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シリーズ:幸せのかけら
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幸せのかけら

作者:流☆華

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    サラリーマン同士のBLストーリーです。
    ☆ナイーブで控えめな性格の主人公、立花和樹。
    ☆高校時代の先輩で、初恋相手、現在恋人の尾崎(進藤)崇宏。
    ☆同期入社の肉食系男子、藤田雅人。
    少しずつ変化していく三人の関係は…
    「ガラスのかけら」の続編です。


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    幸せのかけら 48483文字

     

    はじめに・・・
    こちらは、『ガラスのかけら』の続編エピソードをまとめました。

    前作(本編)から歳月がかなり流れており、設定が少し変わっていたりしますが、キャラの性格や、基本的な流れは変わりません。
     
    よろしければ、お付き合いくださいm(__)m



    Prologue-永遠なんて信じない- 

    いい加減で、嘘つき・・

    だけど、誰より 
     
    僕を愛してくれた君へ

    +++++++++++++
    《登場人物紹介》
    『ガラスのかけら』より

    ☆立花和樹…18歳、社会人一年生
    性格…真面目、温厚、世間知らずの恥ずかしがり屋。
    小柄で女子のような体型
    尾崎のマンションで家政夫をしている。
    一度告白し、完全に振られたが、事情を知り現在は恋人になった。彼を心から尊敬し、愛している。

    ★尾崎(進藤)嵩宏…20歳
    和樹と同じ高校の先輩で初恋の相手。
    性格…冷静沈着。めったに本心を現さない。
    家庭環境に問題があったため二面性を持っている。
    長身で美形
    和樹を家政夫として自宅マンションに住まわせ、冷たい態度を取っていたが、実は愛していた。

    ☆藤田雅人…大学卒の22歳。
    自由奔放で女好き。外見中身共に体育会系だが、容姿は悪くない。お金がなくてもお洒落にはこだわる個性派。
    同期入社の和樹を小動物のように扱いからかっている。
    最近では和樹に対して本人も理解できない複雑な感情を持て余し気味。
    同じ会社の派遣社員、神崎優香という彼女がいる。


    1、覚めない夢のように


      
    ブラインドの隙間から朝陽が漏れている。

    僕、立花和樹はベッドから起き上がり、サイドテーブルの上の時計を確認した。

    7時少し前…

    「あれ…?」

    確か目覚ましをセットしたはずなのにーー

    ここは尾崎さんの部屋だ。

    昨夜身体を重ね、一緒に眠ったはずの尾崎さんがいない…

    僕は慌ててシャツに着替え、リビングに向かう。

    「おはようございます、尾崎さん」

    いつものようにコーヒーを飲みながら、尾崎さんは新聞を広げていた。

    「おはよう和樹。良く眠れたか?」

    居候同然で、家政夫の立場なのに寝坊なんて…

    いささか気が緩みすぎではないかと反省する。

    「…すみません尾崎さん。すぐに朝食作ります」

    「二人の時は名前でいいって言っただろう、和樹」

    尾崎さんはあたふたしている僕の側に来て、優しく抱きしめてくれた。

    「身体大丈夫か? 昨夜は遅くまで付き合わせてしまったな」

    尾崎さんとの甘い夜。
    思い出すと、自然に頬が紅くなる。

    目覚ましを止めたのは尾崎さんだ。

    さりげない気遣いが嬉しい。
      


     
    こんな穏やかな日々を迎えられるようになるまでには、
    お互い様々な葛藤や紆余曲折があったけれど・・

    今はそんな事どうでもいい位幸せだ。
     
    高校時代、憧れて憧れて、初めて恋した人が、今自分の側にいる。

    僕はあの頃同性を好きな人間なのだと自覚していた。
     
    だから、同性でしかも人気者の尾崎さんは手の届かない存在だと諦めていのに…。

    僕は本当にあなたの側に居ていいのかな…

    あなたに相応しい人間なのかな…

    尾崎さんの腕の中でそんな事を考えていると

    「立花…お前その格好で出勤するのか?」

    突然言われ、僕は改めて自分がどんな服装なのか確認した。

    上はワイシャツ、下はパジャマのままといったなんとも間抜けな姿ーー

    「あっ、これは…その…」

    クスクスとおかしそうに笑う尾崎さん。

    僕はみっともなくて、耳まで真っ赤になった。

    「まだ時間はあるんだ、ゆっくり着替えるといい」

    そういうと、尾崎さんは僕の額に軽くキスをして、上着を取り玄関へ向かう。

    「じゃ、先に行くよ。立花」

    「あっ、尾崎さん朝食は?」

    「コンビニで適当に何か買って済ます」

    「でも、それじゃあ…」
     


     
    家政夫として、僕は本当に役立たずじゃないか…。
     
    会社は同じでも、営業の尾崎さんと事務職の僕では、生活サイクルがかなり異なる。

    忙しい尾崎さんのために、僕が身の回りのサポートをしなくちゃいけないのに…

    しゅんとうなだれている僕に、尾崎さんは嬉しい約束を残してくれた。

    「立花、昼食一緒に取ろうか。後で電話するよ」

    途端に気持ちがパッと晴れた。

    「はいっ!」

    ***

    尾崎さんが出掛けた後、単純な僕はふわふわと雲の上にいるみたいに浮かれてしまった。

    社内でも滅多に顔を合わせない尾崎さん直々のお誘い。

    一緒に暮らし、寝食を共にしていても、飽きる事なんかない。

    好きって気持ちには際限がないのだ。

    もちろん僕と尾崎さんの関係は、会社員としての立場を考えれば、リスクの高い極秘事項だけど…。
     
     
    昼休みになると、オフィスの社員達は、食事をしにそれぞれ散って行った。

    僕は尾崎さんからの電話待ち。

    ワクワクする気持ちを抑えつつ、デスクで頬杖をついていると

    「よっ、立花。ちょうどよかった。一緒にメシ食いにいこうぜ」

    そう声をかけてきたのは、尾崎さんと同じ営業部の藤田雅人。

    彼は僕と尾崎さんの再会に直接関わった人物だ。

    容姿、性格共に尾崎さんとは正反対の典型的な体育会系。

    入社以来何かにつけ絡んでは、僕をおもちゃ扱いして楽しんでいる。

    正直苦手なタイプだ。

    「ゴメン、予定があるんだ」

    藤田君は途端に怪訝そうな表情になった。

    僕は詮索される前に尋ねる。

    「神崎さんは一緒じゃないの?」

    僕と同じ部署の派遣社員、神崎優香さんは最近藤田君と付き合い始めたばかり。

    男子社員の注目の的だった神崎さんを独占できたのだから、さぞ自慢だろう。

    「優香ちゃんなら、経理の女子達といっちまったよ。まあ最近昼時にタバコ吸える所が少なくなったし、いいけどさ」
     

    「彼女とは上手くいっているんだよね」

    「まあな…」
     
     
    意中の相手と相思相愛になれたのだから、のろけ話でも延々と聞かされるのでは…
    と思ったのに、意外とあっさりした返答。

    「約束って何だよ、立花」

    話を戻され、ドキリとする。

    「尾…進藤さんと待ち合わせ」

    会社での尾崎さんは母方の姓で呼ばれている。

    両親の離婚で姓が変わった事を、再会するまで僕は知らなかった。

    「へぇ〜、珍しいじゃん」

    藤田君は妙に感が鋭い。

    僕は、極力誤解を生まないような言い訳を考えた。

    すると

    「お前、首にキスマークついてるぜ」

    !!

    藤田君の的を射るような指摘にビックリして、僕は思わず自分の首に手を当てそうになる。

    いけない、彼のペースに乗せられては…

    「そんなのあるわけないだろ!」

    確かに昨夜僕は尾崎さんに抱かれた。

    だけど、お互いの立場をわきまえている彼がそんな痕跡を目立つ場所に残すはずがない。

    これは藤田君特有の誘導尋問…。

    少しでもおかしな素振りを見せたら付け込まれる。

    毅然とした態度を崩さない僕を瞬きもせずにじっと見て、藤田君は意味深にフッと笑う。

    「冗談だよ。お前、ホントおもしれーな」
     
     
    そう、入社以来僕はこんな風に散々からかわれて来た。

    「・・しゃーねぇ。一人寂しく社食にでも行くか。あそこのまずい定食も、もうすぐ食えなくなるしな」

    「えっ…、社食無くなるの?」

    「ん?ああ、元々赤字でやってたんだから仕方ねーだろ」

    『じゃあな』と片手を上げ藤田君は出て行った。

    僕は安心すると同時に、何も知らない自分が惨めに思えた。

    いつも社内外の情報は藤田君が持ってくる。

    ふざけているようで、実は機転も利くし、尾崎さんとは違う意味で仕事もでき、社交性もある。

    だから僕は適当にあしらわれ、腹立たしく思いながらも彼を嫌いになれないのだ。

    しかし今はぼんやりしている場合ではない。

    藤田君がエレベーターに乗り込んだのをこっそり確認し、僕は急いでトイレに駆け込んだ。

    まさか…だよね。

    キスマークなんて…

    ……

    洗面台の鏡に映った自分の首筋を念入りに確かめて、僕は心底安堵のため息をついた。
     

     
    とにかく藤田君は要注意人物だ。

    自分の言動にも気をつけなければ…

    僕が鏡の向こうの自分へ決意を新たにした時、ポケットの中の携帯が鳴った。

    『…立花?遅くなってごめん。今から近くのファミレス来れるか…』

    電話の声は尾崎さん。

    「はい、すぐに行きます」

    会社のあるオフィスビルから歩いて5分程のファミレスは、ランチタイムと重なって混んでいた。
    中には同じフロアの社員もいる。

    僕と尾崎さんが入っていくと、喫煙席しか空きがないと店員がいう。

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