upppiは縦読みコミック(タテコミ)・イラスト・小説が無料で楽しめるサービスです!

ようこそ!ゲストさん
シリーズ:戦慄のジョギング・マン
閲覧数の合計:484

作品を編集する

  • シリーズタイトル・ジャンルの修正
  • この章を改訂する
  • この章を削除する
  • シリーズに作品を追加する
  • 表紙画像の変更

戦慄のジョギング・マン

作者:怪奇伯爵

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    フェイクであるはずの怪談『ジョギング・マン』。
    しかし、ネットでの公開後、全国から類似の話が寄せられた。
    『ジョギング・マン』は実在するのだろうか。

    都市伝説を扱ったモキュメンタリー短編小説。
    作中にあるジョギングマン噂話は、皆さまからの意見や新たに思いついたアイデアによって追記できる仕組みを取っています。


    登録ユーザー星:4 だれでも星:1 閲覧数:484

    戦慄のジョギング・マン 3271文字

     

     あなたは、『ジョギング・マン』を知っているだろうか。

     これは、『口裂け女』と同類の、近代に生まれた妖怪の一種と考えることができる。
     話の内容は、例えばあなたがジョギングをしていると、突然に後ろから足音が聞こえ、誰かが追ってくる気配がする。相手の呼吸が聞こえるほどに接近されると、その後しばらくはピッタリ後ろを追走される。
     どうにも気になって、後ろを振り返ると、そこにはおぞましい顔をしたランナーがあなたに迫っていたという訳だ。
     単純な都市伝説のようだが、実態は少々異なる。
     
     実は、『ジョギング・マン』の発端は、全くのフェイクであった。
     『恐怖伯爵』なるハンドルネームを使う人物が、自身のホームページでオリジナル小説として紹介したものだ。
     このサイトは、氏の個人的な趣味であり、内容はオカルトやホラー映画などを取り上げている。たまに、氏が創作した短編小説が掲載されることもあるが、『ジョギング・マン』は正にその一部だった。
     昨今のジョギング・ブームや、ホラー映画では一般的な、『追われる恐怖』をモチーフとして、氏はアイデアを思いついたという。

     ところが、掲載後しばらくして、読者からサイトへの書き込みがあった。
     その者をAとすると、Aの住む地域で同様の怪談話があるという。
     其処は古い城跡があって、周囲は市民のジョギング・コースとなっている。
     小説同様、その場所に異様なランナーが出没し、人々を脅かしているというのだ。
     
     この話を聞いても、『恐怖伯爵』はさほど驚かなかった。
     内容としては単純であり、膨大な数の怪談が散見される現代においては、むしろ違和感はなかった。偶然の一致というよりは、ほぼ当然の一致とも云える。
     ただ、氏としては、自らが何の参考材料もなく考え出したネタであり、その奇妙な一致を楽しんでいたらしい。

     暫くすると、再び書き込みがあった。
     今度は山陰地方に在住の読者からで、舞台となるのは学校だった。
     興味深いのは、Aが関東在住であり、Bは山陰という地域の違いである。
     Bの話では、マラソン大会に向けて、放課後一人で校庭を走っていた生徒が『ジョギング・マン』に追われたことになっている。
     Aの話と違うのは、『ジョギング・マン』の正体が明確にされていることだ。
     Bの『ジョギング・マン』は体操着姿で、以前交通事故で亡くなった生徒だという。
     マラソン大会に向けて練習していた生徒が事故死し、その無念が亡霊となって蘇るというものだ。
     
     これらを皮切りに、氏のホームページへの書き込みは徐々に増加していった。 
     同県で似たような話が寄せられた他、他県からの情報も登場する。
     『ジョギング・マン』は、思わぬ拡がりを見せた。
     
     それに伴い、読者から寄せられる情報も、次第にパターンが多様化してきた。
     前述の学校怪談、長い黒髪の女性版、なかには血の付着した手術着姿という突拍子もないものまで現れた。
     設定も多様化を見せ、『ジョギング・マン』の正体は、小学生から高齢のランナーというものにまで及んだ。

     唯一共通しているのは、その容姿がおぞましいということだ。
     顔は極めて醜悪な表現が採られており、果ては骸骨化しているものもあるという。
     また、体の一部(特に足)に重傷を負っているという説も多く見受けられた。
     そのような『ジョギング・マン』の走行フォームは異様でありながらも、スピードは速いとされている。
     腹がぱっくり割れていて、腸をはみ出させながら走ってくるというエスカレートした表現もあったが、これは明らかに読者の想像の産物だろう。


     さて、氏の創作がアップされて一年が経過しても、依然として書き込みは止まらなかった。
     当初の勢いはなくなったものの、新たなバリエーションが加えられることもある。『ジョギング・マン』は、確実に進化を遂げていた。
     そして、ここで大きな転換を果たす。
     それまでは単なる脅し的存在であった『ジョギング・マン』に、呪いの効力が付与されたのである。
     具体的にいえば、『ジョギング・マン』に追われたものは必死に逃げる。
     しかし、相当なスピードを持った『ジョギング・マン』の前では、逃げても逃げても追いつかれてしまう。
     ランナーは限界以上に走らなければならず、結果、心臓麻痺で死んでしまうというものだ。
     これは、『ジョギング・マン』が単なる妖怪から死神へ変化したことを示している。
     実質的な脅威を伴った『ジョギング・マン』は、引き続き『恐怖伯爵』氏のホームページ上に読者談として追記された。
     しかし、その後暫くして、ホームページは管理人による更新が途絶えている。
     管理人である『恐怖伯爵』からのメッセージは無く、何故更新が途絶えたのかは分からない。ただ読者からの書き込みだけは、依然続いているという。
     以下は、氏のサイト『暗黒の欠片』に寄せられた『ジョギング・マン』に関する書き込みの抜粋である。
     
     (ユーザー名:ひなた 関東地方在住)
     私の町には、ジョギング・マンの都市伝説があります。
     名前はジョギング・マンではなく『おざいしさん』と言いますが、これはまさにジョギング・マンだと思いました。
     『おざいしさん』は、近くにある大きな公園に出没します。
     夕暮れ時になると、ジョギングをする人がかなりいます。
    人通りがあれば、『おざいしさん』は出てきません。
     夜になって、一人で走っていると『おざいしさん』が現れるといいます。
     すごいスピードで走ってきて、振り返るとグチャグチャになった顔でニタリと笑うそうです。
     私の友達の友達も見たといっています。

     (ユーザー名:アシノ介 北海道在住)
     夏の時期になると、『ジョギング・マン』の噂が出ます。
     こちらでは、特に名前は付いていません。
     正体は、事故死した高校生で、有望な陸上選手だったようです。
     轢き逃げされ、遺体の発見が遅れたらしく、腐乱した顔をしているとのことです。
     気配を感じたら、けっして振り返らず、そのまま後ろ向きに走れば消えてしまうそうです。


     (ユーザー名:チョリソ 香川県在住)
     『ジョギング・マン』の正体は、マラソン好きなお爺さんです。
     健康のために毎日走っていましたが、突然苦しくなって倒れたそうです。
     早朝だったため、人通りが少なく発見が遅くなって助かりませんでした。
     でも、実は一人のサラリーマンがその場にいたそうです。
     サラリーマンが助けていれば、お爺さんは助かったかもしれません。
     その恨みが、この世に残っているのです。
     ですので、追われる人はサラリーマンです。
     スーツ姿の人が走っていたら、『ジョギング・マン』に追われている可能性があります。
     他の人には、『ジョギング・マン』の姿は見えないそうです。


     そして、このような書き込みに混じって、不可解な内容のものが発見された。
     書き込み者の氏名等は全く記載がなく、その内容の真偽も不明である。

     本サイトの管理者『恐怖伯爵』さんは、心臓麻痺で入院したそうです。
    危険な状態らしかったのですが、なんとか一命は取り留めました。
     おそらく、これでサイトが更新されることはないと思います。
     ここだけの話ですが、『恐怖伯爵』さんもジョギングが趣味だったようで、その最中に心臓麻痺を起したらしいのです。
     もし、それが本当だとすると、『ジョギング・マン』に遭遇したのではないでしょうか。
     ジョギング・マンの呪いが、彼を襲ったのかもしれません。
     皆さんは、どう思いますか?
     私は、『ジョギング・マン』が実在すると思います。
     
     

    ←前のページ 現在 1/1 ページ 次のページ→

    1ページ目に戻る
    ▤ 目次ページに戻る


    お気に入りリストに追加 この作品を応援する

    応援ボタンを押す事で作品の★が増え、作者に「イイね!」を伝える事ができます。

    コメント

    • 私の近所でもジョギング・マンが出没します。
      マッチョな体系なので、プロテインを飲んでいると追いかけられます。(どんなシチュエーションなんだ

      都市伝説の生まれを垣間見た気がしました。
      臨場感があって上手いです。
      • 0 fav
      • Re 返信

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • コメントありがとうございます!

      マッチョとは、意外性ありますね。
      全く想像していなかったパターンです。
      捻れば、面白いエピソードになる気がします。
      • 0 fav

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • ホラーな噂の遷移って面白いです。こういう話しは実際にありそうで、テケテケさんとか、小学校の頃はよく話題にしていました。そういうものを研究した本があれば読んでみたいと思います。頷きながら読んでしまいました。ここから派生して、「ジョギング・マン」として、誰かのエピソードを詳細におって欲しいかも。
      • 0 fav
      • Re 返信

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • こちらにもコメントありがとうございます!!

      典型的な都市伝説を少しパロディ気味に扱ってみました。
      本コンテストのネット投稿という特性をヒントにしてみたのですが、自分でも予想外のアイデアとなりました。
      エピソード部分のインパクト不足は実感していました。
      ご指摘いただいた作りにすると、確かに厚みが増しますね。改訂できないのが残念です…。
      • 0 fav

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    作者紹介

    この作者の人気作品

    • 暗黒の家
      暗黒の家

      └ホラー映画マニアの書くホラー小説。ゾンビ題材の短編です。B級ホラーの雰囲気を感じていただければ、

    • 死霊の子守唄
      死霊の子守唄

      └寒村で起きた失踪事件を調査する私。 途中で見かけた建物は、異様な空気に包まれていた。 村の巫

    • 暗黒の詩 ~塔の上の少年~
      暗黒の詩 ~塔の上の少年~

      └ストレスに耐えるOLだけが知る、風変りな世界。 そこに住む少年の正体は? 詩的手法を取り入れ

    • 暗黒の扉
      暗黒の扉

      └何かに憑依された娘アン。 彼女を救う術はあるのか。 『悪魔憑き』をダーク・ファンタジー風

    • 暗黒の詩 Vol.1 預言
      暗黒の詩 Vol.1 預言

      └アメリカのB級ホラーテイストを目指した作品です。 ゾンビ意識ですが、あえて控え目にしました。

    小説 ホラーの人気作品

    • 冬の日  by 三塚章

      └ホラー小説コンテスト参加作品。公園であった、ちょっとかわいい女の子。萌えホラー?

    • 似たような怖い話  by 古来

      └建物にまつわる二つの怪異を、ひとつにまとめてみました。多少なりとも気配を感じていただければ幸いです。

    • イギリスにて  by ナツミカン

      └イギリスを舞台にした話です。怖い話というより不思議な話です。

    • 彼は語る  by 三塚章

      └イケメン童話作家にインタビューです。彼は、いったいどういった経緯で童話作家になったのでしょうか。どこかが狂った純愛話。最初はインタビュー形式になっているため、お…

    • 悪魔のスマホ  by 宙 佳吹

      └弘司と洋子は、突然スマホが故障したため、無料のスマホを入手した。ところが、そのスマホは、超ヤバーイ、 スマホだったー! その後、何人もの男女が、そのスマホを入手…

    続きを見る