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シリーズ:俺、番長やめる。
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俺、番長やめる。

作者:有乙女 未來

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    初めまして。初作品です。
    唐沢秀全(からさわ しゅうぜん)といういかにも強そうな高校生番長がいきなり番長をやめる?!周囲の戸惑いを感じつつ、自分の気持ちともう一度向き合うことに。そんなある日学校でゲーマーの川島智(かわしま あきら)とゲーム対戦をすることになった。その結果二人は仲良くなり・・・・?一方唐沢をずっと支え続けた井上良己(いのうえ よしみ)にも気持ちの変化が・・・・?井上の本当の気持ちとは?そして唐沢は本当に番長をやめられるのか?


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    俺、番長やめる。 6107文字

     

    中学の頃からボチボチ頭角を現してた俺は、高校に入るとすぐに番長として名乗りを上げ、先輩問わず自分の下に従えた。
    殴る蹴るの行為が自分の中でいつの間にかクセになってた。握った拳を思いきり相手の頬や顎に飛ばす。拳が骨にぶつかって入り込む感じ。
    いつの間にか”感覚”だけが俺を支配してた。
    だから、それ以外に何の興味も、楽しみも無くなってた。
    授業はサボり、バカな仲間はその俺に感動やら共感やら抱いてついてくる。
    下についた奴らは俺を「かっこいい」と言い、周りの奴らは俺は「恐い」と言った。
    恐いのは、俺だ。自分を最も恐れているのは、この俺だ。
    このまま俺は感覚に溺れて、どうなるんだ?
    殴れるからなんだ?他校の番長を倒せるからって何の意味になる?
    「意味ねぇよ・・・・・・」
    「はい?唐沢サン、どうかしました?」
    番長唐沢秀全(からさわ しゅうぜん)の顔色を窺ったのは彼から絶大な信頼を得ている井上良己(いのうえ よしみ)だ。
    「井上、お前に頼みがある」
    「俺に、ですか?いいっスよ、唐沢サンの為ならいくらだって金貸しますよ」
    「いや、俺がいつ金貸せっつった」
    「あ、ほら、百円ありましたよ。これでうまい棒十本・・・」
    「誰がうまい棒十本欲しくて百円無くて困ってるっつったァァアアアア!!」
    唐沢がこめかみの血管を浮き上がらせ、そのまま踵落とし。
    「ああああああああ!!!痛い、痛すぎる!!!」
    井上のてっぺんからイチゴソースがだらだらと垂れている。むしろ吹き出してる。
    「ったりめぇだろーが!てめーがいつまでもふざけたこと抜かしてるからだ!」
    「す、すいやせんッ!」
    踵落としを喰らった井上はすぐさま土下座した。井上のイチゴソースが(省略)
    「よぅ、井上?俺の言ったこと、全部受け止めろよ?」
    「え?あ、ハイッ!もちろんっス!」


    「俺、・・・・・番長やめる」


                   *

    翌日、俺は仲間の奴らにも同じことを伝えた。想定通りにどよめきが収まらない。
    「おいお前ら、少しは落ち着けよ」
    「何でですか!!何でやめちゃうんスか!!俺たちが嫌いになったんスかああああうああああああああ」
    という状況。横にいる井上はというと、
    「・・・・・・・」
    全くの無表情だ。俺が最初に話したときも「・・・・そうですか。残念です」だけだ。
    だが、いつも俺が視線を送るとすぐ気がつく井上は今日の視線には気づきもせずにぼんやりとしていた。
    「お前らのことが嫌いになったとか、そんなんじゃねぇ。俺は俺の意志でやめるだけだ。喧嘩は今でも好きだが、喧嘩に縛られるつもりはない。じゃぁな」
    俺は喧嘩が好きだ。でも、喧嘩を支配するのは俺自身でなくてはダメだ。
    高1の冬、まだ遅くはないのか、それとももう手遅れか。
    とにかく殻を破ってやってみるしかない。


                    *

    さて、これからどうするか。
    番長やめる、そこまではいい。けどその後は?
    一般高校生になるわけだ。奴ら一般は一体いつも何をしてるんだ?
    そんなことを考えながら、帰りにコンビニの雑誌コーナーに立ち寄ってみる。
    適当に雑誌を手に取ってページを開く。
    『コイ、コイ、恋!!恋人とラブラブ?クリスマス特集☆☆☆』
    でかでかと飾り立てた文字に呆気を取られたが、文字をまじまじと見つめる。
    恋・・・・・・・女とつるめってことか?一般はそんなことやってんのか。
    さらにページをめくると、男が背後から女を抱きしめている写真。女はプレゼントを手にして喜んでいる。
    ふん、結局女は物か、つまらん。
    抱きしめている写真にも何の感情も抱かない。?????やっぱり俺はそういうのは求めてないらしい。
    雑誌を置いてコンビニを出た。
    とりあえずは、久しぶりに真面目に授業でも受けてみるか。
    唐沢は急に何をしたらいいのか分からない状態になって戸惑いを感じながら、いつも真夜中にならないと帰らない家に仕方なく帰ることにした。

                    *

    「ただいま」
    家に帰ると両親が驚愕した。
    「うそ・・・・・帰って来たわ!!息子が夕方に帰って来たわ!!!」
    「なんだって!?」
    ドタバタと両親が俺を抱きしめ泣いている。
    「奇跡だわ!顔に傷一つないっ!腕は?足は?お腹は?」
    「こら、やめろっ」
    ・・・・・・・なんで玄関先でパンツ一丁にならなきゃなんねーんだ、俺。
    「・・・・・・なんて素敵な男なの、秀全。今のあなたはいつも1000倍も素敵だわ」
    母は女の中の女、いつも小綺麗にしていて明るい単純な人。
    父は同じく明るい人。どちらの遺伝も受け継がなかった俺はこの家でもっとも大人しい。番長ではあるが、いや、あったが、親を殴ったりしたことは一度もない。
    そして、
    「お兄ちゃん!どうしたの?」
    女とはちょっとかけ離れてる妹がいる。
    「玄関でパンツ一丁とか、ホモか!ホモなのか?!」
    「いやそれ、意味わかんねぇよ」
    番長であるが、いやあったが、この家族には一切恐れられていない。俺が俺で成り立っているのはこの家族があってこそだと思っているくらいだ。
    誰にでも恐れられていたら、きっと俺は今人ひとり殺していたかもしれない。あるいは両親を殴り殺していたりして。
    俺が俺であるべき原点はここだ。


                    *

    次の日、午前の授業になるとさすがに落胆した。
    ・・・・・・・・・・授業についていけない。
    数学の先公(♂)は感動しすぎて俺を抱きしめて来た。
    気持ち悪くて舌打ちすると顔を真っ青にして授業を始めた。俺を指しては来なかったが、やっていることが理解できなかった。
    今日は家で一般学生らしく勉強でもしてみるか。
    そんなことを考えながら昼休み、親に無理矢理持たされた弁当をどこで食うか迷う。
    前は考えもせずに裏庭んとこに行ってたんだがな。
    裏庭で喧嘩仲間と食ってた頃を思い出す。窓から丁度見えるので覗くと、いた。
    俺がいなくてもいつも通りにやってるみたいだ。けど。

    目を瞬かせずに見た。俺がいつも座っている場所が意図的に空けられている。
    そして誰がリーダーともなくそこで皆で食ってた。
    リーダーなしってか。バカかあいつら・・・・。
    リーダーなしじゃまとめらやしない。なんで井上が普通に皆と混ざって食ってんだ!・・・・・・・
    「・・・・俺が言うことじゃないか。これがあいつらの出した結果・・・」
    いつでも俺を待ってくれているようで複雑な気持ちになった。ぽっかりと空いたその空間が、奴らの気持ちを表してるみたいだ。
    やめだ、やめだ。俺はもう戻らない。
    窓から視線を外して結局自分の教室に戻ると、何やら騒がしいことになっていた。
                     *

    「川島すげーっ!また勝ちやがった」
    机を二つ、向かい合わせして二人の生徒がゲーム機で遊んでいた。
    川島と呼ばれた男はきゃっきゃと笑って明るい。
    「やったー!また勝ったぜ。なぁなぁ、もう一回やろ?」
    「えーもういいよ。俺飽きたー」
    「川島ばっかでつまんねーよ」
    「そういうこと言うなよぉ。頼むって、あと一回。手加減するからさー」
    「俺がやる」
    気づけば川島の向かいの席にどっかり座っていた。
    「・・・・やべぇよ、唐沢サンじゃん・・・・・」
    こそこそと聞き慣れた言葉が耳に入り、イラつく。
    「ちょぉぉぉぉっと、俺トイレ行ってきますわぁぁあははははは・・・・」
    川島とさっき対戦してた奴が股間を押さえて冷や汗を噴かせて逃げ出す。股間の部分が黒く染みているのが押さえた手のすき間から見えた。
    結局、か。番長をやめても、結局は元に戻れないのかもな。
    ・・・・・・・だったら、俺はあそこに戻ったほうがいいのか?

    仲間のいるあの場所へ。

    「唐沢サン?有名人なんですか?」
    素っ頓狂な声で言った、何の恐れもなく。

                    *

    夕方。
    帰り道を二人で帰る。
    周りの人間がしっぽを巻いて逃げていくのに対して「変なのー」とぼやきながらにこにこしてるこいつは一体何者なんだ?
    「あーそういやさ、唐沢サン言うたやん。下の名前は?」
    「・・・・秀全」
    「え、何それ!ちょーかっけーじゃん!」
    キラキラと目を輝かせて話しかけてくるこいつはどうして俺を怖がらない?
    「お前は?」
    「え?俺?俺ねー、川島智って言うんだ」
    「あっそ」
    素っ気ない返し方をしても「何それー冷めんなよぉ。俺だってもっとかっこいい名前が良かったのに母ちゃんがさぁ・・・・」と何も気にしてない。

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    コメント

    • 番長ですか。
      すごく新鮮でした。
      続きがとても気になります。
      応援してますね。
      • 0 fav
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    • コメント有難う御座います^^
      私も番長のお話は初めてなので手探りですが…^^;
      そして応援有難う御座います!見に来て頂いて嬉しいです。
      • 0 fav

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