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シリーズ:えいえんのせかい
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えいえんのせかい

作者:亜金

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    2008年・秋

    普通の学生だった俺の中にもう一つの世界が生まれる。
    普通の日常、普通の生活。
    好きになった人の温もりに気づいたその時だった。
    幼き頃に交わした、女の子との盟約を果たすため…
    俺の中で何かが変わる。

    その時、俺はどんな世界に立ち、誰が俺の手を握っていてくれるのだろうか??


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    えいえんのせかい 88954文字

     


    えいえんのせかい

    10月24日金曜日 晴れ

    「えーん」

    泣き声が聞こえる…
    誰のだろう…?

    あぁ〜

    うるさいなぁ〜

    何がそんなに苦しいのだ…

    何がそんなに悲しいのだろう…

    俺には、わからない…

    どうする事も出来ない…


    「起きろ〜!」

    ガツン!

    みぞおちに強い衝撃を受ける。

    痛い…

    俺は、腹をさすりながら体を起こす。

    「おはよう…」

    「『おはよう』じゃない!
     今、何時だと思っているの?」

    今、俺に怒鳴っているのは、義姉の瞳。

    義姉と言っても学年は俺と同じ。

    「7時50分」

    「もう一度、殴ろうか?」

    「遠慮しとく…」

    俺達は、お互いが両親を早くに失い…

    同じ孤児院に預けられ…
    そして、同じ里親に引き取られた…

    だから、義姉。
    血の繋りなんて一滴も無い。

    「さっさと着替える!」
    「お腹が痛いから無理…」

    「仮病は、使わない!」
    「仮病じゃない」

    本当に痛いのだ…

    「大丈夫??」

    瞳が心配そうに、俺の顔を下から覗き込んだ。

    「大丈夫じゃない…」

    「お腹だして、寝てるからわるいんだよ…」

    いや…
    違う…

    「お前が、殴ったんだろ…?」

    ガツン…

    頭に衝撃が、走る…

    「殴るとは、こう言うのを言うのです」

    「殴ったね…
    二度も殴ったね?
    親父にも殴られた事が無いのに!」

    「私達に、お父さんなんていないじゃん」

    「……」

    沈黙が、流れる。

    「時間…」

    瞳がポツリと呟く…

    時計を見ると、8時15分。

    かなりピンチだ。

    俺は、慌ててパジャマを脱ぎ捨て、制服に着替えた。

    階段を降りる。
    リビィングに向かうと、冷めたトーストが置かれていた。

    俺は、それを咥えると、玄関にダッシュで向かった…




    「遅刻したら、アンタのせいだからね…」

    溜め息混じりに、瞳が言う。

    「口を動かす暇があるのなら、足を動かす!」

    すると瞳は、俺の尻目掛けてキックをした。

    「あうち…」

    俺は、ダイナミックにこけようとしたその時…

    「きゃ…」

    見知らぬ女の子を下敷きにするように、倒れこんでしまった。

    「す、すみません…」

    俺は、すぐに立ち上がると、その女の子にあやまった。

    女の子は、きょとんとした顔で、俺の顔を見ていた。

    「あ、あの怪我とかはありませんか?」

    女の子は、首を横に振った。

    なんか気まずい…
    瞳は、俺と女の子を交互に見ている。

    うーん
    うーーん
    うーーーん

    改めてみると、その女の子は、見知らぬ制服を着ていた。

    よし!
    逃げちゃえ!

    俺は、全速力でその場を去った。

    瞳も、そんな俺を追いかけるようについてきた。

    「コラ、逃げるな…」

    「そう言う自分も逃げてるじゃないか…」

    俺達は、走った。
    とにかく走って、走って走りまくった。



    俺達は、全速力で学校に向かった。

    教室に入り一息ついた頃。

    瞳が、話しかけてきた。

    「さっきの子、見かけない子だったね」

    「そりゃ、そうだろ?
     見ていなかったのか?
     制服が他校のモノだったんだしさ…」

    「そうだけどさー
     そう言えば、今日転校生が来るらしいよー」

    「そうなのか?」

    「どうやら、ウチのクラスらしいよー」

    「そんな情報、どこから仕入れてくるんだ…?」

    「昨日、担任が言ったたじゃん」

    覚えてない。

    「知らぬ存ぜぬ」

    「真白(ましろ)は、HRはいつも寝ているもんね」

    「ああ、HRなんて、授業の中で一番無駄な時間だと思うのだが…」

    「はぁ〜
     アンタって子は…
     お姉ちゃん、真白をそんな風に育てた覚えがないよ」


    「お前は、俺の保護者か?」

    「そんなもんじゃないの?
     私が居ないと、何にも出来ないじゃん♪」

    「そんな事ないぞ…」

    「じゃ、何か出来る?」

    「焼き飯」

    「誰がご飯を炊くの?」

    「瞳…」

    「ほら、私が居ないと焼き飯作れない」

    「他にもあ、あるぞ…」

    「何があるの?
     言ってみ?」

    「卵焼きだ」

    どうだ、参ったか…!
    こればかりは、材料は卵しかないぞ!

    「誰が、卵を買ってくるの?」

    「…」

    「ほら、私が卵を買って来なければ、卵焼きも作れない!」

    「それは、ずるいぞ…」

    「ずるくない、真白が、私が居ないと何もできない事が証明されただけ」


    ガラガラガラ…

    教室の扉が開く。

    「おい、お前ら席に着け」

    担任が入ってきた。
    それに、合わせて瞳も自分の席に戻って行った。

    「おい、今日は、昨日言っていた転入生の紹介をするぞ」

    担任の後ろをひょいひょいと小さな女の子が入って来た。

    その女の子は、担任の隣に立つと、小さく会釈した。

    「じゃ、水谷さん自己紹介をしてくれ」

    「水谷 奈々」

    女の子は、小さく呟いた。
    その声は、後ろの席に座っている俺にかろうじて聞こえるものだった。

    でも、この子…
    どこかで、見た事あるような…

    瞳の方に目をやると、うんうんと俺の方を見て頷いた居た。

    「あ…」

    水谷が小さく声を上げた。
    俺の方を見ている。

    「ん?どうした結城弟と知り合いか?」

    担任が、奈々の視線に気づくとそう言った。

    「はい」

    「どんな知り合いなんだ?」

    「さっき押し倒されました。」



    待て、確かに押すように倒してしまったが…

    その表現はまずいだろう…

    教室中にざわめきが広がる。

    「おい、マジかよ…」

    「結城君、サイテー」

    クラス内での評判が、がっくりと落ちた瞬間だった。

    「ちょっと待て…
     これには、色々と訳が…
     おい、瞳助けてくれ…」

    「わ、私知らーない」

    「押し倒されたって本当なのか?」

    担任が真顔で、水谷に聞いた。

    「はい。そして、逃げられました」

    さらに、クラス中がざわめく。

    「うわぁやり逃げかよー」

    「あぁ、私の中での結城君のイメージが…」

    「遅刻ギリギリだったのは、こんな訳があったのか〜」

    なんて、言ったらいいのだろう…


    「結城、あとで職員室に来るように…」

    「ちょっと、先生」

    「とりあえず、水谷さん。
     今開いている席は、あの野獣の後ろしかないのだが…」

    「気にしなくていいです」

    水谷は、そう言うと、俺の席の後ろ座った。

    うわ…
    女子の視線が痛い。
    HRが終わると、俺は担任に呼び出され、一部始終を話した。

    すると、担任は嬉しそうに笑った。

    「そうか、そう言う事情か…
     まぁ、あの子も前の学校で色々あったみたいだから
     できれば、仲良くしてやってくれ」

    俺は、そう言われると軽くうなずいた。

    教室に戻ると、瞳が俺の誤解を解いてくれたらしく、冷ややかな目を送られる心配はなかった。

    水谷はと言うと、クラスの人達に質問攻めにあっていた。

    無口で、あまり話したがらないタイプな為か、かなり戸惑っていた。

    よく見ると、容姿も結構可愛く。
    身長も小柄なため、特に男子達が集まっていた。

    水谷は俺の存在に気づくと小さく誤った。

    「ごめんなさい」




    「いいよ、気にしなくて…
     逃げて、悪かったな…
     怪我とかしてない?」

    「うん、大丈夫」

    奈々は、小さな声で呟いた。

    「にしても、おまえって美味しい展開が多いよな」

    友人である、菊池信也が、俺に声をかけてきた。

    「美味しいってなにが?」

    「転校生・登校中にぶつかる。
     これって、恋愛の王道じゃないか…」

    「確かにそうだが、現実は甘くないと思うぞ?」

    「まぁ、そうだよな」

    「俺らモテナイ組みの人間には関係のない話だもんな」

    一時間目の始まりのチャイムが鳴る。

    菊池は、そのままそれを言い残すとその場を去って行った。

    あぁ、今日もだるい授業の始まりだ…
    俺は、そう思うと、睡眠体制に入った。




    気がつくと、みんな昼休みで席を立っていた。

    「瞳、弁当…」

    俺は、瞳を呼び止めると、その場で弁当箱を渡してもらった。

    俺の席は転校生が居るため、占領されているのかと思ったが、無口な彼女を相手にするのはさすがに飽きたらしく、
    昼休みの頃になると誰も相手にしていなかった。

    「水谷、一緒に弁当食うか?」

    水谷は、コクリとうなずいた。

    一緒に食べると言っても、口数が少ない。

    ほぼ無言のまま、食事を済ませた、

    「美味かったか?」

    俺の質問にコクリとうなずいた。

    「あの、すみませんでした」

    「あ?何が?」

    「私のせいで、結城さんの評判を下げてしまって…」

    「気にする事ないよ、俺にも非があったわけだし…
     こっちこそ、怪我させてしまったみたいですまなかったな…」


    「怪我は、大丈夫です」

    「そうか…
     それは良かった。」

    水谷は、ニッコリと笑った。

    さっきも、同じ会話をしたよな…

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    コメント

    作者紹介

    • 亜金
    • 作品投稿数:3  累計獲得星数:3
    • 文章力や表現力がありませんが、書く事が好きな人です。
      書きたい事がいっぱいある為、あちこっち寄り道はしますが、出来るだけ書き続けていこうと思っています。

      俺の作家脂肪酸は、1個/シュークリームで10回復します。

      作家脂肪酸は、人間の体内では合成することができず、ある食品からしか摂取できない多価不飽和脂肪酸の一つ。
      作家にとっては、必須脂肪酸とされます。

      作家脂肪酸は、脳や神経組織の発育、機能維持に不可欠の成分で、人間の体では脳細胞に多く存在します。
      脳細胞内の作家脂肪酸量が減ると、モチベーションが低下して情報伝達がスムーズにいかなくなり、脳や神経の発達が悪くなったり、老化による学習能力や視力の低下を招いたりすることがわかっています。
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