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シリーズ:マサキ
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マサキ

作者:黒田銀河

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    有名なギタリストと、貧しい少年の話。


    登録ユーザー星:1 だれでも星:2 閲覧数:482

    マサキ 1129文字

     

      マサキ


    青年マサキは有名なギタリスト。
     ある時、才能に行き詰まり、極秘の旅に出た。
     マサキが望んだものは、自分と全く正反対の、現地の生活である。
     マサキは現地語で呼びかけた。
    「僕はここで生活したい」
     滞在期間は一カ月と決めていた。一か月で、自分は一体、何を発見できるのだろう?
     何もかも、原点に帰りたかった。

    こむぎ色の肌をした人々の前で、ギターを奏でていると、一人の少年が現れた。
    松葉杖をついた、りりしい瞳をした『フィッツィー』である。
     フィッツィーは可哀そうな少年だった。内戦で別れた両親に会いに行こうとしたら、狙撃隊に撃たれた。
     同情の手を差し伸べる大人もいない。
     フィッツィーは、毎日マサキに会いに来た。そして、子供たちのリーダーとして、みんなをうまくまとめていた。
     ある日、ある子供がマサキのギターにさわろうとすると、フィッツィーが、
    「さわっちゃダメ!」
     とギターを守っていた。
     マサキもフィッツィーを特別可愛がっていた。
     いつしか、マサキは町の人々の癒し役になって、いつも音楽を奏でていた。
     悲劇は突然おきた。
     一か月の滞在期限が迫っていた頃、フィッツィーの姿が消えたのだ。
     マサキは人々を訪ね歩いて、ある施設に着いた。
     そこは、内戦に傷ついた子供たちが運ばれる場所。
     施設を歩いていると、寝ているフィッツィーがいた。
     看護師の話によると、傷が化膿して熱が下がらないとの事。
     病魔は突然?…それとも、今まで元気なフリをしていたのか。
     フィッツィーがマサキの白い手を掴んだ。

    「マサキ…」
     いつものフィッツィーが消えていた。
     マサキはかけてあげる言葉がこれしか見つからなかった。
    「君の為に、僕は何ができる…?」
     フィッツィーが言った。
    「マサキは…きっと、神様だよね」
     衝撃を受けた。心打たれた。この少年は、どれほど愛情に飢えていたんだろう。
     それでも、いつも笑顔を絶やさなかった素晴らしい少年…。
     マサキは涙をこらえた。自分の涙など、この少年の涙に比べたら、ちっぽけなのだから…。
     マサキは下を向き、涙をごまかす為にギターを取り出した。
     狂ってる。
     どうして、こんなに良い子が、苦しまなければならない…?
     誰か、教えてくれよ。
     日本にいる時よりも重い壁にぶち当たっていた。
     乾いた空気の中では、弦も切れそうだ。
     音は深く、暗いサウンドに入っていった。
     マサキの目に涙が溢れた。
    『自分はこの世界では何もできない』
    『金持ちが才能を満たすだけの、自己満足の世界…』
     フィッツィーは目を閉じているので、マサキの涙に気付かなかった。
     しかし、絶望と共に、小さな希望の光が差した。
    『そう…音楽は小さな希望なんだ』
    「フィッツィー、僕が日本に帰っても、頑張るんだよ」
     それが神・マサキの最後の囁きだった。

     この旅は、マサキの暗い心を大きく変えた。





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    コメント

    作者紹介

    • 黒田銀河
    • 作品投稿数:18  累計獲得星数:29

    • 幼い発想で書いていきます。ふとした非、日常が好きです。









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