upppiは縦読みコミック(タテコミ)・イラスト・小説が無料で楽しめるサービスです!

ようこそ!ゲストさん
シリーズ:BLUE JOKE
閲覧数の合計:2425

作品を編集する

  • シリーズタイトル・ジャンルの修正
  • この章を改訂する
  • この章を削除する
  • シリーズに作品を追加する
  • 表紙画像の変更

BLUE JOKE

作者:あやと

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    BLです。完成済み。シスコンお兄ちゃん、直太(なおた)は、ひょんなことから、妹達のバレーボールを教えるコーチになってしまう。そこに現れた監督、須賀原清春(すがわら きよはる)と出会ってしまい……。

    米国では青色は卑猥なイメージを連想させる色のようですが、タイトル通りの話になるんでしょうか…。
    他にも「BLUE」のついてる作品がありますので、お時間許すのであれば、目を通して頂けると幸いです。

    扉絵/菊市香さま


    登録ユーザー星:9 だれでも星:15 閲覧数:2425

    BLUE JOKE 41897文字

     

     一年に一度、俺の住んでる盛岡町では、小学校5年生を持つ保護者達の間で、子供会役員選挙というものが執り行われている。
     でも選挙というのは名ばかり。誰も、会長、副会長、書記、文化部長、女子親体育部長、男子親体育部長なんて立候補なんかしないので、それらは毎年クジ引きで決めることが恒例となってた。 
     そこでこの春に俺の父さん、明信(あきのぶ)は、ものの見事に「体育部長」と言う大役のクジを引き当て家に帰って来た。
    「ちょっと! 当てるなら宝くじにしなさいよ!!」
     母さんはぶち切れた。
     年の離れた妹、桃香(ももか)は小学5年生。「お兄ちゃーん」と言って母親の剣幕に怯えて俺を見上げてる。
    「桃香。大丈夫。5年の保護者は、どのみちクジに外れても平役員にはなるんだし、父さんが体育部長のクジを引いたのは、桃香のせいなんかじゃないから。」
    「そうよ! お父さんのくじ運が悪いだけよ!」
     プリプリと怒る母さんを尻目に、俺がサラサラした、桃香の髪を撫でてやると、桃香は照れたようにニッコリ微笑んだ。
     ああ。もうめちゃ可愛い。俺はハッキリ言ってシスコンだ。この10歳離れた妹が可愛くて仕方がない。シスコンだって誰に笑われても構わない、俺は頭を優しく撫ぜてやる。
     桃香は多分、親が喧嘩してるのは、自分が小学5年生になったのが原因だと考えてるに違いない。そんな訳ないのに、なんていじらしい妹なんだろう。よし、こういう時は気分を変えてやるに限る。
     俺は桃香の為に、ロイヤルミルクティーを入れてあげようと考えた。紅茶の茶葉は何にしようか。俺がキッチンの引き出しを開けると、母親、美沙子(みさこ)の声が飛んできた。
    「そうだわ直太! あんた今期、体育部長としてバレーボールのコーチになんなさい」
    「はあ!? なんで俺!? 俺バレーなんて授業でしかやったことねえよ! だいいち、元陸上部の俺に団体競技を教えられる訳ないから!」
    「大丈夫。あんたはお母さんがうまいこと生んで、顔も運動神経もいいから」
     俺より小さくなった母親が、俺の肩をポンポンと叩いたので、俺も母親の肩をポンポンと叩き返した。
    「いや、意味分かんないし、そんな事、無理だから。それに子供会のバレーボールの練習時間って、毎週土日の午前中じゃないか。母さんは可愛い息子の休日を、取り上げる気?」
    「まあ! 休日ったって、大学生のあんたなんか、毎日が休日みたいなもんじゃないの。それにその大学に通えるのも、誰のおかげだか知ってるわよね? 直太はタダ飯喰らいの身なんだから、親に協力するべきよ」
    「いや、経済的理由で、家から通える授業料の安い国立大学を選んで通ってる俺は、充分親孝行してる! だからコーチは無理!」
    「そうね。そう言われればそうだわ。でもね。直太、タダ飯喰らいには変わりないでしょう?」
    「う………っ!」
    「ほほほほほ。コーチするのは、直太に決定されたようね」
     母親は機嫌を取り戻して、声も高らかにキッチンから消えいく。
     くそう。いつものように言いくるめられてしまった……。
     俺がふうっとため息を付くと、桃香が心配そうに俺の服の裾を引っ張った。
    「お兄ちゃん……」
    「ん? お兄ちゃんコーチは嫌か?」
    「ううん! すっごい嬉しい!」
     にっこり笑う、桃香の嬉しそうな顔を見てると、なんだかコーチになるのも悪くないような気がしてきた。うん。ももかがお兄ちゃんコーチを喜んでくれるなら、一年間休日を返上したって構わない!
    「よし! じゃあ、お兄ちゃんがコーチしてあげよう!」
    「わーーい!」
     部屋ではしゃぎまわってる桃香が、めちゃくちゃ可愛い! うん。やっぱり引き受けて良かった!
     でも待てよ。俺、コーチなんて出来るかな? そこ重要な気がするけど、でもまあ所詮子供会のバレーボールだ。なんとかなるだろ。







     俺の住んでる校区では子供会の体育行事として、男子はソフトボール、女子はバレーボールを執り行ってる。体育部長のクジを引いた俺んちの場合、桃香が女の子なので、俺の両親は女子親体育部長にあたることになる。
     そして、母さんに言いくるめられた俺は体育部長のコーチとして、3月から始まった練習に参加することになった。
     初日、親が用意してくれた体育館シューズに履き替えて、体育館に入る。
     そこにはバレーボール当番と称した3人のおばちゃ…ゴホン。保護者達が居た。 子供の数を数えると、6年生が11人、5年生が7人、4年生が8人。体育館は狭いので、どうやら低学年は人数的な問題で、参加出来ないようだ。
     体育館には赤と白のビニールテープでラインが固定されて貼られていた。
     バレーの練習準備は、ポールを立ててネットを貼り、アウトラインの目印に、ネットに赤と白のストライプで出来たポールを立てるだけだと当番さんが教えてくれた。
     他にも、ネットで仕切られた隣のコートで、練習している他の町のボールと区別するため、各町のボールには町名が書かれていて、練習が終われば、盛岡町のボール、全部で23個を揃えて帰らないといけないみたいだ。。
     キャプテンが声をかけて子供達が準備運動を始めた。
     そこにやたらと背の高い真っ黒なジャージを着た、やたらスタイルのいい男が現れる。
     どうやらその男が監督のようだ。首から鮮やかな赤い紐をぶら下げ、先には黒くて長いステック状の笛をつけている。
     俺から挨拶するべきなんだろう。
     子供達が準備運動をしている間に、俺は監督の元へと急いだ。そして間近で監督を見て驚いた。子供達を見つめていたは、ものすごく男前だったんだ。
     歳は、俺の3〜5歳上ってとこだろう。日本人離れした彫りの深い顔立ちに、緑がかった茶色い瞳。背が190近くある。誰がどう見ても生粋の日本人には見えない。ハーフかクオーターってところか。
     日常で出会うような人間じゃない。なんでこんな人が、俺の町のバレーボール監督なんてしてんだろう?そう思って俺が監督を見上げたまま、言葉もなく、ぼんやり見つめていると、監督の深みのある声が、俺に降り注いだ。
    「どうした?」
     はっと我に返る。
    「あ……いつもお世話になっています。今年度の体育部長、黒田です」
    「随分と若いようだが、あんたが体育部長になったのか?」
    「……間違えました。体育部長は俺の両親です。俺は桃香の兄で、両親に言われて今年一年、体育部長としてコーチをすることになりました」
     自己紹介間違うなんて、どうにかしてる。動揺を隠せない俺を、監督はジッと見たあと、緑がかった綺麗な茶色い目を細めた。
    「ふうん。…下の名は?」
    「え? 直太…です」
    「そうか。直太か。俺の名は須賀原 清春(すがわら きよはる)恩師に頼まれて去年から監督をしている」
     須賀原さんは俺から目を離さずに、大きな手を差し握手を求めてきた。綺麗な目に吸い込まれ、恐る恐る差し出した俺の手が、須賀原さんの手に包まれる。
     ただの握手だ。ただの握手なのに、ドキリと心臓が高鳴った。そして俺の顔がみるみる赤くなっていく。
     須賀原さんがそんな俺をジッと見てるのが視界のすみに映ってる。あ。どうしよう意識して握手してる手も、かすかだけど震えてきた。須賀原さんは変に思ってやしないだろうか心配しながら、出来るだけ自然を装って、握手していた手を解いた。
    「直太……?」
     名前を呼ばれただけで、ドキンっと心臓が跳ねた。なんなんだこのときめきにも似たような感覚。相手は男なのに……変に意識してしまった事が監督にバレないようにうつむき加減で返事すると、監督の声が降ってくる。
    「……いや、なんでもない」
     ふっと笑われたような気配。なんだろうと見上げると、須賀原さんは、笛を咥えながら、クスリと俺を見て笑ってた。
    「練習を始めよう」
     口を挟む間もなくピピーーーッ! っと大きな笛が鳴る。
     俺はその笛の音に驚いて、練習の邪魔にならないように慌てて逃げるようにコートの隅へと逃げ込んだ。
     何やってんだ俺は……ひとりごち、コーチとしてまずはその日一日の練習風景をひとまず見守ることから始めることにした。
     須賀原さんも見守る形の俺のそばに来て、一日の決まった練習メニューや子供の顔と名前、簡単なルールを教えてくれた。須賀原さんに頼まれて補助的なこともしたけど、バレーのコーチとしての練習とは程遠い事しか出来ない。役に立ったのはボール拾いくらいか。

    ←前のページ 現在 1/13 ページ 次のページ→

    1ページ目に戻る
    ▤ 目次ページに戻る


    お気に入りリストに追加 この作品を応援する

    応援ボタンを押す事で作品の★が増え、作者に「イイね!」を伝える事ができます。

    コメント

    • 姫、またプチごぶでございます。さてこちらはどんなお話かしら?と思って読み出したら何とナント焦がれて止まない夢のワンダーランド・グレイスガーデンが舞台じゃぁありませんかっ!かはっ。もお清春ってネーミング個人的にツボだしツンデレな俺様キャラがたまりませんね、素敵すぐる〜。私の心のご主人様・雅人(うっとり)も心の友のリョウも出て来たしウハウハです♬ナオはノンケ設定だけど、、絶対真性ゲイだ(笑)
      • 1 fav
      • Re 返信

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • あはは!ししょーお久しぶりです&コメ楽し~≧(´▽`)≦(「姫」って敬称、紅梅さんに使ってるので、一瞬↓のコメ見ちゃった)
      こう楽しいコメ頂くと、ナオをがっつり真性ゲイにまでしちゃった方がよりコメディ的に膨らんだ気がしますね~。清春もその方が嫉妬に燃えて笑わせてくれたのかも!
      そういえば雅人さんの恋愛は、どこに行ったんでしょう…?
      そう考えると、長いことあやとの作品にお付き合い頂いて、ししょーにはホント感謝感謝です!
      ありがとうございますヽ(*´∀`)ノ
      • 1 fav

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • いろんなネタ?が満載で(突っ込もうかと思ったけど、やめておくよ。うん)
      お菊たんも書いてあるけど、淀みなくグイグイ引き込まれて読んじゃった。

      直太くんの素直さがホントいい感じで表現されてるし、須賀原さんの魅力が文章から漂ってきましたよ。
      つづき楽しみに待ってますねワーイ♪ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ♪
      • 2 fav
      • Re 返信

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • あはは。
      うん。そこはもう直せない。

      グイグイ読んでくれてありがとね!
      • 2 fav

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    作者紹介

    • あやと
    • 作品投稿数:50  累計獲得星数:735
    • 彩城あやと(さいじょう あやと)です。
      思いつくまま書いただけのお話を載せていますが、お気軽に楽しんでいただけると嬉しいです!


      Special thanks!
      アイコンデザイン☆ねこまんまさま
      一部分の扉絵、タイトル文字入れ☆菊市香さま
    • 関連URL
      ブログ:http://ayato440.blog.fc2.com/

    この作者の人気作品

    • 誠実な結末
      誠実な結末

      └夏といえば怪談

    • 心の中のお線香
      心の中のお線香

      └ある日、届いた一通のメール。 それは俺の遠い記憶を呼び戻し、彼女を引きずり出した。 恐怖とは

    • メイド喫茶
      メイド喫茶

      └車にどー―んと、はねられ向かった先は……。 しまった…。練る時間が残ってナイ。

    • におうのです
      におうのです

      └潔癖症の人が愛する人に触れられたとき。 そこから何が生まれてしまうのか…。

    • きたないもの
      きたないもの

      └ホラーに再チャレンジ。 う~ん。でもこれはホラー? ←まだ分かっちゃいない。 奥さん視点

    小説 ボーイズラブの人気作品

    • きらいきらいはとても好き(BL…  by 今室綾花

      └別荘には絶対に行きたくなかったんだ。だって、ものすごく嫌な思い出があるから。思い出したくない大っ嫌いな人がいるから。*****ツンデレ高校生の恋のお話です。R指…

    • もう一度君と  by あお

      └過去にトラウマを抱えた大学生の秋庭航(あきば わたる)はキスしているところを同じ学生の高見祐一郎(たかみ ゆういちろう)に見られてしまう。その学生は、航が昔好き…

    • パレット  by muu

      └何の目標も無くただ毎日を過ごしていた颯太は、新任教師の間宮と出合って、恋を知る。それまでの退屈な日々が嘘のように色づき始め膨らんでいく颯太の恋心。しかし、教え子…

    • 魔王を倒したら勇者が女になった…  by タカば

      └勇者は魔王を倒した!しかし、呪われてしまった!!混ぜるな危険、女体化&BLファンタジー!

    • 【軽くBL】花金にご注意  by 瀬根てい

      └わんこ系大学生×元不良サラリーマン……になるはずだった短編です。サラリーマンの拓真は花の金曜日を上司に潰され、帰り道に喧嘩していた若者たちに巻き込まれたあげく、…

    続きを見る