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シリーズ:僕の叔母さんがオンナのコになったワケ【僕の母親がラノベ作家なワケがない!2】
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僕の叔母さんがオンナのコになったワケ【僕の母親がラノベ作家なワケがない!2】

作者:河東 ちか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    駆け出しライトノベル作家『御岳(みたけ)ハルカ』を母に持つ、僕、御岳登(のぼる)の家に、叔母の森宮薫がやってきた。モデルみたいな大人の女性な彼女は、昔の家族写真を見ながら笑顔でこう言った。「私、この頃はまだ男の子だったのよ」……一体どういうことですか?

    2014/11/27 5節更新。7Pなかほどからです。完結です。
    イラストコンペの投票締め切られました。参加された皆さん、投票してくださったみなさん、ありがとうございました!
    「僕の母親がラノベ作家なワケがない!」主人公も母も未だに発展途上です。これからも、温かく見守っていただければと思います。どうぞよろしくお願いします!


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    僕の叔母さんがオンナのコになったワケ【僕の母親がラノベ作家なワケがない!2】 25147文字

     

    1,

    『OKINAWAスゲー!』

     メールを開くと、いかにも「沖縄!」といった風景をバックに、揃って派手なアロハシャツを着たミチアキとその父親が、友だちのように肩を組んで写っていた。
     そういえば、今年はミチアキの両親が結婚二十周年だから、夏休みは揃って旅行に行くのだと言っていた気がする。
     結婚記念なら、二人だけで行かせるもんじゃないかと思うのだけど、ミチアキは本当に親と仲がいい。特に父親は、未だにミチアキが可愛くて仕方ないらしくて、どこに行くにも連れ回そうとするという。
     そのメールの後にも、いくつか画像が送られてきた。免税店で買い物する所にも、ソーキそばというものを食べている場面でも、必ず一緒に父親が写っている。これを撮ってるのは母親だろうから、やっぱり仲のいい家族なんだろうな。
     僕は思わず笑顔になり、それからふと考えた。
     うちが家族揃って出かけなくなったのは、いつからだったろう。
     思い返してみると、やっぱり中学の頃から、本当に大事な用事以外では、家族で遠出した記憶がほとんどない。家族と出かけるより部活の方が楽しくて、休日もテニスの練習に行くようになってから、つきあいが悪くなった僕を連れ出すのを、父さんはあきらめたようだった。それは、僕が高校を中やめ、割と時間に余裕ができた今でも変わらない。
     一緒に出かけないから当然、家族揃った写真や画像もない。
     僕が子供の頃の写真も、そういえばうちに存在するんだろうか。整理嫌いの母さんは、写真を撮って現像はしても、それをアルバムにまとめたりはしていないようだった。最近全然見た記憶がないから、ひょっとしたら、引っ越しの時に無くしたのかも知れない。
     まぁ、いいんだけどさ。
     ベッドに仰向けに転がって、ミチアキのメールに『おみやげ忘れるなよ』と月並みな返事を入力していたら、
    「ノボル、起きてる?」
    「なんだよ、いきなり開けるなっていつも言ってるだろ」
     ノックしながら部屋のドアをあけた母さんは、僕の抗議になどまったく耳を貸さず、
    「もうすぐリコちゃんが来るんだけどさ」
    「ふうん」
     白川璃子(しらかわりこ)は、僕の中学時代の同級生だ。
     でも、うちに遊びに来る動機は僕とはまったく関係ない。白川璃子は、僕の母親の御岳遥(みたけはるか)……ではなく、『ライトノベル作家の御岳ハルカ』のファンなのだ。
     それだけなら、母さんの個人的なつきあいだし、どうぞご自由になんだけど、
    「リコちゃん、今日はちょっと荷物が多いと思うから、あんた駅まで迎えに行ってよ」
    「なんで僕が?! 母さんに会いに来るんだろ? 車で迎えに行けばいいじゃん」
    「人が来る予定があるから出られないの。あんたどうせ暇でしょ」
     最後の『どうせ暇でしょ』が、なぜか妙に胸に刺さった。とっさに言い返せないでいるうちに、母さんはさっさと居間に戻ってしまった。
     確かに、バイトは午後からだから、午前中は部屋でごろごろしてるだけだ。だからって、白川璃子が家に来るたびに、いちいち僕を巻きこむのはやめて欲しい。
     ……というか、白川璃子以外にも、誰か来るんだろうか。知り合いどころか、親戚だって滅多に来ない家なのに。それとも、宅配で荷物が届く予定でもあるのかも知れない。
     改めて聞くのも面倒で、渋々ながら駅まで歩いてきてしまった。
     駅に着いてから、自転車で来れば荷台に荷物を乗せられたのにと気がついた。
     まぁ電車で来る白川璃子が、僕が持ち歩けないほどの荷物を持ってくるとも思えないし、いいだろうけど……

     新しくなった駅舎は、壁も床も天井もぴかぴかに真っ白だ。ただでさえぴかぴかなのに、線路をまたぐ通路の中央に当たる改札口周辺は、大きな窓から差し込むの日差しが照り返して、日陰でも照明が要らないくらいに明るい。
     僕が引っ越してきたとき、この夏浦駅は、築何十年かもよくわからない古ぼけた駅舎だった。
     僕の家がある高台側はそれなりに賑やかだったけど、反対側の、駅から国道を挟んだ海側は工業地帯になっているので、ロータリーの周りにコンビニと弁当屋とビジネスホテルがあるくらいだった。
     それが、隣の市に大規模アウトレットパークができて、この駅からも巡回バスが出るようになったおかげで、いきなり再開発が活発になった。駅舎はあっという間に建て替えられて、巡回バスの停留所がある国道側は、今もエレベーターやロータリーの整備工事中だ。
     巷では大人気らしいアウトレットパークだけど、その中にできたお店の話題で母さんが一番反応したのは、
    『BiNZが出店するんでしょ? 眼鏡が安くて助かるんだよねー』
    だった。
     あのひとはもう少し、自分の着るものに関心を持った方がいいと思う。
     つらつら考えていたら、
    『……行きの電車が到着します。黄色い線まで下がってお待ちください』
     駅舎の吹き抜け部分を通して、階下のホームからアナウンスが聞こえてきた。吹き抜けの手すりに頬杖をついてぼんやりしていた僕は、はっとして反対側の壁際まで離れた。
     この電車から降りてくるはずの白川璃子が、もしホームからこちらを見上げたら、まるで僕が到着を待ちわびていたように見えてしまうだろう。それはちょっと癪だ。
     すぐにホームに電車が滑り込む音がして、階下が賑やかになった。
     登りのエスカレーターとその横の階段から、結構な数の人が上ってくる。壁にもたれ、改札に流れてくる人混みをそれとなく注意して見ていたら、
    「まぁ! ひょっとして登ちゃん?!」
     花柄のカラフルなスーツケースをガラガラ引っ張りながら、改札を通り抜けた背の高い女の人が、僕を見て驚いた様子で声をかけてきた。
     年齢は、二〇代後半くらいだろう。僕は割と背が高いんだけど、この人も女の人にしては相当高いと思う。ゆるやかにウェーブのかかったブラウンの髪と、涼しげで品のいいワンピースがよく似合う、見るからにオトナのお姉さんといった感じの……
    「カオルちゃん?!」
    「わぁ、やっぱり登ちゃんだわ!」
     僕が声を上げると、彼女は嬉しそうに片手を口元に添えて微笑んだ。
     母さんの一番下の妹で、僕にとっては叔母にあたる森宮薫(もりみやかおる)だ。前に会ったのは母さんが交通事故で入院した時だったから、ほぼ二年ぶりだ。
    「カオルちゃん、どうしたの急に?!」
    「うふふ、驚くわよね。ハルカちゃんと登ちゃんの顔が見たくなって、飛行機に飛び乗って来ちゃったの」
     カオルちゃんは、いたずらを成功させた子供のように目を細めた。
    「でもハルカちゃんには、おうちまで勝手に行くから、お迎えはいいわよって言ったのよ? わざわざ来てくれたのね」
    「ええっ?」
    「あれ? 御岳くん?」
     目を丸くしていたら、カオルちゃんの背後から、更に僕の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
     小さめのキャリーバッグを転がしながら改札を通り抜けた、白川璃子だった。いつもは高校の制服姿なのに、今日は白のワンピースに薄手の青いカーディガンを羽織っている。あしもとは、ひまわりの飾りのついた夏らしいサンダルで、一見すると海に遊びでも行くような爽やかな服装だ。
    「珍しいね、駅で会うなんて。どこかにお出かけ?」
    「え、いや……」
     きみを迎えに来たんだ、なんて、カオルちゃんが見ている前ではちょっと言いにくい。でもカオルちゃんは僕と白川璃子を見比べると、邪気のない笑顔で、
    「可愛い子ね、登ちゃんのカノジョ?」
    「ちっ、ちがっ」
    「私、登ちゃんのお母さんの妹なの。登ちゃんがお世話になってます」
    「あっ、御岳くんのご親戚の方なんですね」
     慌てて遮ろうとした僕とは対照的に、白川璃子はあまり動揺した様子もなく、ぺこりと頭を下げた。
    「白川璃子といいます。御岳くんとは中学校時代の同級生なんです。御岳くんのお母さんには、いろいろお世話になってます」
    「もうハルカちゃんとも会ってるの? すごいわ登ちゃん」
    「だからそうじゃなく」
    「段階をきちんと踏むのはいいことよ。高校をやめちゃったって聞いて、どういうグレ方をしてるのかってみんなで心配してたんだけど、わりとしっかりしてるのね」
    「だから違うって」
    「そっか、登ちゃんは私じゃなく、リコちゃんを迎えに来たのね。これから二人でお出かけの予定?」

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    コメント

    • 続編完結したようなので一気に読ませていただきました!
      前作に引き続き魅力的なキャラクタも登場し、コメディとシリアスな部分のバランスもよくて読みやすかったです。
      相変わらずヒロインとは大した進展がないのもなんか彼らしくていいですね(笑)
      これからも応援しています、ありがとうございました!
      • 7 fav
      • Re 返信

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    • ほんとは一ヶ月以上前にできあがってたんですが、慌ただしくてこんな時期に(汗
      タイトルで敬遠されないかなとも思ったけれど、これがこのシリーズのカラーだ!と思い切って出してみました。
      せっかく夏の設定なので、全員で海に行く話なんかも考えてます。
      JK-FFさんありがとうございます、これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
      • 4 fav

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