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シリーズ:借り物姫

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  • 借り物姫

    作者:河東 ちか

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    実は、あなたの身近にも割といるお姫様のお話。
    いつか絵本にでもできればいいなと思いつつ。 10年以上前に友人のために書いたお話です。


    1200字に調整するため、当初のものに若干修正を加え、読点を削除してあります。原文はPixiv、ノベルジムにて公開中。



    借り物姫 1199文字

     

     あるところのあるお城に、一人のお姫様がおりました
     お姫様は魔法の鏡を持っていて、いろいろな人の様子を見ることができました



     ある日、姫がいつものように鏡を使い、民の様子を見ていると、何人かの男達に囲まれて、はにかむ娘の姿が映りました
     姫は鏡に訊きました。

    「どうしてあの娘は、あの男達にもてはやされているのかえ」
    「あの娘が、指輪作りに長けているからでございます」

     見ると娘の部屋には、安い材料ながら、よく形を考えて作られた美しい指輪がたくさんありました       

    「ならば妾(わらわ)は、あれよりも高価な材料で、美しい指輪を作ってみせようぞ」

     娘の作った指輪の形をほんの少しよくし、高価な材料を使って作った姫の指輪を見て、
     男達は、娘ではなく姫を褒めそやすようになりました

     娘は、指輪を作るのをやめました



     またある日、姫が鏡を見ていると、何人かの男達に囲まれて、はにかむ娘の姿が映りました
     姫は鏡に訊きました

    「どうしてあの娘は、あの男達にもてはやされているのかえ」
    「あの娘が、歌を唄うことに長けているからでございます」

     聴くと、娘は琴のように美しい唄声で、聴くものの心を酔わせるのでありました

    「ならば妾は、あれよりも美しく清らかな声で、歌を唄ってみせようぞ」

     魔法の薬で美しく整えられた姫の歌声を聴き、男達は、娘ではなく姫を褒めそやすようになりました

     娘は、歌を唄うのをやめました


     またある日、姫が鏡を見ていると、何人かの男達に囲まれて、はにかむ娘の姿が映りました
     姫は鏡に訊きました
                        
    「どうしてあの娘は、あの男達にもてはやされているのかえ」
    「あの娘が、料理を作ることに長けているからでございます」

     見ると、娘は贅沢ではないものの、手に入れられる材料で素晴らしい料理を作り、皆に振る舞うのでありました。

    「ならば妾は、あれよりも贅を凝らした美味な料理で、皆をもてなしてみせようぞ」

     魔法の薬で城の料理長の手をすげかえ、贅沢な材料を惜しみなく使って素晴らしい料理を作る姫を見て、
     男達は、娘ではなく姫を褒めそやすようになりました

     娘は、料理を振る舞うのをやめました



     またある日、姫が鏡を見ていると、何人かの男達に囲まれて、困ったようすの娘の姿が映りました
     姫は鏡に訊きました

    「どうしてあの娘は、あの男達にもてはやされているのかえ」
    「あの娘の心が美しいからでございます」

     見ると、娘は人々を心から気遣い、自分でできる限りの慰めを、皆に与えるのでありました

    「ならば妾は、あれよりも役に立ち、あれよりも心安らぐもので、皆を慰めてみせようぞ」

     私財をふんだんに使って貧しい者に施し、気落ちした者を慰める姫を見て、
     男達は、娘ではなく姫を褒めそやすようになりました



     姫は、そのたぐいまれな創作の才能と、
     美しい歌声と、料理の技量と、
     慈悲深い行いとを、後々までたたえられました
     国中の男達が、姫を理想の女性として褒めたたえました
     姫は満足でした


     その姿は、全て借り物でありましたけれど……

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