。
    ……ライトが戻ってきて嬉しいのに。どんどん駄目な私。

     そんな時、この天使のような仔猫と出会いました。

     そして、医院を出て薬を頂き家路に帰る間までに
    名前まで決めていました。浮かれまくっていました。

     命名【ビビアン】雑種♀推定1歳、牙歯以外無しガリガリ。
    この女の子を最高のレディにしてみせる。そして同時に
    絶対にそのアドバイザーとして、ライトは応えてくれるって。

     勿論、「プリティ・ウーマン」からお借りした名前です。
    ジュリア・●バーツって最高の女性ですよね。
    異論は認めない。でも、この仔に負担はかけません。ね?

     そう思っていたのです。人間の浅はかな考え故に。

                 *

     帰宅しました。ライトに買い出しに行く(主に酒)と言い、
    連れて帰ってきたのが、仔猫のビビアン。ライトが出迎えて
    くれた様子をそのまま言うと。

     ドアを開け。「おかえりなさいませ!メメ様……?」
    そのままドアを静かに閉じられました。大慌てで中に入ると
    ライトは唐草模様の風呂敷に、荷物をまとめていました。

    「えっと、えと。あの、えと。」

    『干支に猫はエントリーしていません。』

    「えーっとですね。ライトさん。一体何をなさっていますか?
    あのその。メメさんお腹空いちゃったなぁ!今日は何かな?」

     ライトは転生以後、火も怖がらないし道具も器用に扱うので
    料理も得意なのです。べ、別に私が料理が下手というわけじゃ。

    『メメ様。可愛らしい仔猫に出会えた事をお祝いいたします。
    それではこれで。夕飯は冷蔵庫にあるのでチンして下さい。』

     そんなオカンみたいな言い方されても困るのです。
    待って待って待って待って!ライトさん待ってよおお!
    必死で抱きとめて、玄関を塞ぐ私。

     ライトさんの冷ややか眼と苦笑い。

    『ハハハ。どうされたんですか。メメ様に似つかわしくない。
    新たな可愛いパートナーが、来た事は喜ばしいことです。
    それでは私はこれで。』

     中途半端に人間に近くなった分、拗ね方が半端ない。
    眼が死んでるし。

    「お願い待って待って待って!」

    『何か心配事でも?私は仕分け倉庫のアルバイトで、
    充分やっていけますので。ご心配なく。』

     ガチャ。バタン。

     出て行っちゃった。ライトが。ライトがぁあああああああ!
    うわああんん!ライトぉおおお!らいとおおおお!
    間髪入れずに、ビビアンがお腹が空いたようで鳴き始めた。

     とにかくライトが、実は一人でも生き抜いていけるって
    うすうす感ずいていたけれど、こんなに早くに来るなんてぇ。
    ライトのアルバイト先は知ってるから、とにかく今は
    ビビアンのエサをあげよう。グス。

     歯がないし、ミルクをあげてみる。凄い勢いで飲み干した。
    ライトの缶詰も食べれるかな。歯が無いから難しいかな。
    無関係に暴飲暴食してるビビアン。

     猫って。逞しい。ライトだけじゃないんだなぁ。

     当たり前の事を当たり前のように感じている。
    ビビアンが落ち着いたので、少し安心して冷蔵庫を開ける。
    ラップされたオムライスには、ケチャップ猫の絵が描いてある。

    【ライトの自信作!】って描いてある。肉球のマークもある。

     ライトおおおおおおお!!うえーーーん!
    今日に限って原稿もないし、アシさんもいないし。
    美味しい。美味しいよおおお!ライトぉおおおおお!

     メメ様は、一人ぼっち。

     じゃない。ビビアンがいる。でもライトの気持ちを考えると。
    やはり貰い手を探さないといけないと思う。ビビアン。
    毛が抜けて、歯が抜けて、痩せこけて。多分誰も貰ってくれない。
    どうしたらいいの。こんなときこそライトだけが頼りなのに。

     ライトぉぉぉおおおおお!

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    コメント

    • やばい!このあとも連載して欲しい!!
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    • ねこまんまさん>
      ありがとうございます!m(_)m
      本来なら一話ネタだったのですが、
      同時に書いた「オプ」シリーズから派生させて頂いたのが、三毛ライトシリーズです。
      (実は他のシリーズ物(かりんとう姉妹)にも、
      時系列に違いがありますが、もしも、奇跡的に興味が涌かれましたら、何卒宜しくお願いします!
      ちなみに飼い主外伝もあります(笑)(「ルターの唄」「階段街連作」など)
      お時間とお暇つぶしには是非よろしくお願いします!
      メリークリスマス!
      いつもではなく常に祝福を!ヽ(´・ヮ・`)シ
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