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シリーズ:正伝・安部晴明
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正伝・安部晴明

作者:Koichi

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    安倍晴明を主人公に、心に巣食うその者自身との話です。


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    正伝・安部晴明 0文字

     

    第一章 鬼


    夜山道を晴明と博雅
    狼の鳴き声、カラスがバサバサ、木の揺れる音

    怖がる博雅
    ニヤリする晴明、
    蛙の鳴き声、止む風

    晴明の表情が真剣になる、歩みを止める
    「どうした!晴明?!」
    博雅、周りをキョロキョロ怯える

    晴明、薄っすらと笑みを浮かべ応える
    「鬼です 遊んでいきましょう」
    博雅、目を見開く

    2人正面の地面が軽く爆発して下から鬼飛び出す
    鬼着地し、「ハーー!」と吐く煙
    腰を抜かす博雅
    晴明一回転しながら刀を抜き前に出る
    ヒュンヒュンヒュンヒュンババッ
    構える

    鬼、両手を前 爪を立て走り来る
    晴明、胸元から数枚の式紙出し上に放り投げる
    ひらひら舞う中、晴明飛び上がり空中で斜め2回転
    後ろ向きで着地、片膝着いた姿勢
    振り返り、鬼にピシっと向ける刃先
    その瞬間、舞っていた式紙が発火し鬼へと急速飛来
    バンバンバンバンと着弾し爆発
    鬼、水平に後ろへ飛ばされる

    晴明、踏み切り空中を走るように前方へ
    ヒュンヒュンヒュンヒュン左右に刀を回しながら鬼前へ着地
    斬ろうと刀を振り上げた瞬間、鬼が殴り払う
    鬼、続けて晴明の胸にパンチ バスっと舞う埃
    晴明、ザザーーと地面をスベリ後ろへ

    博雅、腰を抜かし目を見開き、あわあわする

    砂埃舞う中
    晴明、ニヤリ
    両手、裾を振り、その手にお払い棒
    左右クルクル回しながら高速すり足で鬼へ接近
    鬼もドシンドシン踏み鳴らし前進

    光るお払い棒で鬼のクロスガードする腕を打つ
    バンと火花が散り、煙に包まれる
    鬼、痛い表情で後ずさり

    追いかけ連続ジャンプで回転、お払い棒で叩き続ける
    鬼、さらに背を丸め、腕でガードしながら後ずさり

    晴明 攻撃を止め 右手の人差指、中指を口元へ
    鬼、焦げて煙のあがる両腕の隙間からそれを覗き見る
    晴明口元に当てた右手を大きく前に払う
    鬼、爆発し後ろへ飛ばされる


    鬼ふらふらと下がり、ストンと土下座
    晴明、ゆっくりと歩き、鬼に近寄る
    鬼の頭に手をかざす

    顔を伏せ震える鬼
    晴明のかざした手が光る
    ガタガタと震えている鬼が青く光り始める
    その光だけがスーッと離れ天に昇る

    鬼、震えが止み、ゆっくりと顔を前にあげる
    そのまま、どさりと地面に崩れ落ち消える

    博雅「どうだ?そいつは死んだのか?晴明」
    晴明「いえ、今生まれたのです」
    晴明軽く笑い、博雅を置いて先へ歩き始める
    博雅、あわててついていく



    --------------------------------

    第二章 子


    夜、山の奥深く
    提灯の明かり、晴明と村人男が
    池の水面に映りゆれている

    晴明:で、その物の怪は、池に現れるというのだな?

    村人:あぁ、この村に死を運んできた、やつぁ死神だ・・・・
      :畜生め!
      :頼む、晴明はん。やつを祓ってくれ。

    晴明:まあ、そう慌てるな。そやつにはそやつなりの事情があるのだろう。
      :聞いてあげてからでも、遅くはないだろう。

    村人:聞く必要なんかあらしねえんだ!
      :厄を祓うのがあんたの仕事だろ!

    晴明:分かった。落ち着きなさい。ただ、祓うべき物が取憑くには、
      :それだけの理由があります。それが分からないなら、離れていなさい。
      :次は”祟り”になりますよ。

    村人:やめてくれやぁ おっかねぇ・・・ 分かった。終わったら呼んでくれ。


    提灯を持ち、後ろへと歩いていく村人
    月明かりに一人照らされたたずむ晴明


    晴明、胸元より取り出す一枚の式紙

    晴明:さあ、おゆきなさい

    手にした式紙を放す
    ひらひらと水面に落ち、スーッと沈んでいく

    晴明、静かに目を瞑り、右手を池にかざす








    大きな石に座り手前に置いた提灯を火を見つめる村人
    眉間に皺を寄せ、険しい表情

    草を踏む音が近づいてくる

    ハッと立ち上がる村人

    村人:晴明はん!あいつは?!死神は?!!祓えたんだな?

    晴明:・・・、はい。祓いました。ただ、もうひとつ祓う必要が
      :有りそうです。

    村人:なに?!他にもまだ居やがるのか?

    晴明:はい。あなたの中に。

    村人:ワシの中に?ワシの中には、子の思い出しか入れる余地はねえ!

    晴明:そうです。そのお子です。

    村人:きさま・・・ワシの子を物の怪扱いしやがって


    村人、鬼の形相で、晴明の胸倉を捕まえ上げる

    晴明:不治の病、最期まで頑張った話は聞きました。
      :その短くも輝いた生涯に、手を合わさせて頂きました。
    晴明、沈痛の面持ちで応える

    村人:ああ!だからワシぁ、一時も忘れたことはねえんだ!!
      :もっと、もっと、あいつと一緒に暮らしたかったんだ・・・
    晴明を突き飛ばし、うつむく。拳をぎゅっと握りしめる

    晴明、ギッと村人を見据え語る
    晴明:あなたの中にいる、そのお子を放してあげなさい!

    村人:なに?!!
    ギラっと睨み付ける視線に殺意

    晴明:あなたが執着することで、そのお子の思い出が祟りと化しているのです!
      :池も、あなたの念によって縛られ、物の怪となり現れたのです。

    村人:ヤツが、ワシの子を連れて行ったんじゃ!

    晴明:違う!まだ分からぬか!池の怪こそが、貴様の子だ!!

    村人:!

    池に向かって走り出そうとする村人を、きつく両手で掴み上げる晴明

    晴明:待ちなさい!また、物の怪にするつもりか!!

    晴明、両手で掴んだ村人の裾をきつく揺らす

    村人、表情の険しさが崩れ、目を見開き、焦りと迷い


    晴明:お子を思うなら、お子を放してあげなさい!それが親というものです!

    晴明、掴んだ村人の裾をバンバンときつく押し引きしながら説く

    村人、焦りと迷いの表情が崩れ、歯を食いしばり我慢の表情


    晴明:現実から目を背けるでない!!
      :黄泉へと旅立たせてあげなさい!それが見送る者の務めです!

    晴明、ゆっくりと村人から手を離す

    村人、目をギュッと瞑る。一気に零れ落ちる涙。唇をかみ締めながら頷く




    スーッと風が二人の間を抜ける



    晴明:・・・祓いは、終わりました。それと、
      :あなたへの、言葉を預かりました。「とうちゃん、行ってくる」




    -----------------------------------



    第三章 闇


    夜道を歩く晴明と博雅

    博雅:すまなかった、晴明・・・
      :まさかあれほどの祈祷嫌いな男だったとは・・

    晴明:よいよい。気にするでありませんよ。
      :これもまた一興、楽しい時間でありました

    博雅:だが、晴明、なぜ奇術を使って、わざわざ似非を演じたのだ?
      :そなたなら、本物の妖術が使えよう、なぜにまた?

    晴明:術は、我がのためだけに使うべきものではございません。
      :それに、博雅殿こそ、私をあの席へなぜ呼んだのです?

    博雅:晴明を見ずして悪く言うのは許し得ぬことでろう。
      :あの男は、大和じゅうの陰陽、祈祷の師々を論破し、また罵倒して、
      :それを細々と生業とする者までもすべてを荒らしておるのだ。
      :たしかに悪徳な輩がいるのは事実、しかし・・・
      :だからこそ、晴明殿みずから、その術で本物を証明できれば・・・

    晴明:んん?私がいつ許せないと言いましたか?

    博雅:いや、失敬、私が許せなかった。しかし、晴明殿の悔しい気持ちを・・・

    晴明:博雅殿、すべてそれはそなたの気持ちのこと。
      :私は、何を言われようが悔しくはありませんよ。
      :だから、私が赴くべき問題ではないのです。

    博雅:・・・すまなかった。だが、・・・

    晴明:博雅殿の優しいお気持ちは分かります。ただ、優しさが偏っています。
      :あの男の事はよく知っているのですか?

    博雅:ああ!私の耳にまで、方々から苦情が届いておる。ヤツを斬るとまで
      :いう者まで出てきているのだ。

    晴明:はい。では、過去の事は?

    博雅:過去?いや、過去のことは、調べておらぬ・・・

    晴明:私も陰陽に携わる者の一人、彼について、先に闇の筋から調べてみました。
      :幼少の頃、病気で両親を亡くしております。そして、その両親が診てもらって
      :いたのが似非祈祷師だったのですよ。両親無きあと、家財全てを奪われ、追い
      :出されたのです。それが今の彼を形作ったのです。

    博雅:そうだったのか・・・ しかし、過去は過去、今は今ではないのか?晴明?

    晴明:そうです。だからこそ、私は彼に会いに行ったのです。相を見るために。

    博雅:で、どうなんだ?

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    • Koichi
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    • 我が道まっしぐら。目が離せない。
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