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兄貴は厳しくて、俺にとって怖い存在の筈だった。
だから信じられなかった。
俺を押し倒して襲って。
俺を庇って死ぬなんて……
(※男性同士の性描写有多め注意!)
兄の自分への異常な程の愛情と庇護を感じ惹かれてく零。
しかし零は再び兄と交われない体になってしまい……
兄×弟。エロ濃いめ。NTR風味?
完成しました。
好みのシチュやプレイがありましたら教えていただければ書けるものがあれば書きたいと思います。
ゼロコンマ 〜俺が異形に襲われ続けるようになったのは、ブラコン兄貴のせいだった
0と1はすぐ隣にあるのに。
コンマを入れると、永遠に遠くなる。
俺と兄貴との距離のようだと、思った。
第1章 兄貴
「あぁあああああ!」
兄貴の指が、背中をなぞる。
その度に、焼きつくような痛みが走った。
激痛から逃れようと何度も身を捩ったが、その度に床に押さえつけられる。
痛みに、理不尽さに、体の奥から声が絞り出た。
「痛……っ、痛いよ兄貴、止めてくれ……っ!」
「……すぐに済む」
泣いても懇願しても、それは終わらない。
むき出しの俺の背中を兄貴の指が滑る。
つ、つと迷いなく背中全体に蠢く指は、何故だか分からないがとにかく苦痛だった。
「う、あ……」
兄貴の言葉通り、それはすぐに終わった、らしい。
気が付いたら、床の上に転がっていた。
背中の痛みも、嘘のように消えている。
だけど苦痛の記憶は全身にしっかり残っていて、その残滓で熱い体に冷たい床は心地よかった。
その床に、二本の足が見えた。
「……く、そ、兄貴……」
足の上方に視線を向けると、顔が見えた。
屈みこみ、俺を覗き込む兄貴の顔。
こんな近くで見るのは久しぶりだ。
兄貴の顔は、相変わらず整っていて綺麗だった。
その顔を見て、俺の口から出ようとしていた悪態は止まった。
酷く思い詰めた、まるで今にも泣き出しそうな顔をしていたから。
あまりの真摯な表情を前に、俺は何も言えなくなる。
「零――」
その、綺麗な唇が動いた。
俺の名を読んだ。
背中に手が回され、抱き起された。
先程の苦痛を与えたのと同一人物とは思えない程の繊細さ、優しさで。
そのまま、抱きしめられた。
「俺が、お前を守ってやる。いつまでも――」
「は……」
耳元で囁かれたその言葉の意味が理解できず聞き返そうとしたが、できなかった。
俺の唇は、塞がれてしまったから。
兄貴の唇で。
何なんだ、これは。
一体、俺が何したっていうんだ。
突然の兄貴の仕打ちに、俺は混乱の真っ只中にいた。
まず浮かんだのは、罰。
俺が何かをやらかして、そのお仕置きをされてるんじゃないだろうか。
そう、子供の頃のように。
当時の記憶が蘇る。
僅かな恐怖や喪失感と共に。
俺は零。明日……いや、あと数時間で18歳。
兄貴の名は壱朗。24歳。
少し年が離れていたせいもあったんだろう。物心ついた時からずっと、兄貴はかっこ良くて優しくて、俺にとって大きな存在だった。
両親がいなくなってからは、まだ小さかった俺のことを気遣ってか、一人で寂しい時には必ず察して構ってくれた。
公園にはいつも一緒に行って遊んでくれた。
近所の乱暴者や、時には怖い大人からも守ってくれた。
それでも、俺にとって兄貴の想い出といえば、恐怖と不満が大きな割合を占めていた。
ある一点に関しては、兄貴はとても怖かった。
ある、特殊な……でも俺にとってはごく普通でかつ重要な一点。
「何度言ったら分かるんだ! くだらない事を言うのは止めろ!」
「でも、コンが……」
「嘘をつくな! 何もいないじゃないか」
「嘘じゃない!」
「だから言うなと言っただろ! とにかく兄ちゃんの言う事を聞いてればいいんだ!」
何度も何度も思い出す、あの時の会話。
頭ごなしに怒られ、否定された。
いつもは滅多に怒らない兄貴にその時ばかりは酷く怒られて、理不尽なほど怒られて、その記憶ばかりやたらはっきり残っていて、だから俺の中の兄貴はずっと怖い存在だった。
だけど俺もいい加減大きくなって、兄貴は家業を本格的に継いで、互いに落ち着いた関係になってきた。と、思っていた。
うちの稼業は、神社……拝み屋のようなものらしい。
近所から尊敬されてたり色々貰い物があったりと、小さい頃から恩恵にはあずかっていたものの、その詳細はよく知らなかった。
中心になって動いていた兄貴が、妙に俺だけにはそこに触れさせなかった。
他の兄貴は家を出て、一番目のこの兄貴と俺だけの、そこそこ楽しい二人暮らしがしばらく続いていた。
本堂に呼ばれた時も、てっきり明日の俺の誕生日でも祝ってくれるのかとのんびり構えていた。
それが、突然。
床に押し倒されて、上半身を脱がされた。
そして……
「……! ……っ!」
そして、これは一体どういう事なんだ。
唇を塞がれたまま混乱して暴れようとする俺の腰に、兄貴の手が回された。
ぐ……っ。
その手に力が入る。
まるで抱きしめられたような形になっていることに、その時は気づかなかった。
だってその手の力は尋常じゃなくて、抱きしめるというよりまるで永遠の別れを惜しむような……
「……んっ」
だけどすぐ、それ所じゃなくなった。
俺の口の中に侵入する、ぬるりとした存在。
――兄貴の奴、舌入れやがった!
「う……んんっ」
文句を言おうと思わず唇を動かしたら、その隙間を埋めるように更に侵入する。
その上。
「ん……っ!」
咥内を満たした舌が、動き始めた。
ゆるりと、俺の舌に絡む。
蠢く。
全体を使って撫で、舌先でくすぐる様につつく。
それは舌だけに止まらず、歯に、上顎に。
俺の咥内全てを、兄貴の舌が愛撫し尽す。
「……ん……っ。う、ん……」
やばい。
兄貴の奴、なんでこんなに慣れてるんだ。
舌だけで……っ。
俺の息が、動悸荒くなっているのに、兄貴は気づくだろうか。
そりゃ気づくだろう。これだけ接触していれば。
俺の息さえ味わい尽くすように、兄貴の舌は貪欲に動いていた。
俺はただそれに耐えるのに精一杯。
いや、耐えることさえできなかった。
やがて、ついと糸を引いて唇が離れた。
はぁはぁと荒い息をしているのは、俺。
対する兄貴は……僅かに息が乱れているだけで。
それが無性に悔しくて、恥ずかしくて、正面の兄貴の顔をまともに見ることができなかった。
「悪い……」
耳元で兄貴の声がした。
ここにきて、ようやく謝罪するような言葉。
今更、何を言うつもりだろう。
それでも、次の言葉を待つ。
「悪いが、もう止められない」
「え……」
「止めては、いけないんだ。だから……覚悟してくれ」
「え、おいっ」
兄貴の唇はそれ以上言葉を発しなかった。
そのまま、俺の首筋へ――
「やめ、止めろよっ……」
ちゅ、ちゅ、と啄む様に首筋に、肩に、唇が触れる。
ああ、分かってる。
これが恋人にするようなキスだという事くらい。
「止め……んっ」
全身に、じんとした甘さが響き渡った。
俺の胸に、その突起に、唇が、舌が。
歯が、触れただけで……
「あ、や、だ……ああっ」
これ以上口を開いていると、制止ではなく別の言葉が漏れそうで、慌てて口を閉じる。
嘘だろう?
さっきのキスで、よっぽど全身が敏感になっているのだろうか。
こんな場所が、刺激されるだけでこんなに気持ちいいなんて……
抱き起されたばかりの床の上に、再び押し倒された。
少し前に押さえつけられた時とは全然違う。
まるで、姫か何かでも寝かせるかのようにそっと。
抵抗しようとは、思っていた。
だけど力が入らなかった。
本当にそれだけ。
抵抗するつもりは、あったんだ。
「……どういうつもりだよ」
だけどこうやって、非難がましい視線を送るので精一杯だった。
「悪い……」
そして、兄貴の反応は同じ。
「……けど、これしかないんだ」
「な……ふぁっ」
指が、肌に触れる。
貴重品でも扱うかのように。
さっきあれほど熱く苦痛だった指。
同じ指が、嘘のように、体の上を滑るたびに快感を呼び起こす。
「あ、おい……」
かちゃり。
金属音が何か、見ないでも分かった。
ベルトに手がかかる音。
その意図する所に気づいて、全身が泡立つ。
それは恐怖とか嫌悪とか、マイナスの感情、の筈。
「覚悟してろって言ったろ」
その気持ちを見透かしたかのように、兄貴の動きは止まらない。
「せめて……」
「あ……っ」
かちゃ、かちゃ。
ベルトが外れ、ズボンと下着が引き下ろされた。
反応している自身が晒され、恥ずかしいと思う間もなく。
そこに、舌が這う。
「せめて…… たっぷりと感じさせてやるから」
2014/05/24 17:18:58
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