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シリーズ:◇夜の翼~それぞれの想い◆part2
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◇夜の翼~それぞれの想い◆part2

作者:流☆華

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    番外編と本編のラストまで

    アダルト表現が多少あります

    文字数オーバーのため分割


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    ◇夜の翼~それぞれの想い◆part2 22323文字

     

    ◆番外編‐絆ーー紅い糸

    春日多聞=カスガタモン
    …W大学文学部史学科1回生
    20歳(浪人歴有)

    種族:属性
    …天然やんちゃ系男子

    知的能力(アビリティ値)
    …並(ポテンシャル高め)

    身体能力
    …体力持久120%

    特技
    …フットボール(サッカー)スポーツ全般

    人生経験値
    …50%未満

    etc…

    +++++++++

     
    山崎と別れ家路についた時、陽はすっかり西に傾いていた。

    電車も通常ダイヤで運行され、まるで事故などなかったかのようだ。

    何年ぶりかで全身の筋肉を使った。(ベッド以外で)

    オレは心地良い疲労感に包まれながら、玄関のドアを開けた。

    「ただいま〜」

    靴が揃えられているので映理は帰っている。

    なのに返事がない。

    あれ?

    不思議に思いながらオレはリビングに向かう。

    ーーするとゆっくりドアが開き、映理が顔を出した。

    「お、おかえり…多聞」

    「映理、帰ってたんだ。オレ腹減っ…て…」

    ーー!

    ドアの陰に隠れるようにして立つ映理の恰好を見た途端、オレはびっくりして言葉を失った。

    映理は【エプロン】姿だった。

    それも葉っぱの付いた苺が沢山散りばめられた柄の、いかにも新妻チックな…。

    オレは思わず吹き出しそうになるのを堪えて言った。

    「映理、そのエプロン…スゲー似合ってる。カワイイ!」

    「…し、仕方ないだろ…カワイイって言うな!」

    映理はなぜか頬を紅くして怒っている。
      
     
    オレは疲労も腹ぺこなのも忘れ、エプロン姿の映理に見入った。

    「…百合さんが送って来たんだよ。せっかくだし使わないと悪いだろ…」

    「母さんが?」

    そっか…流石に映理自身が選んだとは思えなかったが…。

    「またなんで、苺柄のエプロン?」

    「知らないよ。おまえの母親の趣味だろう?
    でもちょうど欲しいとは思っていたんだ。柄はともかく…」

    そう言うと『手を洗ってからこい』と念を押して、
    映理は居間のドアをバタンと閉めてしまった。


    照れてる照れてる。

    似合うのに…。

    そういえば家事は映理に任せていると母さんに話してたな…。

    義理の息子に気を使ったのか、ジョークのつもりなのか…。

    でもちゃんと着けているのだから、映理も満更ではないのかも…


    オレは汗で湿ったシャツを着替え、言われたとおり手を洗ってからリビングに入った。

    キッチンにはエプロン姿の映理が、無愛想に炒飯を盛り付けている。

    そんな映理を見ていると、やっぱり顔がニヤけてしまう。

    可愛いな…

     
     
    ニヤニヤが止まらないままテーブルに着いたオレの前に、どんと山盛り炒飯が置かれた。

    「腹が減ってたんだろ? 残さず食べろよ」

    「映理、怒ってる?」

    「別に…。夕食にはまだ早いからそれで我慢できるだろう。食べ終わったら部屋に戻っていろ」

    「…はいはい」

    映理が不機嫌に見せているのは照れ隠しなのだ。

    ここは素直に従う方がいいだろう。

    それにしても、映理の炒飯は美味い。

    食べる度に少しずつ味や具材に工夫が施してあり飽きさせない。

    研究熱心さがこんな所にも顕れているのだから流石だ。

    たかが炒飯だが、幼少期から作り続けた味はプロも唸るレベルに達しているとオレは感心した。

    食事のカロリー計算だってきちんとしてあるのも、最近気付いた。

    口には出さないけれどオレのためーー?
    オレだけのために。

    そんな映理をオレは愛しいと思う。

    夕食の準備をしている映理の後ろ姿を、オレは改めてじっくり眺めた。

    背中でクロスしたエプロンの紐が、腰の辺りできっちりリボン結びになっている。

    頭の中にイケナイ妄想が湧いて来るーー。


     

     
    炒飯を平らげたオレは、こっそり背後から近づいて、ギュッと映理の背中を抱き締める。

    「わっ!何だ…」

    「チャーハン美味しかったよ。今度は映理が食べたいな〜。【苺】も紅くておいそうだ」

    オレは故意にイチゴを強調した。

    「おまえ…どこでも欲情するな。まるで発情期の犬だ」

    驚くと同時に映理は呆れ顔。

    「だって映理がカワイイからさ、つい変な気分になるんだよ」

    「…だから可愛いっていうな! 離れろっ」

    腕を振りほどこうとジタバタしている映理の上半身をオレは更に強く拘束する。

    「言っておくが俺に女装趣味はないぞ。多聞、いい加減に…」

    オレは下半身を映理の尻にピッタリくっつけて、息を吹き掛けるようにトドメのセリフを耳元で囁く。

    「映理の【裸エプロン】が見たい」

    「〜〜〜っ!」

    効果抜群。
    映理は硬直して、耳まで紅くなった。

    本物のイチゴみたいに。
     

     
    「…た〜も〜ん、いい加減にしないと夕食は抜きだ」

    オレにからかわれていると思ったのか、映理は本気で怒りだした。

    「えーっ、それはないよ」

    地雷踏んだかな?これ以上はヤバイ…

    「だったらおとなしく部屋に戻れ」

    「…わかったよ」

    オレは映理から離れ、すごすごと部屋へ引きあげた。



    ーーったく素直じゃないよな。

    部屋に戻ったオレはベッドに寝転んで考えた。

    プライドの高い映理は、女性的な賛辞や扱いを極端に嫌う。

    育ちのいい映理がいつの頃からか、自分を僕ではなく俺と呼ぶようになったのも、容姿の劣等感を少しでも緩和するためなのだろう。

    あーあ、見たいなァ・・映理の裸エプロン…
     
    いや、オレは諦めないぞ。
     

    やがて疲れと空腹が満たされたオレはそのまま眠りに落ちた。
     

     
    「…たもん、起きろ」

    ぼんやり瞼を開くと、映理がオレの顔を見下ろしている。

    「あれ…オレいつの間にか寝ちゃってた」

    「そんなに疲れてたのか? 今日は午前中しか講義がなかったはずだろう」

    「それが電車止まってさ、同好会の山崎と時間潰してた」

    山崎にカミングアウトした事と、小学生達相手にサッカーやってたなんて事は映理の感情を更に刺激しかねない。

    今はまだ言わない方がいい。

    「そうか…。夕食用意出来たぞ」

    「うん…」

    わざわざ起こしに来るなんて、機嫌直ったのかな…

    オレは部屋を出て行こうと踵を返した映理の腕を引き、ベッドに押し倒した。

    「多聞!?」

    映理は驚きつつも抵抗しなかった。

    「映理、オレふざけてなんかいないよ。そのエプロンだってホントに似合ってる…」

    おっと、可愛いは禁句か…
     


     
    オレの真剣さが伝わったのか、映理は少し照れたように

    「さっきは俺も言い過ぎた、ゴメン…。でもおまえは勘違いをしているぞ。本来エプロンは機能的に出来ているものなんだ。家事や掃除で服を直接汚さなくて済む」

    「オレ、映理に雑用任せっぱなしだからな…」

    「そんなのはたいしたことじゃないよ。ただ、スーパーで食料品は買えてもエプロンはなかなか買う勇気がなかった。そうしたら百合さんがちょうどこれを送って来たんだ…柄はともかく…」

    そっか…さすが現役主婦。ナイスだ母さん。

    映理を主夫にしているくせに、本当に欲しいものや気持ちにも気付かないオレっていったい…

    「多聞…」

    「え?」

    「もしおまえが望むなら、…おまえがどうしてもそれで萌えるって言うのなら…その、なってもいい…」

    「?」

    ベッドに貼り付け状態にされながら、映理は小さな声で呟いた。

    「は…はだかエプロン…」

    「ーーマジで!」

    やったーっ!
    オレは嬉しくて、大袈裟にバンザイをした。

    「…調子に乗るな。俺はゲイだけれど、パラフィリアとは違う。一度だけだぞ」
     


      
    「じゃあ、早速今夜…」

    「生憎それは無理だな」

    「なんで?」

    「教授の都合で課題提出が一日早くなったんだ。
    今夜は徹夜になる」

    「そんなぁ〜…、エッチも今日はお預け?」

    「そうなるな」


    喜んだのもつかの間、オレはガクッと肩を落とした。

    そんなオレを見て映理は、ベッドを降りドアの前で意味深にクスッと笑う。

    「まあ、俺が徹夜している間、起きていられたらご褒美をやる」


    よーし、オレも貫徹するぞ!

    「はりきるのはいいが、食事冷めないうちに来いよ」

    そうだ、まずは腹ごしらえっと…


    映理が扉を閉める寸前、オレも一緒に行こうと無意識に手を伸ばした。

    しかしパタンという音と共に、残さた指先が空を掴む。

    映理…

    突然頭の中に『運命』という言葉が浮かんだ。

    ーーもし本当に運命の相手がいるとしたら…

    オレは自分の手の平を見た。

    この指に見えない糸があるのならーー

    それはきっと、映理に繋がっているに違いない。
     
     
        
    だってこんなにも愛しくて、大切に思える存在は他にいない。

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