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シリーズ:真っ赤なぶどう酒

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  • 真っ赤なぶどう酒

    作者:三塚章

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    あの童話のパロディです。
    ホラー小説コンテストに出品したかったのだけど、残念ながら枚数がたりませんでした。
    ※『ホラー小説コンテスト』『着信ランプ』等他の作品でコンテストには参加しています。



    真っ赤なぶどう酒 951文字

     

     まるで星の無い夜空がぱっくり割れたように、頭巾を被った頭の上が明るくなりました。
    「よかった。まだ生きている」
     誰かがそう言って、赤頭巾の手を引っ張ってくれました。狼のお腹の中から、木の床の上に助け出された赤頭巾は、思い切り深呼吸をしました。狼のお腹の中は、とても息苦しかったかったのです。
    「赤頭巾、無事でよかった」
     お婆ちゃんが抱きついてきて、赤頭巾の背中をさすりました。
    「大丈夫かい、お嬢ちゃん。君は狼に食べられていたのだよ」
     血のついたナイフを持った狩人は、なぜか怖い顔で言いました。
    「おじさん、おじさんが狼をやっつけて、私達を助け出してくれたのね。ありがとう」
     赤頭巾は立ち上がりました。足元に、空のバスケットが転がっています。どうやら、お婆さんが食べるはずだったパンは、狼に横取りされてしまったようでした。
    「いいから、お婆さんと早く逃げるんだ。この森を出て、二度と戻って来てはいけないよ」
     狩人は赤頭巾ちゃんの肩に手を乗せ、強く言い聞かせました。
    「よくお聞き。私が来た時、狼はもう死んでいたんだ」
    「え?」
    「おそらく、毒でやられたのだろう。私は矢に毒を塗る事もあるから、こういう事には詳しいんだ」
     バスケットの傍に、ブドウ酒のビンが転がっていました。空っぽで、中身は入っていません。すっかり、なくなっているのです。家を出たときにはビン一杯に入っていたはずのブドウ酒が。真っ赤な、真っ赤な、血みたいな色のブドウ酒が。お母さんが、お婆ちゃんにと用意したお酒が……
    『このパンとブドウ酒を、お婆さんの所に届けてちょうだい』
     赤頭巾の耳に、お母さんの声が響きます。
    『寄り道をしてはいけませんよ。そして、お婆さんに勧められても決してブドウ酒を飲んではいけませんよ。子供が飲む物ではありませんからね』
    『ああ、早くお婆ちゃんの病気が治ればいいわねえ。様子を見にいくのも大変だし、これ以上薬代がかかったら、貧しい私達は……』
    「食べられたショックで君達が気を失っていてよかった。胃袋のなかで、毒を飲んだら大変だったよ。さあ、二人でお逃げ。お家に戻ってはいけないよ。お母さんに会ってはいけないよ。口を封じられるかも知れないのだから……」

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    コメント

    • 面白く拝読しました。

      もうちょっと演出して肉付けしたら、ももっともっとゾクゾクできそう。


      でもこのあとふたりはいったいどこに行けば……

      • 1 fav
      • Re 返信

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    • 感想ありがとうございました。
      >もうちょっと演出して肉付けしたら、ももっともっとゾクゾクできそう。
      おお、やってみたい気もするんですが、長いストーリーを書くのが苦手で……
      >でもこのあとふたりはいったいどこに行けば……
      大丈夫、きっと狩人さんが何とかしてくれると思います。あるいは、家を出た直後いつのまにかやってきていたお母さんに襲いかかられ、壮絶な戦いが……(なんというハリウッド映画!)
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    • 面白かったです。
      赤ずきんが黒い話は結構見ますが、お母さんが黒い話は初めてかもしれません。着眼点が良いですね!
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      • Re 返信

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    • 感想ありがとうございます。よく考えれば、病気のおばあさん森に一人きりにしておく親族ひどくね? と思ったのがこのお話を作ったきっかけでした。本当に怖いのはオオカミじゃなくて身近な人間だと思うのです。(キリッ)
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