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シリーズ:【ゼロコンマ弐懇願!】ゲームと世界と日常と妄想
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【ゼロコンマ弐懇願!】ゲームと世界と日常と妄想

作者:岡野 こみか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    ゼロコンマ弐の配信御礼に、更新させて頂きます。
    日常会話をしながら特に出していなかった世界設定の説明とか、最近書いていなかったので濡れ場描写とか。
    弐が始まる直前の話。
    ゼロコンマ弐は、パピレスさん(http://www.papy.co.jp/act/books/1-270467/)とRentaさん(http://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/48061/)で配信中です。
    よろしくお願いします
    これに続いて参とか出せればいいなと…… ご助力(ご購入)、是非ともよろしくお願いいたします……っ。


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    【ゼロコンマ弐懇願!】ゲームと世界と日常と妄想 6877文字

     

    ゼロコンマ弐

    ゲームと世界と日常と妄想


    (やった、やった、やった!)
     目的のブツを手に入れると、ダッシュで家に帰った。
     早朝に家を出て並んだけれど、まさかこんなに時間がかかるなんて思いもしなかった。
     それでも、時間をかけただけの甲斐はあった。
     早く家に帰って、開けてみたい。
     だけどその前にはちょっとした関門があって……


    「……朝稽古をさぼってどこ行ってた」
     扉を開けると、案の定不機嫌ないち兄ぃが待っていた。
     あー、やっぱりな。
     予定じゃ、もっと早くに帰るハズだったのに。
    「や……ちょっと、買い物に」
    「買い物?」
     下手に誤魔化すのはまずいと思ったから、素直に答えた。
     いち兄ぃの視線が俺の手元の包みに注がれる。
    「一体、何を……」
     その視線に耐えきれなくなって、いや、入手したばかりの宝物を見せつけたくて、俺は袋の中のブツを取り出して、掲げて見せる。
    「じゃーん! 今日発売の妖(あやかし)ウォッチマイナス!」
    「お前、高校を卒業したのにまだゲーム……」
    「いやー、子供や親が並んでいる中、『転売?』って白い視線に絶えて俺よく頑張った! でもどうしても欲しかったんだよ!」
    「これは……」
    「ゲームやTVで見たことあるだろ? 日常に潜む妖が見えるっていう……」
    「お前こんなの無くても見えるだろ」
    「あと、妖を召喚できたり」
    「向こうから勝手に寄ってくるだろ」
    「妖と友人になったり」
    「俺がいる」
    「ああもう、俺だってゲームの世界くらいはわくわくした非日常に浸かりたいんだよ! 何だよこんなハードモード現実!」

     この世界に潜む存在……それは、妖ではなく異形と呼ばれる存在。
     死んだ人の魂と動物の魂が混ざり合ってできたものだという。
     通常の人はそれが感知できないが、俺は……俺の一族は、それが見える。
     そして俺の兄貴、壱郎は先日とある事故によって異形になってしまって。

    「だいたい、こんなフィクションに出てくる妖は、ほとんどが異形が元になったものだ」
    「まじか」
    「妖や霊の類についての報告、実害はほとんどないが異形に関しては山のように届くからな」
    「そりゃ、うちの職業柄じゃないのか」

     だからこそ、うちの職業……拝み屋のようなものが存在するわけで。
     少し前までその存在すら知らず、神社仏閣と同じような宗教法人かと思っていた。
     いち兄ぃによると、うちと同様の職業は全国に在って、異形の害から一般人を守るためにある程度大きなネットワークを作っているらしい。
     どうやら国からの保護もあるらしく、そこら辺は俺の与り知らぬ所だったんだが……そうも言ってられなくなった。

    「そういえば零、先日渡した書類はどうした?」
    「……書かねぇよ、あんなの」
    「いいから黙ってサインしろ」
    「丁寧に自分の死亡届作ってるんじゃねーよ!」
    「死亡じゃない、失踪だ」
    「時期が経つと同じことになるんだろ、嫌だよ俺は!」

     そう。
     いち兄ぃは、異形になった。
     ということは世間的には、いや肉体的にも死んだということで。
     そして結果、この拝み屋という稼業は俺が継がなきゃいけないことになった。
     それはいいとして……

    「だって兄貴死んでねーじゃん!」
    「いや、死んだ」
    「でももしかして元に戻るかもしれねーじゃん!」
    「戻らない」
    「だけど、いち兄ぃが死んだって認めるようで、俺は嫌なんだよ!」
    「書類上だけのことだ。これで、お前がスムーズに後を継げるようになる」
    「けどさあ……」
    「それに、無駄に健康保険や税金を払わなくて済むしな」
    「いやそうゆう問題じゃなくて」

     俺が拒んでいる理由の90%は、感情によるもの。
     人としてのいち兄ぃがもう戻って来ないと認めるのが、嫌だから。
     あとの10%は……

    「だから観念してサインしろ。それから、後の書類についてだが」
    「どうせならそれもいち兄ぃが書いてくれよ……」
    「駄目だ。今後ずっと書かないといけないものだから、覚えろ」
    「うぅう……」

     拝み屋といえど、国に認められた宗教法人に近い立場。
     ただ当主をやってるだけじゃなく、色々とこなさなきゃならない事務がある。
     書かなきゃいけない書類がある。

    「今月の異形出現報告、その対応、関係者の調査表。報酬と経費、それから……」
    「はぁああ……」

     高校を卒業して、稼業を継いだ。
     とはいえ、知らないことばかりで本当に訳が分からない。
     今まで、全部いち兄ぃがやってきたことをこれからは全部俺一人でやらなくちゃいけなくなる。
     一人で……

    「そうだ!」
     俺は、手を打った。
     そうだよ、何で気が付かなかったんだろう。
     俺は、一人じゃない。
    「にー兄は? にー兄も呼べばいいじゃないか。何なら俺の代わりに当主になってもらうとか……」
     にー兄。
     俺の、2番目の兄貴。
     2番目ってことは、いち兄ぃに何かあった時、後を継ぐのはにー兄なんじゃないのか?
     当主の面倒な仕事を押しつけられるし。
    「……それは、出来ない」
    「何でだよ」
    「それに、零……この家に俺と2人きりじゃなくなるが、いいのか?」
    「……っ」

     いち兄ぃの意味深げな言葉と微笑に、一瞬声を失った。
     いち兄ぃと俺は、兄弟だった。
     だけど、いち兄ぃが異形となった今、俺たちの関係はそこに、恋人同士、とでも呼ぶようなものが付加されて……

    「……まあ、俺としては可愛い弟がもう一人増えることにさほど異存はないんだが……」
    「おい!」

     ブラコン兄貴のいまいち冗談に聞こえない言葉に思わず唇を尖らせる。
     いち兄ぃは……こういう所は本当に油断ならないから、気をつけなきゃいけない。
     睨みつけてみるが、本気なのか冗談なのか、平然とした表情で見返してくる。
     そして、いち兄ぃに限って冗談なんか言う奴じゃなくて……

       ※※※

    「よぉ、零」
    「にー兄……」
     目の前のにー兄に、俺は困惑するばかりだった。
     あれから、いち兄ぃとの相談の末、にー兄を呼ぶことに関しては一端話が終わった筈だった。
     なのに、なんでここににー兄がいるんだろう。
     しかも、その後ろにはドヤ顔のいち兄ぃ。
    「いち兄ぃ……」
    「兄貴から聞いたぜ? お前、この家継ぐんだって?」
    「い、いやまだ決めたわけじゃ……」
    「それで、当主の仕事を面倒くさがってるんだって?」
    「まあ、それは……ってゆうか、分かるだろ? なんか書類とか仕訳とか色々あってすっごく大変なんだよ!」
    「そりゃお前、そーいう大変なのをこなしてこその当主なんだろ?」
    「そうなんだけどさぁ……」
     話しながら、いち兄ぃを見る。
     どーゆう事だよ、って気持ちを籠めながら。
     あの時は、にー兄を呼ぶのにあまりいい顔をしていなかったのに。
     それがなんで今になってにー兄がここにいる?
    「その、にー兄は、なんでこのタイミングでここに……」
    「兄貴に呼ばれたんだけど」
    「いち兄ぃに!?」
     だから本当にどうゆう事だよ!
     いち兄ぃを睨みつけようとするが、その視線にゆらりとにー兄が割って入った。
    「零が我儘言って素直に後を継いでくれねーから、だったら兄弟3人仲良くやっていこうぜ、って」
    「いや、それは……」
     3人で?
     2人きりじゃなくて?
     にー兄の言葉になんとか返事をしながら、俺はにー兄の言葉といち兄ぃの表情に、混乱と絶望を同時に感じとっていた。
     いち兄ぃは、俺と2人きりの生活を見限ったのか?
     もう、2人きりには戻れないのか?
     俺は救いを求めるようにいち兄ぃを見る。
    「あぁ、心配すんな」
     だけど、答えたのはにー兄だった。
    「壱郎兄貴から聞いてるぜ? 2人で、よろしくやってんだって?」
    「え、いや……」
    「そうだ。だから俺は、今まで通り零を大切にする」
    「うわっ!?」
     いつの間に、間近に来ていたんだろう。
     突然いち兄ぃに抱きすくめられた。
     唇の上に、優しい口付け。
    「ただそれに……総弐も加わるだけだ」
    「え……」
     いち兄ぃが片手でにー兄を引き寄せる。
     にー兄は抵抗することなくいち兄ぃにされるがままに身を寄せ、そのまま互いに唇を重ねた。
    「いち兄ぃ! にー兄も……ん……っ!」
     叫ぶ俺の唇を、再びいち兄ぃが塞いだ。
    「ぷは……っ、こら、話を……んむ」
     離れたと思った次の瞬間、今度はにー兄の唇が。

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    作者紹介

    • 岡野 こみか
    • 作品投稿数:26  累計獲得星数:240
    • 『ゼロコンマ』シリーズが4巻までRentaさん、パピレスさんから配信中!
      デスゲーム×BL小説『ビースト・ゲーム』も配信中です。
      これらが形になったのは、全て皆さんのおかげです!
      心から感謝させていただきます。
      これからも、もっと、色々書いていきたいなと思います。
      よろしくお願いします。

      文章書き、の端っこの端っこです。
      BLもラノベも、まだまだ初心者です。
      現在、クリエイティブRPG「三千世界のアバター」(http://s-avatar.jp/)にてゲームマスター(ライター)をやってます。←皆様のキャラの活躍を小説にしています。
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