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シリーズ:Lunatic Gate ~Sword of Glory~ #2
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Lunatic Gate ~Sword of Glory~ #2

作者:神楼

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    ※書き途中につき中途半端です。


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    Lunatic Gate ~Sword of Glory~ #2 7414文字

     

       #2 邂逅

       踊れ踊れ掌で
       踊れ踊れ見えぬ相手と
       踊れ踊れ世界が終わるまで

    聖夜たちが帰還後、聖教騎士会本部内全ての騎士に緊急招集がかけられた。
    大会議室内にテーブルと椅子が並べられ、百余名を超える騎士が席についていた。
    皆決まって姿勢を正し、教壇に立つ聖夜に視線を送っている。
    聖夜の背後、巨大な黒板に広げられているのは、ラグナロク大陸全土を描いた地図だ。
    地図を指し示し、聖夜が口を開く。
    「前回のヨツンヘイム平野への遠征時、〈ダルク〉の幹部クラスであるミゼルに遭遇しました。交戦したのは僅か数分、交戦ののちに対象は逃亡」
    聖夜が指し示している場所はヨツンヘイム平野、そこから北へと滑らせる。
    「ミゼルが逃亡した方角は北です。北側には森林地帯が広がっているだけで、身を潜められそうな場所はありません。ですが、問題となるのはそこではありません」
    聖夜の言葉の先を、オラシオが口にした。
    「なぜ敵の幹部がこちら側にいたのか……ですね?」
    聖夜は首肯した。
    「一年前のルナティック・ゲート現象を機に行われた大遠征時、ミゼルも戦場にいました。アビスの逃走と同時にミゼルも姿を消し、そのまま西の地に残ったものと思っていましたが……それがなぜこちらの大陸にいたのか」
    「確かに、この一年の間でヤツの姿は報告されてねえ。まるで急に降って湧いたみたいに姿を見せやがったな」
    腕組みしながらベークナルドが難しい顔をしている。
    一年という月日があったのならば、敵は今までどこで何をしていたのかという疑問が残る。
    西と東の大陸を行き来するには、ルナティック・ゲートが必要になる。
    と、そこで騎士の一人が挙手した。
    「あの、団長。大遠征の抗争時に傷を負ったミゼルはこちら側の大陸に逃亡し、傷が癒えるまで姿を隠していただけなのでは?」
    「その可能性も考えられます。しかし、私は全く別の線で可能性を考えています」
    「別の線……と言いますと?」
    オラシオが返して来た。
    「ルナティック・ゲートに変わる全く別の方法で、ミゼルはこちら側に移動してきたのではないかと、私は睨んでいます」
    「なるほど、それなら辻褄としては合うな」
    ベークナルドが妙に納得した様子で言葉を口にした。
    その横、オラシオが質問のために挙手する。
    「しかし、それだとどのような方法があるのでしょうか?」
    「考えられる方法は様々ですが、有力なのは『空間転移魔法』です」
    聖夜が口にした単語に、会議室に緊張が走る。
    渡ろうとする者全てを、呪いによって飲み込んでしまうヨルムンガンド運河を物理的に渡るには、ルナティック・ゲートが必要となる。それ以外に方法は無い。
    過去幾度も続いてきた大戦は、数年おきに発生するルナティック・ゲートがあるからこそ勃発した。ルナティック・ゲート無くして侵攻も成り立たないのだ。
    しかし、もし敵陣営側に『超長距離を転移可能な魔法』が開発されたとしたら、この前提は覆る。河を渡らず、パスしてしまえばいいのだから。
    それはいついかなる時でも、敵陣営に大して奇襲が可能になるということだ。それは静かなる脅威である。
    だが、
    「方法に推測は立ったとしても、それを実現させることは不可能に近いと言えます」
    聖夜は続ける。
    「私たち〈ラスター〉の間でも魔法の研究は常に進めています。しかし『空間転移魔法』は転移させるゲートに膨大な魔力が必要になり、長い時間維持することは不可能。そもそも大部隊がくぐれるだけの大きさも見込めませんでした」
    だからと言って、それが敵陣営も同じ条件であるとは限らない。万が一にも空間転移可能な魔法が完成されたのだとしたら、それこそ一刻を争う事態になる。
    「我々聖教騎士団は急ぎミゼルを捕捉し、その目的を暴く必要があります。まずは四班に分かれ、ヨツンヘイム平野から各方面に怪しい痕跡が無いかを調査。ミゼルを発見した場合、最優先で対象を討伐してください」
    「生け捕りにして目的を吐かせなくていいんですかい?」
    聖夜の作戦指示に対し、ベークナルドが訊いてくる。
    「それが容易な相手ならばそうします。今回ばかりは一筋縄でいかない相手です。無理に捕らえようとしてこちら側の被害が拡大しては本末転倒ですから」
    こちらの回答にベークナルドは、なるほど、と納得してみせた。
    「それに……ミゼルと遭遇すれば、自ずと目的もわかると思います。私の勘ですが」
    聖夜の号令の元、ミゼルの捜索作戦が開始された。

    ――ヨツンヘイム平野。時刻はとうに正午を過ぎていた。
    嵐でもないのに、一年中流れの急なヨルムンガルド運河を前に、聖教騎士団が集結していた。その中には見慣れない鎧を着た兵士の姿も見える。
    捜索任務ということで騎馬も人数と同じ数が居並んでいる。
    「急な招集に応じて下さり感謝します、ドルム兵長」
    聖夜が敬礼で迎えるのは、近くにある砦に派遣されている聖教騎士のドルムだ。
    彼の顔つきは聖夜よりもずっと歳を重ねており、歴戦の兵士然としたいで立ちをしていた。
    ドルムは聖夜を前にして、しかしその表情は険しいものだった。
    「ふん……敵襲などこの一年見たこともないからな、最近は我々砦警護に当たっている人員も削られる一方だったところだ。大体、河を渡れもしないのに敵の幹部がいたなどと、にわかに信じがたい話だ」
    ドルムの言葉は辛らつだったが、聖夜は努めて紳士に応対する。
    「ドルム兵長の部隊はここから南方面への捜索をお願いします」
    「何だと? 敵の幹部は北に逃げたんだろう? なぜ南側を捜索する必要が……」
    「追っ手を撒く時、ある方角に逃げたと見せかけ、大きく迂回して全く違う方角に逃げる……逃走時の常套手段です。相手が北に逃げたのなら、北以外に逃げた可能性があります」
    聖夜の言葉に、あ然顔のドルムは暫しの沈黙。
    「……い、いや俺は分かっていたぞ! 騎士団長の洞察力を試しただけだ!」
    やけに焦った調子で返して来るドルムに、離れた場所からベークナルドとオラシオがヒソヒソ声で、
    「ありゃあ絶対ぇ気付いてなかった顔だな」
    「ええそうですね。兵長は以前から団長のことを目の敵にしてますし。見栄を張ったのでしょう」
    「おいコラ! 何をそこでコソコソ話しとるか!」
    「「なんでもありませ〜ん」」
    二人の副団長は敬礼しながらわざとらしく声をそろえた。
    聖夜はそんな二人に向けて指示を飛ばす。
    「二番隊はベークナルド担当。北東方面を目指してください。三番隊はオラシオ担当。南東方面です」
    「「了解しました」」
    「北方面を私の隊が担当します。各隊、怪しい痕跡を見つけたら狼煙を上げてください。それでは散会」
    聖教騎士たちによるミゼル捜索作戦が開始された。
    総勢百二十七名、一部隊三十余名の騎馬隊が平野から森林地帯へ向けて進軍していく。

    ヨツンヘイム平野は東西両大陸にまたがって広がる平野だ。ヨルムンガルド運河で分断されているため、捜索対象は当然東側に限定される。
    捜索開始地点から南側へ出発したドルムは、馬上でぶつくさと文句を言っていた。
    「何でこの俺があんな若造に使われなきゃならないんだ。一年前の戦が無ければ、俺が騎士団長になってたというのに」
    ドルムが聖夜を目の敵にしている理由はそれだった。
    自分のほうが歳上で、実戦経験も豊富だ。部隊を動かすための兵法なども必死に学んだ。
    それがどうしたことか、突如彗星のごとく才能を開花させた有望株が学院に現れたと聞き、王宮は学院を卒業したばかりの聖夜を騎士団長に任命。
    挙句の果てには、一年前のルナティック・ゲート現象によって生じた大戦によって、聖夜は英雄扱いされ、その実力差は他の追随を許さないほど離れてしまった。
    あの一年前の大戦で武勲さえ上げることができていれば、今頃はこんな立場では無かっただろう。
    実を言うと、ドルムも彼の戦場で魔王・アビスを目の当たりにした騎士の一人だった。
    しかし、魔王の放つ圧倒的威圧感から身動き一つ取れず、挙句の果てに魔王から受けた攻撃で負傷し、戦線離脱するに至った。
    あまりにお粗末な結末を迎えた彼の戦は、最初から力及ばずだったのだ。
    故に、実力が遥か上にある聖夜を妬み、目の敵にしていた。
    「あんな若造に……あんな若造にこの俺が……」
    ギリッと奥歯を噛んで馬を走らせるドルム。

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    作者紹介

    • 神楼
    • 作品投稿数:4  累計獲得星数:1
    • 本業が忙しくてもつらつらと時間見つけて執筆中
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