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シリーズ:【ゼロコンマ弐配信記念!】ゼロコンマ外伝『無量と約束とひとつの甘味』
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【ゼロコンマ弐配信記念!】ゼロコンマ外伝『無量と約束とひとつの甘味』

作者:岡野 こみか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    7月31日、パピレスさんよりゼロコンマ続編『ゼロコンマ弐』が配信されました!
    http://www.papy.co.jp/act/books/1-270467/
    読んでくださった方々に感謝!
    こちらも、よろしくお願いします!!
    (Renta!さんからは8月5日配信予定です)
    その記念に、無量の外伝を公開します。
    ゼロコンマ外伝『狐と秘密と彼岸花』と対になる少し前の話です。
    (注:酷く暗くて救いがなくてエロ注意です)
    記念にはいまひとつふさわしくないお話ですが……
    無量の深い深い想いは、コンを、そして零をも巻き込んである事件を引き起こす――
    その兆しのお話です。


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    【ゼロコンマ弐配信記念!】ゼロコンマ外伝『無量と約束とひとつの甘味』 3760文字

     

    ゼロコンマ 無量エピソード

     約束、したんだ。
     あいつ……コンと。


     その日を毎年、楽しみにしていた。
     数日前に社に小豆が届くと、もうこんな時期かと社全体が浮足立ち始める。
     朝から小豆が煮える香りが漂い、昼ごろには社に立派なおはぎが供えられる。
     それはまだ、手を出すことはできない。
     夕方になると、御師さんから俺達社の者ひとりひとりに配っていただけるのだ。

    「変わりは、ないか?」
    「……はい」
     御師さんに順番に呼び出され、一人ずつ部屋に行く。
     その際、二、三問答が交わされた。
     大抵は、ここ社の暮らしや修行について。
     何か困ったことはないか確認していくというもの。
     年に二度、御師さんが俺達を気遣って直に聞いてくれるのだった。
     数言、言葉を交わして包みを受け取る。
     いつも、それだけの筈だった。
     しかし今年は何かが違った。
    「――本当、か?」
    「……」
     聞き返され、即座に返事ができなかった。
     御師さんの鋭い眼が俺を射抜く。
     見た目も、そして実際の年も、社の総代にしては類を見ないほど若く整った顔立ちをしている御師さんは、それ故かその眼光も生半可なものではない。
     まるで全てを見抜かれているかのようで、視線に晒されるだけで生きた心地がしなかった。
     ……コンのこと、だろうか。
     森に棲む異形――コンを封じて来いという御師さんの命を聞かず、それどころか日々コンと親しくしているのに気付かれてれてしまったのだろうか。
     それとも、社でのあのことか……
     気付けば、御師さんの顔は間近に来ていた。
     全てを見抜くかのような澄んだ瞳が、俺を見入る。
     さらりと艶のある黒髪が流れた。
     御師さんは俺の全てを覗き込むかのように、俺を覗き込む。
    「本当か」
    「……ほ、んとうです」
     耐え切れず視線を逸らし、嘘をついた。
    「……そうか」
     御師さんは小さく息を吐くと、身体を離した。
    「お前がそう言うなら、そうなんだろう」
     そう言うと、包みを俺に手渡してくれた。
    「何かあったら、俺に言え」
    「あ、りがとうございます」
     申し訳ない気持ちを堪え一礼する。
     それでも、ほんの僅か浮き立つ気持ちがあるのはこの包みのおかげ。
     これで、約束を果たせる。
     大事に懐に入れて部屋を出た。

    「は、あ……」
     思わずため息が漏れた。
     御師さんと俺は同じ家を元とする遠縁の一門だ。
     その縁で、実家に居場所のない俺を引き取って修行させてもらっていた。
     御師さんと縁続きということで、この社でも色々と気にかけていただいていたのだが……
     それは、決して幸運というだけではなかった。

     廊下の曲がり角で、天地が逆転した。
     足を引っかけられたとすぐに分かったのは、これが初めてではないからだ。
     そのまま、人の来ない納戸に引きずり込まれるのも、2、3人がかりで両手足を抑えられるのも。
     かろうじて、懐に入れておいた包みは守ることができた。
    「……今日も御師様に可愛がってもらったのか?」
     その声は、いつにもまして皮肉気な口調だった。
    「いいよなぁ。縁続きだからって、大した技量もないのに御師様に引き立てられて」
    「それとも、あっちの方の技量はご立派なのかもしれないな」
    「……違う。御師さんに失礼だ」
     既に反論する気力もなく、ぼそりと呟く。
     もう、何を言っても無駄だと骨身に染みて分かっているから。
     むしろ、言えば言うほど火に油を注ぐようなものなのだから。
    「違う、だってさあ」
     案の定、俺の言葉はすぐに食いつかれる。
    「だったら、ほとんど何もできないお前の厚遇の理由を教えてくれよ。血? 身体? 金は持ってなさそうだし……」
    「そんなの、ほとんどお前らに巻き上げられたじゃないか……」
     抑え込まれたまま、諦めきった様子で答える。
     俺がこの社に来た一日目から、始まった。
     御師さんの遠縁という一歩秀でた立場。
     なのに何の取り得もなく、御師さんのように異形を調伏するだけの強い力もない。
     無駄飯食らいだと判別されるのに、そう時間はかからなかった。
     嫉みと、日頃厳しい御師さんへのたまった鬱憤。
     そこにまんまとやってきた俺は、それを晴らすのに丁度良い玩具となってしまったのだ。

    「あ、うっ」
    「おっと、よく見えなかった」
    「そんな所に転がってると踏まれるぜ?」
     抑え込まれている手を踏まれた。
     腹を蹴られた。
     慌てて懐の包みを守ろうとするが、手足の自由が効かないのでなんとか身体を捩る。
     その反応がいつもと違って反抗的だと、更に殴られた。
     痛みに身を捩ると、懐から包みが落ちた。
    「ああ、お前も貰ったのか。どうせいつも貰ってるんだろ? 俺達に寄越せよ」
    「だ……駄目! 駄目だ!」
    「あぁ?」
     慌てて叫ぶ。
     そのいつになく必死な様子が、奴等の目に留まってしまったようだ。
     奴等はにやりと笑うと、包みに手を伸ばした。
    「あ……!」
    「余程甘いモンが好きなんだなあ。返して欲しいなら、それらしい態度を取れよ」
     鼻先に突きつけられる。
     たしかに甘い物は好きだ。
     だけど、今日のそれは特別なんだ。
     コンと、約束したんだ!
    「お……ねがいします」
     床の上に転がされたまま、必死で懇願する。
    「それが人にモノ頼む態度かよ」
    「すみません、お願いします、返してください」
    「どうしようかなあ」
     笑いながら、包みを開く。
    「あ……駄目だ!」
     中には、おはぎがふたつ。
     その一つを取ると、そいつはそれを口に入れた。
    「駄目……!」
    「あー、甘味ってのはありがたいねえ。心が穏やかになる。お前もちょっとは食べた方がいいんじゃないか?」
    「う……んっ」
     そう言うと、俺に唇を押し付けてきた。
     口の中の甘味が無理矢理俺の中に侵入する。
     久しぶりの甘味だが、その唇の不快さに身震いする。
     その頃には、首元が広く緩められ、胸が露わになっていた。
    「ほら、今日もきちんとヤれよ」
    「御師様に、尽くしてるんだろ? 俺達にも尽くさない道理はないよなあ」
     次に唇に押し当てられたのは、いやらしく熱く滾る欲望だった。
     いつもと変わらぬ、絶望の時間。
     御師さんもうすうす勘付いていて、それを俺に問いただしたのだろう。
     だけど、言うわけにはいかない。
     言ったら俺はこの社から余所に移されてしまうかもしれない。
     俺は、この社から離れるわけにはいかない。
     だって、この近くに、あいつがいるから……

    「うぁ……ねがい、お願い、しますっ。包みを……なんでも、するから包みを返して……っ」
     唇を凌辱され、更に辱めを課すために着物が乱される。
     無駄かもしれないと分かってはいたが、それでも必死で懇願した。
     だって、あの包みの中。
     あれは、コンに……
    「ひ……っぐ、頼む……」
    「……本当に、何でもするんだな」
    「おい、何をしようってんだ?」
    「いや、たまには、さ……」
     僅かな問答の後、俺の胸元に顔が近づく気配がした。
     ぬるい息がかかる。
    「あ……っ!」
     刺すような鋭い痛みが、しばらく続いた。
     顔が離れた時、そこには火傷のような赤い跡がついていた。
    「は……っは。御師様のモノが、傷モノになったな」
    「おい、大丈夫か? 御師様に勘付かれたら……」
    「いいか、ちゃんと誤魔化せよ。薪が跳ねて火傷したとでも言っておけ」
    「は……い」
     こいつ等は、俺と御師さんの関係を勘ぐっていた。
     それで、俺への攻撃が発覚するのを恐れていたのか、身体に直接手を出すのは避けていた。
     だがそれも、今日でお終いのようだった。
     一度火が着いた彼らの情欲は、簡単には消えることがなかった。
    「う……ぁ」
     無理矢理起こされ、壁に手を突かせられた。
     そのまま乱暴に衣服を剥ぎとられ、腰に手を当てられ。
    「あ……ぐ、ぅうっ!」
     力任せに、後ろから突き入れられた。
    「なぁ、こんなに仕込まれて……御師様も好きだねえ」
    「ひ……ち、がっ」
    「煩いからこっちも咥えてろよ」
    「ん……んっ」
     口を、後方を、あらゆる所を犯された。
     当然、御師さんとの間には何もない。
     だけど、村にいた時にもこんな事はあった。
     役立たずだと、これ位しか役に立たないと。
     異形を退治する際の練習だと言われ、押し倒されたこともあった。
     だから、こんな事、慣れている。

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    作者紹介

    • 岡野 こみか
    • 作品投稿数:26  累計獲得星数:240
    • 『ゼロコンマ』シリーズが4巻までRentaさん、パピレスさんから配信中!
      デスゲーム×BL小説『ビースト・ゲーム』も配信中です。
      これらが形になったのは、全て皆さんのおかげです!
      心から感謝させていただきます。
      これからも、もっと、色々書いていきたいなと思います。
      よろしくお願いします。

      文章書き、の端っこの端っこです。
      BLもラノベも、まだまだ初心者です。
      現在、クリエイティブRPG「三千世界のアバター」(http://s-avatar.jp/)にてゲームマスター(ライター)をやってます。←皆様のキャラの活躍を小説にしています。
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