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シリーズ:STILL ILL ?

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  • 白昼夢

    作者:ろく

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
  • 編集協力者:

    希望というより切望 いやむしろ渇望。



    白昼夢 626文字

     





    あたたかな春の午後
    新居はぬくぬく日当たりが良く
    リビングの床に寝そべる 
    満ち足りた飼い猫一匹。


    突然の訪問者にとび起きる
    電話工事?
    ああそうでした お願いします。


    人懐こそうな笑顔を中に通す
    玄関ドアを即ロックした僕に
    「カギは開けたままで。道具を取りに出たり入ったりしますので」
    すみません、目を伏せ思わず口ごもる僕
    「癖なんです…」


    内と外を直ちに遮断せずにはいられなくて
    だって外は鬼だらけだから
    今夜僕の福の神は出張で留守だから
    結界は張っておかないといけないのです。


    きらきらした茶色の瞳で目礼すると
    工事の彼は作業に取り掛かる
    すれ違う度に華奢なその体からは灰皿の匂いがしたし
    目と同じ色の一つに束ねた髪はパサパサだったけれど


    なぜなのだろう


    こんな猫が欲しい
    ああ 飼いたい。


    希望というより切望
    いやむしろ渇望。


    こいつを膝の上にのせて
    鼻をつんつん突いて嫌がられたり
    首筋に顔を埋めておひさまの匂いを嗅いだり
    なめらかな腹を思う存分なでまわしたり 


    したい

    したい 

    したい




    「終わりました」
    にこやかに告げる声
    我に返って冷や汗が出る僕
    一服盛ったお茶を出したくなるのは
    きっとこんな時だろう。


    音もなく靴を履き 
    振り返り にゃあ(と聞こえた)と挨拶
    工具箱を抱えドアの外に行きかけるその細い手首
    思いきりつかんで引き留めたい


    猫同士 視線が絡み合って


    一瞬の熱い閃き 火花のような衝動
    はじけて散りはせず 煙幕となり漂う。


    その向こうにはほら 床の上
    転がりじゃれ合う2匹の猫

    陽だまりの中戯れる 
    飽きもせず




    あたたかな春の午後
    酔いもせず。



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    コメント

    • うはあ、好みです( *´艸`)
      訪問者のカレは精悍なイケメンかと思ったら、華奢な美青年だったんですね。ネコ同士じゃれあう、って。。。(≧▽≦)キャー ※作品内ではネコはカタカナ表記ではないです

      >>はじけて散りはせず 煙幕となり漂う

      こういう表現が出来るろくさんの語彙の豊富さ、才能がホントに羨ましいです。はあ~~霜月もそろそろ終わりの夜長、イイモノ見させて頂きましたー(*´ω`*)
      • 1 fav
      • Re 返信

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    • おはようございます。
      コメントをどうもありがとうございます。

      そうですね。
      タチ同士がどうしても格闘技のような力比べ的風味を喚起してしまうのに対し、ネコ同士は隠微なエロの火種を絶やさず高めていく熱っぽさのイメージがありますな。朝っぱらから何言ってるんでしょうか。

      いや、何も持ってないです、あるのは煩悩のみ…
      その言葉そっくりひせみさんにお返しいたします。

      最近こんなのばっかちまちま書いてる気がしますが、すこしでもお愉しみいただけましたならばお慰みでございます。
      • 1 fav

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    作者紹介

    • ろく
    • 作品投稿数:70  累計獲得星数:448
    • お読みいただき★をつけてくださった方、ありがとうございます。


      アイコンはねこまんまさんに描いていただきました。



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