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シリーズ:伴奏曲

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  • 伴奏曲 2

    作者:あず

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    伴奏曲 2 898文字

     

     飛べば落ちるのが飛行機なら船は沈むものだ。
     報道されないだけで旅客機の事故は多い。
     安藤がたまたまこの伝説を聞いたのは不法滞在をしている外国人からであった。
     これもまた、めしの種にはならないのを安藤はわかっていた。莫大な旅費を捻出するのに安藤ははじめてといってもいい。真面目にアルバイトをした。
    「それから」
     なかなか次を話さない年老いた神父に安藤は催促する。
     誰に聞いても同じ目をする。
     とても暖かくて悲しい――――。
     じれったいと思いながら安藤がコーヒーを飲み干したカップを神父は手にした。
     続きを聞きたい安藤はぐるりと古びた教会内を見渡す。
     今か今かと待ち侘びる安藤は教会の鐘の音に耳を澄ます。

            ◆


     ジョンはなぜ、あずさが自分のところに毎日来るのかがわからない。
     いつものように荷馬車でジョンは屋敷にチーズなどを運び入れていた。
     荷馬車が珍しいあずさは荷馬車を引っ張るロバに興味津々であった。
     この島には色々な異文化がある。
     母国語がなければ宗派もあるようでない。
     まったくの無人島であった島を海原が一つの移住地にした。
     商魂で移り住んで来たものたちが独自の文化を作り上げていた。治安は悪くない。これといった大きな殺傷事件がないこの島はほのぼのとしている。
     日本には爵位がないが海外にはある。
     爵位あるものがここに移り住んで来ることもあれば上流階級の日本人もいる。
     いつしか上流階級社会になりつつあるこの島はすでにリゾート地に近い。
     あずさは日本語は話せるが英語がほとんど話せない。あずさの身のまわりを世話をするメイド達は他国語だ。日本語がまったく通じない。
     この島の通貨はドルでやり取りをされている。そう考えると英語で話すのがこの島では正しいのかも知れない。
     海原が時々あずさを遠くから見ている。ただあずさを海原は見ているだけで話しかけることすらしない。
     あずさは気がついたらここにいた。
     ガイドのような通訳があずさにいるが肝心なことが聞けないでいる。自由気ままなあずさにとってガイドは煩わしいだけであった。
     むすっと押し黙ったままのジョンにあずさが話しかける。
    「日本語わかる?」
     母国を離れてあずさははじめて母国語の素晴らしさを痛感していた。

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