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シリーズ:シアエガの家
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シアエガの家

作者:よもつひらさか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    私が邪神から家族を守る!


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    シアエガの家 5160文字

     

    最悪だ。この世の終わりだ。
    私は、今、目の前の光景を信じられない面持ちで見ている。

    ーとうとう、私の家も侵食されたー

    20××年。何世紀もの間、眠り続けていた暗黒神、シアエガがついに目覚めた。
    それは暗黒の地底からやってきた。その姿は、無数の黒い触手の塊で、その真ん中に、真っ赤な一つ目というおぞましいものだ。
    私は以前より、大師からその存在を知らされてはいたが、よもや、私の生きているうちに、しかも、この街にシアエガが出現するとは思わなかったのだ。
    きっとシアエガは、少しずつ目覚めていたに違いない。
    この地に根を下ろし、密かに息を殺して、期をうかがっていたのだ。
    私の使命は、シアエガから家族を守ること。
    そして、大師と同士とともに、この地球を守ることだ。

    今、目の前のシアエガは、とうとう私の家に現れ、その触手を佳代子に伸ばしている。
    佳代子は寝床に横たわり、玉のような汗をかき、喘いでいる。
    許さない!私は、佳代子を守る。この家族を守るのだ。
    今、この手にある、聖水をかけんとシアエガと対峙している。

    「邪神退散!」
    私は叫ぶと佳代子に聖水を振り掛けた。
    佳代子の声を借りて、シアエガは不気味に咆哮した。
    「ぎぃやああああああああ!」

    **************

    私に、悪霊の影が見えるようになったのは、公園で、雅史、和人、そして、一番幼い裕也を遊ばせている時だった。雅史、和人は小学生のやんちゃ盛りで、公園を走り回って遊んでいた。
    私も体力の許す限り、一緒に遊んでいたが、寄る年波には勝てず、ベンチで一休みしていた時のことだった。
    裕也が、おびえた顔で、私に近づいてきたのだ。
    「どうしたんだい?裕也。」
    私が訪ねると、裕也は、公園の隅の小さな祠を指差して言ったのだ。
    「あそこから、こわいおばちゃんがこっちをにらんでるの。」
    そう言って、私の服の袖をぎゅっとつかんできたのだ。
    裕也は、幼い頃から霊感の強い子であった。
    私は、裕也を守るため、大師の元を訪ねた。

    以前より、神通力を持つと、この界隈で有名な大師は、私を快く迎えてくれた。
    私は、裕也を守るため、まずは霊を見る力を授かりたいと大師に願った。
    すると、大師は、ある薬草を私に手渡した。
    「これを毎日、煎じて飲むのです。そうすれば、あなたは霊が見えるようになり、私の元で修行をすれば、神通力を私より得ることができます。」
    それ以来、私は大師より渡された薬草を毎日煎じて飲み、毎日、道場に通い、修行をしてきたのだ。
    すると、私にも霊の影が見えるようになってきた。まだ修行が足りないのか、霊の影なら見ることができたのだが霊そのものは見えない。

    そして、私は、霊感が強くてすぐに霊に取り憑かれてしまう裕也を守った。
    雅史や和人にも悪い霊がとり憑くことがあったが、あの子達は平気だった。
    よほど強い加護がついているのだろう。
    でも裕也は違う。裕也は、しょっちゅう霊を見たと言って、私にしがみついてきた。
    裕也は私が守るのだ。そのたびに、裕也の部屋に結界を張ったり、聖水をかけたり、塩をまいたりした。

    そして、ここ近年、この近所で悪霊の影をあちらこちらで見かけるようになった。
    そして、ついに悪霊は私の家の家族にも悪さをしはじめた。
    最初は、隆だった。
    隆は長年勤めた会社をクビになってしまった。
    それからふさぎがちになり、ついに病に倒れ、寝込んでしまった。
    顔色は悪く、土気色だ。隆の体にも悪霊の影はぴったりとくっついていたので、私は悪霊を祓った。
    そして、隆の次は、雅史と和人。私はまた、果敢に立ち向かった。
    聖水をかけ、塩をまき、結界を張り、あともう少しというところで、逃げられてしまったのだ。
    雅史と和人をさらって逃げてしまった。私の力不足に、私は何日も泣いた。
    いまだに二人は行方不明だ。
    そして、裕也。あまりに霊媒体質のため、ついに学校に通えなくなってしまったのだ。
    私は裕也を守るため、常に裕也の部屋に結界を張り、お清めをする。

    もちろん家全体にも結界を張っていた。
    にもかかわらず、とうとう悪霊は家の中にまではびこってきた。
    これはもう、シアエガの力が強くなってきているに違いなかった。
    聖水で清めた佳代子はしばらく、別の場所に居るようだ。
    シアエガがはびこってきたので、もうここは安全ではない。

    裕也は大丈夫だろうか。
    私は胸騒ぎがした。
    すると、裕也が結界を張った部屋から出てきて、私の目の前に立った。
    「裕也?だめじゃない。結界の中にいないと。」

    「クソババア!」
    そう裕也が叫ぶと、私の顔を拳骨で打ち据えた。
    「死ね!死ね死ね死ね!」
    そう言うと、嵐のように暴力を振るい、おなかを踏みつけてきた。
    しまった!結界が壊れたか!シアエガの力が強大になりすぎて、裕也を支配してしまった。
    「ごめん・・・裕也。ごめんね。」
    私は荒れ狂うシアエガによって支配された裕也に詫びた。
    裕也、おばあちゃんはお前をついに、守れなかった。ごめんよ。


    ****************

    最悪だ。この世の終わりだ。
    俺は、今、目の前の光景を信じられない面持ちで見ている。

    血まみれになったばあちゃん。
    これは紛れも無く、俺のやった所業だ。
    「ばあちゃん・・・。」
    小さく呟いてみるが返事は無い。
    口からはおびただしい血が流れている。たぶん内臓が破裂している。
    鼻に手をかざす。息をしていない。
    震える手で、スマホを操作して、父親の携帯に電話する。
    やはり出ないか。仕事中は、出られないよな。
    俺は、押入れから掛け布団を出すと、祖母の遺体に被せた。
    そして、母の入院している病院へ向かった。

    「あら、裕也、どうしたの?」
    母が痛々しい包帯だらけの顔をこちらに向けた。
    「・・・殺した。」
    消え入りそうな声で俺は呟いた。
    「え?なに?」
    「俺、ばあちゃんを殺した。」
    包帯の間から出ている母親の顔が青くなり、目がみるみる見開かれた。
    「ど、どういうこと?」
    母が声を潜めた。
    「母さんをこんな目に合わせたばあちゃんが許せなかったんだ。だから・・・。

    ********

    俺は大のおばあちゃんっ子だった。
    ばあちゃんはいつも優しくて、俺達男兄弟3人をいつも可愛がってくれた。
    俺は末っ子で甘ったれでいつもばあちゃんにべったりだった。

    きっかけはそんな大好きなばあちゃんを独り占めしたいという、幼稚な考えだった。
    公園で兄の雅史や和人とばかり遊んでいるのを嫉妬したのだ。
    「おばあちゃん、あそこからこわいおばちゃんがにらんでるの。」
    そう言ってばあちゃんの袖を掴んだ。
    そうすると、おばあちゃんはとても心配そうに俺を抱きしめてくれたのだ。
    俺はそれが心地よくて、しょっちゅう嘘をついておばあちゃんに抱きしめてもらった。

    それがこんな事態を招くなんて夢にも思わなかったのだ。
    ばあちゃんはどうやら、俺を霊感の強い子だと勘違いしたらしく、とある宗教に入信してしまった。
    それもこれも、俺を救うためだ。俺は子供心に嘘をついて悪いと思った。
    だけど、今更嘘だとは言えない。
    それからというもの、ばあちゃんは事あるごとに、俺に悪霊がついていると言っていろんな除霊を施した。
    聖水だったり、塩だったり、をまいたり、結界を張って、俺を真ん中に座らせたりした。
    最初のうちは、面白半分で付き合っていたけど、そのうちにだんだんとばあちゃんの行動はエスカレートした。
    もちろん、俺だけではなく、兄達や父や母にも、除霊と称していろんなことをした。
    正直、家族はウンザリしていた。ばあちゃんが言うには、シアエガという邪神が復活するから結界を張ると言っては、家の周りに聖水をまき、塩をまき、おかしな呪文を唱えながらぐるぐる回るのだ。
    それは奇行にしか見えず、近所からは変な目で見られた。
    「おかあさん、やめてください。」
    よく母がそうばあちゃんをたしなめた。だがまったく聞く耳は持たなかった。

    俺が中学一年生の時に、放課後、友人三人とこっくりさんをした。
    その時の一人がこっくりさんに取り憑かれてしまったのだ。
    10円玉が物凄い速さで盤上を回りだし、「〇〇をころす」と言ったのだ。
    その友人は泣きながら俺に助けを求めた。お前のばあちゃんなら、除霊してくれるんだろうと。
    俺達3人は、ばあちゃんに頼んでその友人を除霊してもらうことにした。

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