upppiは縦読みコミック(タテコミ)・イラスト・小説が無料で楽しめるサービスです!

ようこそ!ゲストさん
シリーズ:暗黒の詩 Vol.1 預言
閲覧数の合計:474

作品を編集する

  • シリーズタイトル・ジャンルの修正
  • この章を改訂する
  • この章を削除する
  • シリーズに作品を追加する
  • 表紙画像の変更

暗黒の詩 Vol.1 預言

作者:怪奇伯爵

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    アメリカのB級ホラーテイストを目指した作品です。
    ゾンビ意識ですが、あえて控え目にしました。


    登録ユーザー星:0 だれでも星:0 閲覧数:474

    暗黒の詩 Vol.1 預言 0文字

     

     夜が明けて、紫色の空が現れた
     初めて目にする空は、何かを訴えていた
     私を呼ぶ子供の声
     それに応える準備はできていない
     私は夫の腕を取り、強引に目覚めさせる

     
     家族で見上げた空
     感動した色は、微塵も残っていない
     鳥のさえずりも、牛の鳴き声もしない
     既にそれは、農場の朝ではなかった


     夫は息子を伴って、隣家へ出かけた
     テレビが写らない
     ラジオが聞こえない
     この世界に、何かが起きているらしい

     悲鳴が聞こえ、私は慌てて銃を取る
     後ろで娘が泣いていた
     あの悲鳴は、誰だろう?
     息子のだろうか
     それとも夫だろうか
     ドアを開けて、向かうことができないもどかしさ
     合図が待ち遠しい
     夫と交わした約束は、息子と娘の命を優先することだった

     
     合図があって、私はドアを開けた
     どれだけ安心しただろう
     夫の血塗れた腕をみても、それは変わらない
     息子は泣いていた
     やはり先の悲鳴は息子のものだった
     私はそっと涙を拭って、微笑むしかなかった


     夫の話は、信じられなかった
     レッドフィールド家に起きた悲劇
     昨日まで、会話を交わしていた
     クッキーをもらい、コーヒーを飲んだ
     どうして
     どうして
     この目で確かめねば
     そういう私を、夫は必死に止めた
     私に見せたくない光景を、夫は目撃したのだ


     見知らぬ男の訪問
     ドアの向こうから、預言めいた言葉が聞こえる
     この世の終焉
     境界の崩落
     とても真実とは思えない
     夫は声を荒げ、男を追い立てた
     男は叫ぶ
     死者の世界がやってきた
     そんなの、信じられる訳がない


     2階の窓から、去っていく男が見える
     何かが男に近づいた
     男は何かに捕らえられ、ここまで届く叫びをあげた
     目を覆う惨状
     何かがおかしい
     あり得ぬ現実
     理性を保つには、どうすればいい?
     夫に救いを求め、その瞳に不安の色をみつけた
     二人の理性を超越した世界が現れたらしい

     
     数日は、何も起きなかった
     外界からの情報も入らない
     食糧も底を尽きかけた
     まもなく、息子の発作も再発するだろう
     薬は、どれぐらい残っている?
     このままでは問題が起きてしまう
     籠城には限界がある
     夫は町へ出かけることを決意した



     夫の車を見送り、再び扉を閉ざす
     息子たちは、沈んでいた
     事態が飲みこめているのだろうか
     一家の主が抜けた穴は、予想以上に大きい


     出掛けの夫の言葉を思い出す
     レッドフィールド家の惨劇
     変わり果てた娘の姿
     車椅子から落ちた身体は床を這い、屍肉を漁っていたらしい
     そういった奇病が、この世にあるのだろうか

     
     夫からのサインは、既に決めてある
     電話も繋がらない不便さ
     彼のメッセージは、教会の鐘の音に込められる
     町が無事なら、息子達を連れて家を出る
     出発前に、私の車は夫が点検してくれた
     無事に辿りつく自信もある
     夫の鳴らす鐘の元に、無事息子たちを送り届けたい
     おそらくこれは一時的な悪夢
     明日には、問題が解決されるにちがいない
     
     美しく響く鐘の音が、きっと私たちを招いてくれる
     






     
     

    ←前のページ 現在 1/1 ページ 次のページ→

    1ページ目に戻る
    ▤ 目次ページに戻る


    お気に入りリストに追加 この作品を応援する

    応援ボタンを押す事で作品の★が増え、作者に「イイね!」を伝える事ができます。

    コメント

    • ★いただき、ありがとうございます。
      読み易さを考え、短編を意識しています。
      事後のストーリーをアレコレ考えていただけるような余韻を持たせたかったので、そこを楽しんでいただければ嬉しいですね。

      まだ使用方法に不慣れで、★をいただいたことにも気付きませんでした。
      返信遅くなり、申し訳ございません。
      • 0 fav
      • Re 返信

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    • 続きが気になります。
      • 0 fav
      • Re 返信

      を押す事で、投稿者に「イイね!」を伝える事ができます。


    作者紹介

    この作者の人気作品

    • 暗黒の家
      暗黒の家

      └ホラー映画マニアの書くホラー小説。ゾンビ題材の短編です。B級ホラーの雰囲気を感じていただければ、

    • 死霊の子守唄
      死霊の子守唄

      └寒村で起きた失踪事件を調査する私。 途中で見かけた建物は、異様な空気に包まれていた。 村の巫

    • 暗黒の詩 ~塔の上の少年~
      暗黒の詩 ~塔の上の少年~

      └ストレスに耐えるOLだけが知る、風変りな世界。 そこに住む少年の正体は? 詩的手法を取り入れ

    • 暗黒の扉
      暗黒の扉

      └何かに憑依された娘アン。 彼女を救う術はあるのか。 『悪魔憑き』をダーク・ファンタジー風

    • 戦慄のジョギング・マン
      戦慄のジョギング・マン

      └フェイクであるはずの怪談『ジョギング・マン』。 しかし、ネットでの公開後、全国から類似の話が寄

    小説 ホラーの人気作品

    続きを見る