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シリーズ:酔泣石

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  • 酔泣石

    作者:風呂助

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    お題:捨てられた殺し屋



    酔泣石 1524文字

     

     付喪神という妖怪がいます。物を大事して百年も経て、
    霊魂が宿って怪異を成す。という百鬼夜行のアレの事です。

     付喪は九十九と書くのが本来で、喪に付くのは当て字。
    九十九は、あと一つで百になる程の永い年月や種類の事。
    特に99や100に固執しなくてもいい。八百万の神が
    800万ではなく「凄い沢山だ!」というのと似てます。

     古い年月は、豊富な知識や経験を意味するので、神と
    最後にくっついているらしいが、妖怪でも付喪神と呼ぶ。
    この理由は本題に重要でない、貧乏神も死神もいるぞ。
    って事で、一つここは手を打っていただきたいわけで。


     さて前置きが長くなりました、以上が自己紹介です。
    コンバンハ。私、この度晴れてツクモガミと成りました。

    東北出身の『酔泣石(ヨナキイシ)』です。どうもどうも。

     本家の夜泣き石さんとは、随分違いますのでご注意を。
    私は夜に泣くわけじゃないんです。でも、ほとんどの場合
    夜に道端におります。何で夜かっていうと酔っ払いさんが
    まぁ、普通は夜しか歩いてないんですよ。

     もうお解りですね。私は酔っ払いさんに運んでもらって
    旅を続けています。ある日ある時、ある場所で!
    私に酒一升をぶっかけた酔っ払いさんがいましてね。
    酔っ払いさん、勢いでやったんでしょう。酔いが醒めたか、
    「なんて勿体無い事を!」と、わぁわぁ泣き出した。
    私が皆、呑んじゃった。というか染みこんだというか。

    「悔しいから、持って帰る!家で石を舐めて、肴にする!」
    言うのは簡単ですけど、私結構、重いのです。
    しかも、酔っ払いさんですから、あっちへフラフラ。
    こっちへフラフラ。危なっかしくて堪らないですよ。

     それでも、休み休み運んでいく。でも酔っ払ってますから
    結局、ダウンしてしまい。道端にしゃがみこんで寝てしまう。
    小一時間、そうしてましたかね。酔っ払いさん目が覚めた。
    急に起き上がって、私の事なんかすっかり忘れてご帰宅です。

     いやいやいや。待ってください。私も居た場所に帰りたい。
    ご近所付き合いってのもあるんです。こんなどこだか知らない
    道端に置いて行かれても。そう思うと悔しくて泣きました。

     なので『酔泣石(ヨナキイシ)』です。どうもどうも。

     でもね。正直申しますと、石ころになってから相当長い事
    山道の片隅に転がってましたが。神仏や妖怪になるような石。
    という云われがあるわけでもないんですよ。唯一が酒一升。
    だから、もしかしたら、そのお酒の方が何かあったのかも。

     とにかく近くを通った人に、元居た場所まで運んで欲しい。
    そのように頼むのですが、どうも聞こえていないらしい。
    運んでもらえないどころか、石が喋れば驚くか怪しむでしょ。

     完全に無視なんですよ。段々重くなるオッパショ石でさえ
    負ぶってもらえたというのに、私、そういう悪さはしません。
    確かに多少は、重いですが。ダイエットしたくても石ですし。


     ところが、ある夜に泣いていたら、別な酔っ払いさんが来て
    「おまえさん、いい酒の匂いだな。持って帰って舐めようか。」
    いやいやいや。私は元の位置に戻りたいのであって。
    あらあらら。どんどん故郷から遠くなる。時々には酒石様なんて
    妙な名前で呼ばれて、酒ぶっかけられるようになって、ヒック。

     日本全国津々浦々の酔っ払いさんに、色んな酒を呑まされて。
    ヒック。こっちも酔っ払いますから、昼間は寝てます。
    夜になると酔っ払いのみなさんが。ヒック。私を少し運んでは
    酒の肴なのか祀ってるんだか。判らないままに。

     いま沖縄に来てます。泡盛おいしいです。ヒック。
    でも、私は泣き上戸なんですよ。うわーん帰りたいよー。ヒック。
    絶対、いつか祟り殺してやるからなー。
    ヒック、嘘ですから誰か運んでくださいませ。うわーん。ヒック。

     だから『酔泣石(ヨナキイシ)』です。ヒックヒック。

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    コメント

    • ホラー
      はてどんな話しを書こうかかこうか?
      頭を傾げてはや1ヶ月、自分の未熟さを知りました

      読み易くてわかりやすい

      石自体が語り手となって
      心霊体験を冷静な第三者として書いていたら
      これには敵わないと率直に思いました
      おもしろかったです
      • 4 fav
      • Re 返信

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    • 嬉しくも深いお言葉と、閲覧いただいて、ありがとうございます!精進したいと思います!m(_)m
      • 2 fav

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