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シリーズ:【ゼロコンマ肆御礼!】『彼の家で』【終了】
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【ゼロコンマ肆御礼!】『彼の家で』【終了】

作者:岡野 こみか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    パピレス、Rentaさんでゼロコンマ肆(4巻目)が配信されました!
    皆さまどうもありがとうございました!
    肆はメインキャラオールキャストでお送りしますので、是非よろしくお願いします!

    ということで、こちらもお礼の短編です。
    ゼロコンマ参の短編『友人弐』の外伝、総弐と友人メインの話です。
    こちらの友人がどうなったかは、短編の方でよろしくお願いします。
    無事終了しましたー。


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    【ゼロコンマ肆御礼!】『彼の家で』【終了】 7545文字

     

    ゼロコンマ参あたりの短編外伝



    ※こちらの短編は、ゼロコンマ参の短編『友人弐』の外伝です。
    (小説ゼロコンマ参、もしくは絵ノベルゼロコンマ参6巻に収録されています)
     できればそれを読んでから読んでいただければと思います。
     こちらを読んでから、短編を読んでいただくのでも大丈夫です!
     短編だけでも読めますが、短編は本編とも連動しているので本編も是非。
     また、ゼロコンマ肆についている短編とも連動しておりますので、できればそちらも、いっそもう全部よろしくお願いします。



    『彼の家で』


    「――今日、ウチに誰もいないから来るか?」
     “彼”からそう誘いがあった時、通常ならどんな反応をするのが正しいんだろう。
     彼といっても相手はただの……いや、とても仲の良い友人だ。
     だから喜んで誘いを受ければいいだけのはず。
     なのに、妙にこう、戸惑ってしまうというか……正直に言えば、その言葉に胸が弾んでしまったのは何故なんだろう。
     俺は男だし、友人――総弐だって男だ。
     あまり男性らしさを感じないというか……妙に綺麗で時に色気のようなものを感じることはあったとしても、俺の大切な男友達。
     何が起こるってわけじゃない。
    「……どうした? 別に都合悪いならいいけど」
     俺が色々考えて間を開けてしまったのが、ひっかかったのだろう。
     総弐は怪訝な顔で俺の顔を覗き込んでくる。
     その綺麗な顔に浮かべた表情がいつになく不安そうな気がしたのは俺の気のせいだろうか。
     ――もしくは、願望とか。
    「……数学の範囲で確認したいトコがあるんだろ? 朝付き合ってもらってる礼に、教えてやろうかなーとか思ったんだけど……」
    「お願いします!」
     総弐が出してくれた助け舟にここぞとばかりに飛びついた。
     正直、数学のことはほとんど頭になかった。
    「んじゃ、今日の放課後いつものトコでな。ちょうど兄貴は留守だし弟は合宿でいないから、借りたCDも好きなだけ流せる」
    「あ……CDね」
     ああ、それで、家に誰もいないと都合がいいと――
     拍子抜けしたのと妙な寂しさとが合い交じり、はぁと小さく息を吐く。
    「嫌ならいいんだぜ?」
    「いやいやいや、是非頼む!」
    「あー?」
    「お願いします」
    「よし」
     総弐から誘われた筈なのに、いつの間にか俺が頼み込む格好になっていた。
     それでも、総弐の家に遊びに行く許可が取れたのなら、安いもんだなんて思ってしまった。

     放課後。
    「じゃあ、先に帰って用意しとく」
    「は? 用意って……」
     いつもは総弐と一緒に帰ることが多いけど、今日はチャイムと同時に一人ダッシュした。
     早朝ランニングを怠ってないおかげで今日も足は軽い。
     一番乗りで校門を出ると家に飛び込む。
     今日は家の手伝いができないのを平謝りに謝り、とりあえずお詫びの証にと急いで店の掃除だけやっつけた。
    「わ……」
     慌てていたのが災いしたんだろう。
     そこでちょっとしたトラブルがくっついたが、もうどうにかしてる時間はない。
     頭は痛いし体が思いが、なんとか小遣いを掴んで家を出た。
     待ち合わせ場所に向かいながら、考える。
     やっぱり人ん家に行くなら、そこそこな手土産なんかが必要だろう。
     けど、何を……そうだ!
     話菓子屋の前を通った時に思い出した。
     総弐は甘い物が好きって言ってた。
     たしか、ここの餡子は美味いって聞いたことがある。
     それ以上深く考えないまま、高校生には不似合いな和菓子屋に飛び込んでいた。

    「よー、遅かったな」
    「わ……悪ぃ」
     いつもの場所……公園に着いた時、ベンチには既に総弐が座っていた。
     いつものように片手をあげる総弐に、俺も片手を上げて応える。
    「あんだけ早く飛び出して、今まで何してたんだよ」
    「ちょっと店が混んでて……」
    「店ぇ?」
    「あ、いや……」
     実の所、それほど人は多くなかった。
     しかし何を買おうか迷っていたのと、一介の高校生にすぐに店員が気付いてくれなかったのとで思った以上に時間が経ってしまった。
     何とか選び出したブツの入った紙袋を差し出す。
    「ちょっと……手土産を」
    「手土産ぇ?」
     総弐は紙袋を覗き込み、中身を取り出してまじまじと見つめる。
    「……ぶっ」
     そして大声で笑いだした。
    「……ぶっ、はははははっ! 何だよコレお前……っ」
    「わ、和菓子を……」
    「羊羹て! 田舎の法事のお供えかよ! 大仰すぎんだろこれ!」
    「ンだよー。総弐は餡子系好きだって言ってたろ」
    「そうだけど! けどお前……」
     総弐の笑いは止まらない。
    「言ったろ! 今日家誰もいないって。誰が食べんだよ! 男二人で羊羹かよ!」
    「あ……」
     そういえば、最初に総弐はそう言ってたっけ。
     土産を何にすればいいか考えるのに必死で、あんなインパクトのある言葉もすっかり忘れていた。
    「まあ……好きだけどさ」
     最後に総弐は包みを袋に戻すと、俺に返した。
    「うん、笑って悪かった。とりあえず家に行ったら受け取るから……そんときまで持ってろ」
    「ああ」
    「その方が……多少心象がいいかもしれねーしな」
    「は?」
     最後に不思議な言葉を付け加え、総弐は歩き出した。
     その言葉の意味が分かったのは、間もなく……総弐の家についてからだった。

       ◇◇◇

    「おかえり、総弐」
    「……ただいま」
    「あ……ど、どうも」
     扉を開けると待っていたのは総弐によく似た長身の男性だった。


     総弐の家は、神社仏閣のような古びた造りをしていた。
     実際、奥には社があって、本堂のような場所もある。
    「総弐の家ってでかいんだなー」
    「古いだけだろ」
     家が近づくにつれ、どこかそわそわと落ち着きがなくなっていく総弐に、俺は唖然としながら話しかけていた。
     何しろ、俺自身かなり落ち着かなくなっていたから。
     総弐とは毎朝会ってランニングをしていたし、学校でも休み時間のたびに一緒に話をしている。
     最近は、互いに家にいるとき以外はほぼ二人セットと言われるくらい親しくしているような気がする。
     ……まあ、そう思ってるのは俺だけかもしれないけれども。
     だけど、まだそれぞれの家に行ったことはなかった。
     なんとなく、そこまでは侵入してはいけないテリトリーのような気がしていたから。
     総弐の家。
     家族の仕事。
     以前ちょっと聞いたことのあるどこか仰々しさを伴ったそれは、近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。
     だけど、総弐の方から招いてくれた。
     しかも、家には誰もいない。
     総弐のテリトリーに入ることが許されたことと、二人きりという状況。
     その二つが、妙に俺に緊張感を与えていた。
     二人きりといえば、朝のランニングだってそうではあったんだけれども……閉じた空間で、というのは何だか妙に大きな意味を持つような気がして。
     そんなことをぐるぐると考えているうちに、大きな門を通り過ぎ玄関へと至る。
     そして扉を開けると……
    「おかえり、総弐」
    「……ただいま」
    「あ……ど、どうも」
     総弐によく似た、長身の男性が立っていた。
    「あ……の」
    「あー……これ、俺の兄貴な。長男で、家業を継いで、まあその……」
    「総弐の保護者だ」
     男性……総弐の兄貴は俺ではなく総弐に話しかける。
    「あ、ええと、留守だった筈じゃ」
    「……それがなー」
    「妙な予感がしたから早めに切り上げて帰ってきた」
    「あー」
     男性はあくまでも総弐に答えるように説明する。
     そこでやっと、俺は気づいた。
    「……あ! その、これ、土産です! 総弐……くんの学友で、お世話になってます」
     急いで持ってきた手土産を差し出した。
     こうなってみると、駄菓子とかじゃなく羊羹で正解だったような気がする。
    「……」
    「あー、これな、いいトコの羊羹だろ! すげーな」
     沈黙したままの兄貴に変わって、慌てて総弐が受け取ってくれた。
     あれだけ笑っていた羊羹を今は即座に褒めてくれた所を見ると、どうやら色々気遣ってくれているらしい。
     つまり、俺、兄貴に歓迎されてない……?
    「よ、良かったら食べて……」
     取り繕うように告げて総弐と兄貴に礼をした時だった。
     漸く、総弐の兄貴の視線がこちらに向けられた。
     いや、俺ではなくその後方に。
    「――何をしに来た」
    「ひ……!? い、いや俺は総弐くんに勉強を……」

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    作者紹介

    • 岡野 こみか
    • 作品投稿数:26  累計獲得星数:240
    • 『ゼロコンマ』シリーズが4巻までRentaさん、パピレスさんから配信中!
      デスゲーム×BL小説『ビースト・ゲーム』も配信中です。
      これらが形になったのは、全て皆さんのおかげです!
      心から感謝させていただきます。
      これからも、もっと、色々書いていきたいなと思います。
      よろしくお願いします。

      文章書き、の端っこの端っこです。
      BLもラノベも、まだまだ初心者です。
      現在、クリエイティブRPG「三千世界のアバター」(http://s-avatar.jp/)にてゲームマスター(ライター)をやってます。←皆様のキャラの活躍を小説にしています。
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