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シリーズ:死にかけ名探偵 Flag.5
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死にかけ名探偵 Flag.5

作者:上尾つぐみ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    「冗談じゃない!この中に犯人がいるかもしれないんだぞ! 俺は一人で部屋にこもるからな!」

    嵐の孤島で起った殺人事件。一人部屋にこもった主人公を待ち受けていた運命とは――。

    奴が死にかけたとき事件は解決する! 魔訶不思議ミステリー第四話!


    登録ユーザー星:1 だれでも星:1 閲覧数:205

    死にかけ名探偵 Flag.5 2354文字

     

    「はい、スタッフルームです」
     鈴の音のようなかわいらしい声が受話器のむこうで答えた。九厘さんだ。事件前に見た彼女の巨乳を思い出し、思わずにやけ――ている場合じゃない。
    「もしもし、風祭ですけど」
    「風祭様ですね。何か御用ですか?」
     驚くだろうなと思いつつ、俺は切り出した。
    「事件の現場で、何か気がついたことがあったら伺いたいんですけど」
     大津の次にスタッフルームに電話をかけたのは、もちろん第一発見者に話を聞きたいというのもあるが、犯人である可能性が低い人から順に話を訊いたほうがいいだろうというプーシャの助言が決め手だった。
     事件について嗅ぎまわっていることがばれたら、何らかの形で犯人に命を狙われる可能性が高い(もしかしたら百パーセントかもしれない。死亡フラグも刺さってるし)。だったらできるだけ犯人に電話をかけるのは後回しにしたほうが、少しでも寿命を延ばせるかもしれない。もちろん、犯人を特定すれば死亡フラグの効果は無効化されるわけだが、正直、素人探偵以下である自分の推理に自信はない。だったら一分一秒でも延命したいと思うのが人間というものだ。
    「事件現場で気がついたことですか。そうですね……」
     九厘さんはゆっくりと覚えていることを話しだした。
    「まず、大広間から電子音がしたので、私は大広間に向かいました」
    「電子音?」
     大津の話には、出てこなかったよな。
    「目覚まし時計の音ですし、部屋に入ってすぐ止めてしまったので大津様はおそらく聞いていないかと」
     目覚まし時計か。そのぐらいの音量じゃ大広間に隣りあってるスタッフルームはともかく、大津の部屋までは聞こえなかっただろう。同じく大広間に隣り合った部屋の尾頭が部屋を出たのが早かったのは、九厘さんの悲鳴を聞いてから飛び出したんじゃなく、目覚まし時計の音に気がついて出てきたからか。
     それにしても、目覚まし時計にしては随分変な時間に鳴るな。夜の十時四十分頃。うっかりスイッチを切り忘れて、朝の十時四十分頃と間違えて鳴ったにしろ、朝ごはんの準備などで早起きしなくてはいけないスタッフのお二方はおろか、俺たちの起床時間である六時より遥かに遅い。
    「その目覚まし時計について、詳しく伺えませんか?」
     この目覚まし時計は事件に関係がある。俺の勘がそう訴えている。素人探偵の勘なんてあてになるのか疑問だが、今は寧ろ「火事場の馬鹿力」を信じたい。
    「手のひらに載るサイズの、小さなデジタル時計で、色はシルバーでした」
    「シルバーのデジタル時計? この古風な館には似合わないのでは?」
    「ええ。当館の備品ではありません。何故置いてあったのか……」
     犯人が置いたんだろうな、偶然適当な時間にセットした目覚まし時計を大広間に忘れた奴がいるとは考えにくい。いったい何のために……?
    「時計について気がついたことはこれぐらいです」
    「わかりました。それで、時計の音に気がついた九厘さんは、大広間に向かったんですよね?」
    「はい。私はすぐスタッフルームから飛び出し、電気をつけて大広間に入りました。」
     電気をつけて? 部屋に入った時点では電気は消えてたってことだよな。
    「その時点では亀山様のご遺体には気づきませんでした。ちょうどテーブルの影になっていましたので。気がついたのは、そのテーブルの上にある目覚まし時計を止めようとした時です」
     その点については俺も異論はない。
     さて、訊くべきことはあらかた訊いたかな。
    「凶器についての情報を訊き忘れてるのです!」
     ああ、いけね! サンキュ、プーシャ!
    「凶器……ですか?」
    「大津は猫の置物じゃないかって言ってましたけど」
    「そうですか。そういえば亀山様のご遺体の横に転がっていたような……」
    「その置物、どういったものなんですか?」
     訊きながら死体にばっかり気を取られていて、悲しいぐらいに現場を見ていないことに気がついた。
    「座っている猫の置物で、ブロンズ製です。高さは20センチぐらいだったと思います。尻尾が丁度マグカップの取っ手のような形になっているので、持ちやすく、私でも楽に持ち上げられます」
     なるほど。容疑者の中で一番非力そうな九厘さんが楽に持ち上げられるってことは、凶器から犯人を絞り込むことはできないってことか。
    「わかりました。ありがとうございます。他に何か気がついたことは?」
     凶器に関する質問が無駄な結果に終わりそうだったので、少しでも他の情報を訊きだそうと質問を追加する。
    「うーん、そうですね……。あ、気になる事が一つだけありました」
    「と、言いますと?」
     わざわざ前置きするってことは、結構重大なヒントと考えていいんだろうな。
    「亀山様のご遺体は、手にビワを握っていました」
     それってもしかして……!
    「いわゆるダイイングメッセージだと思われます」
    「死後硬直は指先から始まるのです。死体の手に物を握らせるのは結構大変なのです。被害者が残したメッセージと見て間違いないのです!」
     九厘さんの発言に、興奮して同意するプーシャ。ダイイングメッセージと言えば、被害者が死に際に残した、犯人を指し示す重要なヒントだ。そんな重要なヒントを見てなかった自分の大ボケに涙が出そうだが、九厘さんも気付いてなかったみたいだし、よしとしよう。
    「ありがとうございました。では」
     俺は高鳴る鼓動を感じながら受話器を置いた。これだけ情報が集まれば、何とかなる気がしてきた。
     それにしても、第一発見者だけあって、いろいろな情報が聞きだせたな。さて、次は尾頭にでもかけるか。

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    コメント

    作者紹介

    • 上尾つぐみ
    • 作品投稿数:5  累計獲得星数:9
    • ナルニア・聖☆お兄さん・ボカロ・デュラララ!! などが好きです。
      一次二次問わず活動しています。よろしくお願いします。
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