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シリーズ:あの女は不死身の化け物か!?
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②あの女は不死身の化け物か!?

作者:たまこ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    前に書いた「あの女は不死身の化け物か!?」の続編です。今回はシンデレラも出てきます…


    登録ユーザー星:0 だれでも星:2 閲覧数:22

    ②あの女は不死身の化け物か!? 28448文字

     

    森小屋のキッチンに立つ白雪姫は、蒸かしたカボチャをボールの中に入れた。
    そして鍛え上げられた鋼の腕全体を使い、力強く、そして丁寧に潰していく。
    その隣で料理とは縁遠い王妃が慣れない手つきで、あらかじめ白雪姫が細かくみじん切りにしておいた玉ねぎをバターで炒めていた。
    「白雪、これで合ってる?私、失敗してない?」
    情けない顔で何度も娘に確認をとる王妃に白雪姫が答えた。
    「ダイジョウブ、お母さん上手だよ!その調子で玉ねぎが透明になるまで焦さないように炒めてて」
    「透明?!玉ねぎが透明になっちゃうの?!最終的に見えなくなっちゃうの?!」
    「あははは、見えなくはならないよ。そうだなぁ、正確に言うと半透明になるまで、かな」
    「ああ…びっくりした。半透明ね。わかったわ…。それにしても料理って難しいし緊張するわね。解毒剤作ってるほうが、よっぽど簡単だわ…」
    「いやいやいや、そっちのほうが難しいって」

     ◆◆◆

    外を歩けば寒さで耳が切れそうに痛む11月。
    クリスマスまで約1か月に迫ったこの日は、朝から白雪姫と王妃でこれからやってくるお客様の為にランチを作っていた。
    たっぷりの野菜サラダに、チキンのトマト煮、そして今二人で作っているのはカボチャのスープ。パンは少し前に焼き上がったし、デザートのプリンも出来上がり、箱に入れて外に出して冷やしてある。それぞれの料理を多めに作っているのは夜に帰ってくる7人の小人達の為だ。

    「白雪!玉ねぎが半透明になったわ!次はどうする?」
    「あぁ、いい香り!じゃあ次は牛乳を入れて弱火でゆっくりかき混ぜて。牛乳が暖まったら、この潰したカボチャを入れるから。あとは塩とコンソメで味を調えて、スープが滑らかになるまで火を通せば完成よ!」
    「わかった!頑張る!」
    「そういえば、お母さん。今日ここにいらっしゃるお客様って、魔法の鏡さんの古いご友人の方なんでしょ?お母さんはお会いした事あるの?」
    「いいえ、それがないのよ。鏡のヤツ、3日前に突然『私の古い友人が悩み事を抱えていまして、できれば王妃様と白雪姫にお会いしたいと言うのです。なにやら、お二人と話をすれば悩みの解決のヒントが得られるかもしれないからと懇願されまして。で、スミマセン。お二人に相談する前に安請け合いして場所と日にちを決めてしまいました』だもんねぇ」
    「ちょ!似てる!お母さん、鏡さんのモノマネうまいよ―!あはははは」
    「そう?ふふふ、付き合い長いからね。アイツなんか気取った喋り方するのよ。『王妃様、これはオフレコですから、お城ではなく白雪姫がいらっしゃる森小屋でお会いになってください』とかね―!」
    「あはははは、ヤメテ!もう、ヤメテ!似てる!似てる!」
     
    二人の楽しそうな笑い声が森小屋の外にまで響き、今まさに森小屋のドアをノックしようとしていた謎の客人は一瞬その手を止めた。
    そして、後ろに立つもう1人の連れを振り返り小さく頷くと改めて静かにドアをノックした。

    コンコン…

    魔法の鏡のモノマネで笑い転げていた王妃と白雪姫は、笑いすぎで涙が滲んだ目元を指で拭いつつ、はぁいと元気よく玄関に向かった。
     
    ドアを開けると、そこには真冬のこの時期に咲いているはずのないミニヒマワリの花束を抱えた老婦人が立っていた。 
    「はじめまして、王妃様に白雪姫。私は魔法の鏡の古くからの友人でフェアリーゴッドマザーといいます。私も魔法使いなの。今日は無理を言ってごめんなさいね。ずっとお二人にお会いしたかったから感激よ!すごく嬉しいわ。それからこれをお二人に。明るく元気で美しくも可愛らしい、太陽のようなヒマワリがお二人にぴったりだと思って」
    そう言ってフェアリーゴッドマザーは、彼女こそ太陽のような明るい笑顔で花束を差し出した。
    「わぁ!真冬にこんなにたくさんのミニヒマワリだなんて初めて見たわ!ステキ!どうもありがとう!外は寒かったでしょう?さぁ、まずは中に入って!すぐに暖かい紅茶を用意するわ。ご挨拶は中でゆっくりランチを頂きながらにしましょう!母と一緒にたくさん作ったの!」

    ◆◆◆

    白雪姫がお茶の用意をしている間、王妃はフェアリーゴッドマザーとその後ろにぴたりと隠れているもう一人の客人に声をかけた。
    「今日は本当に寒いわね。お茶の用意ができるまで暖炉の前で温まるといいわ。それからコートを脱いだらここに掛けてちょうだい。お城ならメイドがいるのだけど、ここだと私達4人しかいないから悪いけどセルフサービスでお願い」
    「もちろんだわ、王妃様。あぁ、それにしてもこの家は暖かいわねぇ。それにとってもいい匂い!」
    フェアリーゴッドマザーはふくよかな身体を包む赤色のコートを脱ぎながら、目をつむり鼻をヒコヒコさせて、おいしそうなランチの匂いを楽しんでいる。
    その動作が下品にならずコミカルに感じるのはゴッドマザーのキャラなのだろう。王妃も白雪姫もそんな魔女の様子に思わずプッと吹き出した。
    フェアリーゴッドマザーが鼻をヒコヒコとエアランチをするがゆえ、あっちへフラフラこっちへフラフラ。そのたびに白雪姫と王妃は笑い転げ、初対面にもかかわらず和やかな空気に包まれ始めた中、まだ一人カチコチに緊張し、なおかつフェアリーゴッドマザーの後ろという隠れ場所も失ったもう一人の客人が部屋の端で直立不動で固まっていた。
    その石化した客人はブラウン一色の飾り気のないポンチョコートにフードを目深にかぶっていた。
    顔は見えないけれど、小柄な背丈、それにフードからこぼれ落ちる美しいブロンドの髪から推測するに、おそらく若い女性なのだろう。
    彼女はフェアリーゴッドマザーを中心に笑い転げる3人の輪に入りそびれてしまい、元々の内気な性格もあってか、コートを脱ぐことも出来ずにただただ一人立ち尽くしていた。

    「さぁ、お茶の用意ができましたよ!それからみなさん、おなかは空いてるかしら?よかったらランチもお出ししますから、みんなで食べながらゆっくりお話しましょ!」
    白雪姫がテキパキとお茶と料理を次々にテーブルに並べて始めると、王妃は白雪姫の邪魔にならないように、フェアリーゴッドマザーが持ってきてくれたミニヒマワリの花束を飾る為、花瓶を探し始めた。が、ミニとはいえ100本以上はあるかと思われる大きな花束が入るような花瓶がここにはない…。お城に帰ればそれこそどんな大きさの花瓶でもさまざま揃っているけど、どうしよう困ったわ…と花束を抱えウロウロしていると、
    「王妃様、もしかして大きな花瓶をお探しなの?」
    フェアリーゴッドマザーが声をかけた。
    「そうなのよ、でもこれだけの花束が入るだけの花瓶がなくて…どうしましょう」
    途方に暮れる王妃にダイジョウブよと答えたフェアリーゴッドマザーは部屋の中を見回すと、玄関の端に寄せてある割れたコップに目をとめた。
    「ねぇ、あれは捨てちゃうの?」
    「あはは…恥ずかしながら、さっき私が洗い物をしている時に割っちゃったの。もちろん捨てるわ。危なくないように端に置いてあるだけよ」
    「そう、ならちょうどいいわ。あのコップに花を飾りましょう」
    「あのコップに?無理よ!あれじゃ小さすぎるし、第一割れてるわ」
     慌てる王妃にフェアリーゴッドマザーは片目をつむり口角を上げた。
    「王妃様、私は魔女よ?割れたコップを大きな花瓶にかえるなんて簡単な事よ!」
    王妃はその言葉に息を呑み目を輝かせた。
    そうか!フェアリーゴッドマザーは魔女だった!
    「すごいわ!ゴットマザー!あなたの魔法で割れたコップを花瓶にしてくれるのね?最高だわ!私、目の前で魔法を見るのは初めてなのよ!興奮する!魔法の杖を使うの?呪文も唱えるの?ビビデバビ…とかなんとかだったかしら!?」
    子供のようにはしゃぐ王妃に、フェアリーゴッドマザーは先程までの得意顔から一変、申し訳なさそうな顔になり、
    「まぁ、そうね…魔法の杖は使うわ。でもね呪文がちょっと違うかな。できれば王妃様には…いや誰にも呪文は聞かせたくないのだけれど…」
    「なぜ?聞いてしまうと私も花瓶になっちゃうとか?」
    「いやいや、そんなミスはしないわ。新人の魔法少女じゃあるまいし。ただねぇ呪文はビビデバビデじゃなの。あまり聞かせたくないっていうか…絶対イヤだっていうか…その…アレなのよ…」

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    コメント

    作者紹介

    • たまこ
    • 作品投稿数:14  累計獲得星数:102
    • 読んでいただいてありがとうございます。
      ☆やコメント励みになります。ありがたいです。
      誤字脱字や加筆で修正する事が多いです。すみません…。

      猫の下僕です。


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