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シリーズ:残り火番外編―純血の絆―
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残り火番外編―純血の絆―

作者:瀬木 尚史

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    残り火本編の話を元に、ファンタジーちっくなものを作ってみました。
    別のお話として楽しんで読んでみてくださいね。
    微エロあり☆


    登録ユーザー星:1 だれでも星:0 閲覧数:252

    残り火番外編―純血の絆― 4813文字

     

     ……あ、金縛り――

     疲れが溜まっていたりストレスが溜まったりすると、寝ている間に足がつったり金縛りにあったので、いつものヤツだと思い、じっとしていた。

     穂高さんに竜馬くんの告白の事を言えていない件や、竜馬くんと逢うたび交際を断っているのにも関わらず、それをナシにするかのようなスキ好き連呼に、正直辟易して。

     多分そのストレスのせいで金縛りにあったんだな。いつ解けるだろうか?

     動かせる場所を探すべく、そっと目を開けてみたら――


    「!!」


     ベッドの脇に、誰かいるではないか!


    「あ……、ぁ、っ」


     ――声が、出ない……。どうしよう、泥棒!? ウチには金目のものなんて、全然ないのに(涙)

     寝る前に閉めたはずのカーテンが半分だけ開いていて、傍に立ってる人の姿を月明かりがいきなり照らし出してくれた。


    「雨が止んだんだな。見事な月が出てる――」


     窓の外を見るその横顔は、ここには絶対にいない人。俺の心を奪った――


    「ほ、だかさ、ん?」


     言い淀んでしまったのは、いつもの見慣れた姿じゃなかったから。

     栗色の髪の毛は何故か金髪になっているし、闇色をしている瞳が赤く光り輝いていた。


    「……バレてしまったね、俺の正体」


     身につけているマントをひるがえし、こっちに向きながら、やるせなさそうな表情を浮かべる。


    「穂高さんの、正体?」

    「ん……。ベルリーニの一族の祖先は、ヴァンパイヤなんだよ。その血を継いでいるんだ」

    「ば、バンパイヤって、えっと吸血鬼……?」


     夢のような話で目を瞬かせるしかない。だけど傍にいる穂高さんは、明らかにそれっぽい姿をしていて、それが現実だと暗に示していた。


    「月に1回くらいだろうか、血を吸わなきゃ生きていけないんだよ。それもキレイな身体の持ち主の血じゃなきゃダメという、偏食吸血鬼でね」


     言いながら跪き、寝たままでいる俺の顎を上向かせる。


    「千秋は俺以外、誰とも関係を持った事のないキレイな身体をしてるから。君の血の味を思い出すだけで、ヨダレが滴ってしまうくらい絶品なんだ」


     付き合った当初から、何かにつけて俺を見て「美味しそう」と言っていたのは、こういう理由があったからなんだな。

     自分なりに納得してる間に穂高さんのくちびるの隙間から、すーっと牙が出てきた。作り物じゃないそれは、鋭利なくらいに尖っていて、これにガブッとされたら痛いだろうなぁと、思ってしまったのだけれど。

     俺の血を飲んで生きられるのなら、痛いのをガマンすればいいやと考え、疑問に思った事を訊ねてみた。


    「ねぇ穂高さん、どうやってここまで来たの? 時間、かかったでしょ?」

    「このマントがあれば、空を飛べるからね。大した時間をかけずに、千秋の元に駆けつけられるんだよ。だけどここに来る直前で、雨に当たってしまって。少しだけ濡れてしまった」


     その言葉に右手を伸ばし、キレイな金髪に触れてみる。


    「ホントだ、髪が少し濡れてるよ。風邪を引いちゃうかも」

    「風邪の心配よりも、お腹が空いてしまった。血を分けてもらってもいいだろうか?」


     俺の返事を待たずに、パジャマのボタンを手早く外しにかかる。


    「いつもの千秋なら金縛りの術をかけたままで、目を開ける事なく吸血されていたのに、今夜にいたっては一体どうしたものか」


     ぶつぶつ言ってから大きな口を開けて、俺の首筋に噛み付こうとした穂高さんの顔面に、両手を使ってブロックしてしまった。


    「これは何のつもりだい、千秋。お腹が空いて、フラフラなんだが」

    「あ//// その、ゴメンなさぃ。ちょっとだけ怖くて……」


     ちょんちょんと、くちびるの隙間から出てる牙を突いてみる。


    「そうだな……、じゃあ起き上がって。そう、次は俺に背中を向けてごらん」


     穂高さんの指示通りに、ゆっくりと身体を起こして背中を向けると、優しい所作でパジャマを肌蹴させて、いつも咬む肩口を露わにした。


    「痛みはないから安心してくれ。その代わり、気がおかしくなるような快感をあげるから」


     ――痛みじゃなく快感?

     それを不思議に思った瞬間、皮膚を割くような感覚が伝わってきた。だけど痛みは一切なくて、その代わり――


    「ひぃっ!? な、なに、これ……」


     背筋を走り抜けるワケの分からない感覚。しかも血を吸われてる感じすらなくて、逆に不安になってしまった。


    「あっ……、ぃぁあ、あっ、やっ……」

     
     身体がどんどん熱くなっていく。何もしていないのに、息が乱れてしまって、勝手に変な声が出てしまうよ。

     耳に聞こえてくる、俺の血を飲む穂高さんの喉を鳴らす音が、やけにリアルだ。それを聞いてるだけで、下半身がジンジンしてくるとか、おかしくなっちゃったのかも――


    「身体が、あぁっ、変だよ。ムズムズする」


     意味なく膝頭同士を擦りつけたら、動けないようにするためか身体を拘束するように、後ろからぎゅっと抱きしめてきた。その抱擁だけでも、妙に感じてしまう。


    「はぁっ、ぁ、ぁ……、んんっ」


     もっともっと強く抱きしめてほしい。捕まえていないと俺の身体が、どこかにいっちゃいそうだよ。


    「ほだか、さ……んっ、も、ダメっ、イキそぉ……っ」


     一切触れていないというのに、血を吸い続けられている内に、痛いくらいにアソコが張り詰めてきて、堪らなくなってしまった。


    「ん……。そんなに感じさせる事が出来るのなら、金縛りをかけずに叩き起こして、吸血すれば良かったかもしれないね」


     ゆっくりと牙を抜き俺の身体から腕を外して、立ち上がった穂高さん。息も絶え絶え状態のまま、恐る恐る咬まれたところを触ってみた。


    「あれ? キズがない!?」

    「そうだよ。牙を抜くと、キズが塞がるように出来てるんだ。相手に吸血した事がバレないように、ね。この姿になってる時だけ、特殊な薬が唾液に含まれるから、痛みも感じずに済むんだが」

    「薬?」


     不思議顔で訊ねたら、口の横から滴らせてる俺の血を手で拭って、美味しそうにぺろりと舐めていた。

     他の人ならその姿は猟奇的に見えるのかもしれないけれど、どこか切なげな表情を浮かべている顔に、胸がきゅんとなってしまう。どんな姿でも大好きな人だから尚更――


    「何でも強い催淫効果があるそうだよ。そのお陰で、痛みを感じないらしい」


     ああ、だからいきなり身体が熱くなって、アソコが勃っちゃったんだ。納得――

     その場につけていたマントを脱ぎ捨てると、いつも着ているラフな服装が現れた。


    「そのマントの下って、タキシードとか着るんじゃないの?」


     着てるトコ、見たかったかも。きっとすっごく似合っているだろうな。


    「なら次回は、きちんとした格好で現れてあげるよ。そんな風に、残念そうな顔をしないでくれ千秋」

    「べっ、別にそこまで残念なんて思ってないよ。いきなり見慣れた格好してたから、拍子抜けしちゃっただけ、です」

    「なら今の俺と人間の俺、どっちがいいだろうか?」


     身につけていた服を手早く脱ぎ捨てると俺の身体に寄せるように、ベッドに腰掛けて、じいっと顔を覗き込んできた。

     見慣れない赤い色をした瞳が、どこか扇情的に見える。人間の姿をした穂高さんの瞳も同じように感じるんだから、答えは考えなくても直ぐに出てしまうよ。


    「どっちにしても、穂高さんは穂高さん。比べる方がおかしいですって」

    「千秋……、だから君の事が好きなんだ。俺の全部を受け止めてくれる、君が愛おしくて堪らない」


     笑いかけた俺をぎゅっと抱きしめてから、ベッドに押し倒した。


    「俺もだよ、穂高さん。愛してるから……」

    「君の純血が俺の中にある限り、ずっと愛し続けてあげる」


     塞がれたくちびるからは、最初だけ血の味がした。それが穂高さんの唾液と混ざって、甘美な味に変わり――


    「んんっ……、はあ、あ、あぁ……、も、もっと、ほしぃ、ほらかさ……」


     自分から強請ってしまうくらい、とても美味しいもので。それだけじゃなく、身体中が沸騰しているみたいに熱い。熱くて堪らない……

     その熱を何とかしたくて、自分からパジャマを脱ぎ捨ててしまった。


    「お願い、っ、ほらかさんっ、キス……、してぇっ!」

    「キスだけじゃないだろ。ココがこんなになってる、辛いだろうに」

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