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シリーズ:いろはにほへと!
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いろはにほへと!

作者:tukideh

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    いろはカルタに人生を捧げる漢、色波狩男(いろなみかるお)。
    総てが一文字目で決まる過酷な世界。言葉の意味も、言葉そのものも重要とされない空虚な戦いの中で、彼だけは常に言葉を愛し、棒に当たる犬を、確かな証拠を、団子を、憎まれっ子を愛してきた。
    これは、色波狩男が真のカルタ道を歩み始めるまでの、はじまりの物語である。


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    いろはにほへと! 9844文字

     

    ○イメージ映像
    いろはカルタセットと、カルタを楽しむ人々のイメージ映像。

    N「いろはカルタ。いろは47文字に対応したことわざが書かれた文字札を読み、対応する絵札をより速くより多く取った方が勝ちという、日本で最も有名なカルタである。『犬が歩けば棒に当たる』といった有名なことわざは、誰もが知っていると言ってよいだろう!しかし!現代日本では……」


    ○渋谷・街中・外
    若者達が順番にインタビューされている。

    若者A「いろはカルタ?あぁガキの頃にやりましたねぇ、え?今?やるわけないっしょ」

     × × ×

    若者B「いろはカルタ?ははは超ウケる」
    若者C「こないだ映画やってたじゃん?ちはや何とかみたいな。え?あれは百人一首? え、じゃあいろはカルタって何?マジウケる」

     × × ×

    若者D「つーかいろはカルタって、結局一文字目以外意味ないっすよね?完全に反射神経っすもんね」

     × × ×

    N「お正月の風物詩として、漫画や映画の題材にもなった『百人一首』と異なり、今や現代日本にいろはカルタに熱中する若者などいないのかもしれない。否、ここにいろはカルタに青春を捧ぐ一人の漢がいる!」

    色波狩男(17)のシルエット。学ランに学帽。

    N「色波狩男17歳。しかし彼もまだ、本当のいろはカルタを知らないのだ」


    ○いろはカルタ『西上会』道場・外観

    ○同・中
    畳敷きの道場。壁には『西上会』と書かれた掛軸がある。
    中央に狩男と西上院満(43)が対面で正座している。狩男は学ランに学帽。西上院は袴姿。汗だくの西上院。

    二人の間にはカルタ札。狩男の札は30枚。西上院の札は16枚。
    少し離れたところで読み手が正座している。
    周囲では西上会のメンバーが緊迫した雰囲気で2人を見ている。諦めの表情を浮かべた者や、絶望の表情を浮かべた者もいる。

    読み手「せいてはことをしそんじる」

    高速で自分の近くにある札を取りにいく西上院。しかし狩男が更に早いスピードで全身を使って西上院側にある札を取る。

    西上院「な、この距離で……」

    勢い余って転がる狩男、起き上がり天井を見あげニヤリと笑うと拳を突き上げる。

    狩男「俺の勝ちだぁぁぁぁ!!」

       × × ×

    挨拶を交わす狩男と西上院。

    狩男「良い試合だった」
    西上院「15枚差でそんなこと言われてもな。噂通りの天才だ」
    狩男「そんなことはない。俺はいろはカルタで世界を極めたい!その為には日々の鍛練こそ絶対!天才であればそんな必要はあるまい!」

    その場で腕立て伏せを始める狩男。呆れ顔の西上院。

    西上院「鍛錬で道場やぶりみたいなことされちゃかなわんわ」

    壁の『西上会』と書かれた掛軸が傾く。落胆する西上会のメンバー達。
    狩男、腕立て伏せを終えて立ち上がり

    狩男「邪魔したな」

    道場を去る狩男。

    西上院「色波狩男か。17歳。確かに天才だ。ただ……今の名人に勝つのは難しいだろうな。この俺、西上院満がたった5枚しか取れなかったあの名人、『前園レイモンド』に勝つのはな……」
    西上会メンバーA「どっちにも完敗っすね」

    がっくりうなだれる西上院。壁の『西上会』と書かれた掛軸がひらひらと落ちる。


    ○諏訪道場・外観
    古風な日本式の家屋。

    ○同・中
    古びた道場内。壁のあちこちにいろはカルタの読み札が筆文字で大きく書かれている。
    道場の端には巨大な絵札が祭られており、その上には『愛』と書かれた看板が置かれている。
    その前で、諏訪清十郎(58)が座禅を組み瞑想している。道着姿。
    清十郎の目の前にはカルタ札が散らばっている。
     
    扉が開き、狩男が入ってくる。諏訪、目を閉じたまま

    清十郎「戻ったか狩男よ」

    狩男、黙って清十郎の前へ歩み寄る。

    狩男「師匠、西上会の西上院満さんに勝ちました。正直、かなり実力差があった……ありました」
    清十郎「全盛期を過ぎたとはいえ西上院は元名人位。その西上院に勝つとは、流石じゃな狩男」
    狩男「この調子で、名人戦も必ず」
    清十郎「それで狩男……何かつかめたか?!」
       
    清十郎、目を開けるとクワッと狩男をにらみつける。
    狩男、動揺の色を見せる。

    狩男「何か?つかむ?」

    ゆっくり立ち上がる清十郎。

    清十郎「その様子では気づけていないようじゃな。まぁよい、名人戦までまだ時間はある」
    狩男「なんだ!教えてくれ!師匠!俺にはなにかが足りないのか?」

    清十郎、狩男の肩に手を置き、

    清十郎「よいか狩男。今のお前では名人にはなれん!」
    狩男「なに!」
    清十郎「そしてお前はこれから必ずスランプに陥る」
    狩男「こ、この俺がスランプだと!」

    震える狩男。狩男を残して道場を去ろうとする清十郎。

    清十郎「一つだけ問う。お主、いろはカルタは好きか?」
    狩男「何を今更。当然好きだ!」
    清十郎「幼き頃からカルタ漬けのお主には愚問であったか」


    ○回想・色波家・中
    色波狩男 (3)が、いろはカルタをしている。
    横で色波色男(23)が読み札を読むと絵札を必死に探す狩男。札が取れると喜んで色男に見せる。

    狩男「とれたよお父さん!」
    色男「よくやったな狩男。よし、次はもう0.5秒早く取れるようになろうな」
    狩男「うん!」

    札に向かう狩男。


    ○元の諏訪道場・中

    清十郎「狩男よ、本当にいろはカルタが好きならいつか必ず気づく」

    道場を去る清十郎。震えて立ち尽くす狩男。

    狩男「俺には何が足りないんというんだ!」

    深呼吸をし、落ち着きを取り戻す狩男。清十郎が残していったカルタ札に気づく。

    狩男「くそっ、こんな時こそ基本だ。素振り1万回!」

    正座し、物凄い勢いで札を取る動きを繰り返す狩男。

    狩男「だぁっっ!!!せいやっっ!!かるたっっっ!!!」


    ○市立熱血学園・外観
    校門に学校名が書かれている。校庭で生徒達が激しく球技にいそしんでいる。

    ○同・二年二組教室・中
    国語の授業中。教師が黒板にことわざを勢いよく書いていく。生徒達、勢いよくノートをとっていく。

    窓際の席に座っている狩男。生徒たちは普通の制服、狩男だけが学ラン、学帽姿である。
    片手でカルタ札をクルクルと回しながらボーっと窓の外を見ている狩男。
    狩男の後ろの席には諏訪美奈子(17)が座っている。

    教師、黒板を書き終えると振り返り、

    教師「よし、じゃあ一問目の意味を……色波!」

    教師の声に気づかない狩男。

    教師「おい、色波!聴いてんのか?!」

    狩男、気づき、慌てて

    狩男「あ、は、はい!」
    教師「ボーっとすんな。まぁお前には簡単すぎるだろうが、これの意味はなんだ?」

    教師、黒板を指し示す。『瑠璃も玻璃も照らせば光る』と書かれている。
    狩男、不敵に笑い。

    狩男「ふっ、先生、俺にこんな問題……」

    狩男、焦りの表情に変わり

    狩男「(心の声)あれ……これってどういう意味だっけ?ていうか瑠璃ってなんだ?玻璃って針って書くんじゃねぇのか?」

    黙ってしまう狩男。

    教師「おいおいカルタ王、意味知らないでやってんのかよ」

    生徒達、どっと笑う。

    教師「しょうがねぇなぁ。じゃあ青木、答えて」
    生徒A「すぐれた素質や才能をもつものは、どこにいても目立つという意味です!」
    教師「はい、そうだな。わかったかカルタ王」

    生徒達、再びどっと笑う。

    狩男「(心の声)俺は……俺は……」

    頭を抱える狩男。

    美奈子「狩男くん……」

    狩男を心配そうに見つめる美奈子。


    ○同・校門前・外
    チャイムの音。帰宅する生徒達。
    狩男が、フラフラと歩いてくる。ブツブツと独り言をつぶやいている。

    狩男「ははは。だってしょうがないじゃないか。いろはカルタはスピード勝負。大事なのは一文字目。ふふふ。そうだよ。そうなんだぜ。(大声で)そうなんだー!!」

    生徒達、白い目で狩男を見る。
    狩男、気まずそうな表情をするが、すぐに何かを思い出したような表情。


    ○回想・色波家・中
    色波狩男 (3)が、いろはカルタをしている。
    横で色波色男(23)が読み札を読み、絵札を必死に探す狩男。札が取れると喜んで色男に見せる。

    狩男「とれたよお父さん!」
    色男「よくやったな狩男。よし、次はもう0.5秒早く取れるようになろうな」
    狩男「うん!ねぇお父さん。この札って……」


    ○元の市立熱血学園・校門前・外
    狩男、立ち止まり、頭を抱える。

    狩男「なんだ?俺は何か大切なことを忘れている気がする……」

    背後から美奈子が現れ、狩男の背中を叩く。

    美奈子「狩男くん!」

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