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シリーズ:記憶換金所
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記憶換金所

作者:シズオリ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    SFショートショートです。査定士とFの会話


    登録ユーザー星:7 だれでも星:1 閲覧数:1280

    記憶換金所 1094文字

     

    「どうして私の思い出がこのような値段なのですか」
    Fはそう言うと目の前の査定士を見た。ここは記憶換金所呼ばれる場所である。人の記憶を自由に出し入れする技術が開発され、生まれた場所だ。自分の今までの記憶を取りだし、値段をつけて買い取ってくれる。
    「何度も言うようですが当社は規定にそって査定を行っております。決してお客様の記憶に不当な価格をつけているわけではございません」
    Fを担当した査定士は丁寧な態度で答える。それでも、Fは納得しなかった。
    「とても大切な記憶なんです。学生の頃から親しくしていた人との思い出で、二人で将来の約束もしました。病気であの人が亡くなってしまうまで、ずっとお互いの事を支え続けていた、善き日々の思い出なんです。」
    「ではなぜそこまで大切な記憶を換金しようとしているのですか」
    それまで必死に訴えていたFは、査定士の言葉にうつむき肩を振るわせた。
    「実はある人との結婚が迫っているのです。ご恩のある家の方で、様々な事情から断ることが出来ません。しかしあの人との思い出を持ったまま結婚など、罪悪感で身がつぶれそうなのです」
    「それこそこの値段がついた理由ですよ」
    査定士は諭すように穏やかな声でFに告げた。
    「大切な記憶は心に止めておくものです、重く辛いからという理由で簡単に手放して良いものではありません。ここはあくまで情報価値として記憶を扱う場所です。込められた思いに値段を付ける所ではないのです」
    「なるほどそうでしたか」
    査定士の説明を受けたFはホッとしたように表情を緩めた。
    「失礼しました、実は金額などいくらでもよいのです。ただ聞いていた相場より値が安いので、私の大切な思い出を否定されたような気分になってしまったのです」
    「わかっていただけましたか」
    「ええ」
    その後、Fは必要な書類にサインをした。小さなスポイトのような器具を使って頭から記憶を取りだし代金を受けとると、幾分か晴れやかな顔で記憶換金所から出ていった


    「そろそろ昼休みだ、外に食べにいかないか」
    同じ査定士の同僚が隣のブースから声をかけてきた。
    「そう言えばさっき金額の事で顧客と揉めていたな」
    「ああ、でも納得してくれたよ。あれはいい記憶だったな、こちらまで泣いてしまいそうになったくらいだ」
    「そんなにいい記憶なのにどうして査定額がひくいんだろうな」
    「売れないからさ」
    査定士はハッキリと言う。
    「ここの記憶は金持ちの道楽として売られるんだ。楽しく賑やかな記憶の方が良く売れる、査定基準なんて買う客の好み次第で変わるのさ」

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    コメント

    • 正しいショートショートだ!!


      脱字あり2/5ページ二行目
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    • 了解、暇できたら直しときます
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    • 面白いんですけど、とても面白いとは思うんですけど・・・・・・後味が何とも言えない悪さが・・・・・
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    • そうですか、じゃ後味すっきりな話書いときますね
      ちょいとお待ちを
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    • 悪くはない…悪くはないのだけれども……ものたりなーい! というのが正直な感想です。

      記憶を売るというネタは、既に何度も目にしているので、それを5枚でだけ終わらせてしまっては素直に面白かったとは言い難いです。でも、雰囲気自体は良かったと思います。

      これが漫画だと、同じ内容でも印象が変わるのでしょうね。
      絵が描けるってうらやましい(ボソ
      • 2 fav
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    • 極力短くしようとして書いたのでそこは御容赦
      文章でつまらないならいっそマンガ…座って話すだけマンガを面白く描くってレベル高いですな!
      絵でなんかあったら力になりますよ
      コメどもでした!


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