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シリーズ:ピエタ古美術・古道具店
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首に継いだ跡のある鶏の像

作者:三塚章

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    首に継いだ跡のある鶏の像 714文字

     

    本物そっくりでしょう? その雄鶏の像は古代のある王がユンという彫刻家に作らせた物です。「汝の腕のすべてをもって、生きているかのように見事な像を作ってみせよ」と。
     ちょうどその頃、神殿が新しく作り替えられることになり、神の加護を期待したユンはいらなくなった古い神殿の石で像を作ることにしました。
     これで上手く王に実力を認められれば、もう大出世です。ユンの妻は長年重い病に苦しめられていましたが、褒美はもちろん名が売れて仕事が増えれば医者にも薬にも困ることはないでしょう。その代わり下手な物を作って王の不興を買ったら処刑もありえます。そうなったら妻は一人でどう生きていけばいいのか。
     その彫刻家がなぜ題材を鶏にしたのかはその本にも載っていないので私にも分かりません。なんにせよ、彼は鶏の像を彫りあげました。それは彫った本人でさえも恐ろしくなるほどのすばらしい出来映えでした。
     そしていよいよその像が王の前に運ばれたとき、神殿の石を使ったせいなのか、奇跡が奇蹟が起きたのです。
     像が突然動き出し、くちばしを天にむけ、体を伸ばすと、一声鳴いたのです。「メー!」と。はは、その時の宮殿の空気はどんなものだったでしょうね。王様は玉座からズリ落ちたのではないでしょうか。
     侮辱されたと思ったのでしょう。王は剣を抜き、石像と彫刻家の首をはねました。
     その後、彫刻家の妻の名が『メー』であり、ユンが妻の事だけを一心に想いながら鶏を彫っていたことを知った王は深く悔やみ、せめてもと切り離した像の首と胴を繋ぐよう命じました。ほら、ここに継目があるでしょう。しかし、鶏像は生き返らなかったようですね。少なくとも私は、これを手に入れてから鳴いた所を見たことはありません。

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