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シリーズ:神様の言う通り【第1話〜3話】
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神様の言う通り【第5話】

作者:いまひろ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    コトヨロに身を任せてしまいそうになったハルカが、次なる試練に巻き込まれる。


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    神様の言う通り【第5話】 8432文字

     

    ハルカの意識がゆっくり戻ると、ビルの廊下のような所に立っていた。
    目の前には床から天井まである大きなガラスの窓があり、夕日が真正面から差し込んでいる。
    夕日が眩しくて周りがよく見えない。
    ハルカは手で光を遮って周囲を見渡した。

    病院のような冷え冷えとした古い廊下。
    ハルカのすぐ横には、鉄製でクリーム色の塗装の剥げかかった重そうなドアがあった。
    ドアの上半分はすりガラスになっていて、中から蛍光灯の薄暗い光が漏れている。

    ハルカの意識と視覚がやっと戻ってきた。

    「…ここはどこ? なんで私…いつの間に??」

    コトヨロはいなかった。
    誰もいない。

    しかし急にドアの向こうから人の気配を感じた。
    誰かいるのだろうか…!?
    いるとしたら、人間だろうか?

    そんな突拍子もない考えがハルカの脳裏を過ぎった。


    すると、静寂を破ってドアが勢い良く開いた。


    中から出てきたのは若い女性で、手にはピンクのガウンを持っていた。
    年の頃はハルカとちょうど同じくらい。
    背格好も良く似ていた。

    勢い良く出て来たその女性とハルカは鉢合わせてぶつかりそうになった。
    女性は驚いたようにハルカを凝視する。
    ハルカもまじまじとその女性の顔を見る。

    顔面は蒼白で、脂汗が滲んでいる。
    具合が悪そうだ。


    「…大丈夫…ですか?」


    ハルカは思わず声をかけた。

    それを聞いた女性は、すがるような目でハルカを見ると、
    手に持っていたピンクのガウンをハルカに押し付けるように渡して言った。

    「…ごめんなさい!!さっきまで大丈夫だったのに急にお腹の調子が!!
    …今日はムリそうだから帰りますって伝えてッ!!!」

    そう叫ぶように言うと、その女性は慌てた様子で走り去っていった。

    ハルカの手にはピンクのガウンが残された。

    状況が飲み込めないまま、お腹を押さえて前傾姿勢で走り去る女性の後ろ姿を見送っていたハルカ。

    「…あの…!」

    女性にはハルカの声は届かなかった。
    それどころではなさそうだ。

    ハルカは手のなかのガウンを見ると、それをどうすべきか考えた。
    先ほどの女性に一応言伝を頼まれてしまっているし、誰かに伝えてあげるべきかもしれない。

    ハルカは恐る恐るクリーム色の鉄のドアの中に入り、人影を探した。

    「…すみません…。誰かいますか〜??」

    中に入って見ると、その部屋にはロッカーと木製の棚、鏡と椅子などがあり、
    どうやら控え室のようだ。

    しかし誰もいない。

    部屋を出て誰か探すべきか考えていたところ、突然背後から声をかけられた。

    「いたいた…!何してるの?もう始まってるのよ?」

    「は…始まる??」

    驚いたハルカが振り返ると、今度は40代くらいの年上の女性が立っていて、
    ハルカをまじまじと見ていた。

    年上の女性は眉間にしわを寄せると、威圧感のある声で言った。

    「早く着替えて!時間がないわ!!」

    ハルカは手に持ったガウンに気がついた。
    これに着替えるという事のようだ。

    「あの!…私頼まれて!」

    「いいから早く!!」

    女性の放つ問答無用の空気。
    よほどの事情があるのか?

    「初めての人はよく躊躇するけど、誰もそんなこと気にしてないから!
    …みんな真面目にやってるのよ!」

    「…???」

    「下着も全部外してね!分かったわね!」

    「し…下着を外す!?」

    面食らって思わず聞き返したが、女性は腕を組んでこちらを睨みつけている。

    …とてももじゃないけど…逆らえない雰囲気!!!
    どうしてくれるの!?というオーラが女性から湧いて出ている。

    人間は不思議なもので、
    圧力を受けると思わず従ってしまうのだという事をハルカは知った。

    (とりあえず言う事を聞いて、別の人に訴えよう!)

    そう思い直して、ハルカはガウンに着替えた。



    ガウン1枚に着替えたハルカは、女性に連れられて廊下を歩き、別のドアの前まで来た。
    一体何をするのだろう…健康診断だろうか??

    ハルカは無意識に、ドアの向こうに医療機器が並ぶ診察室を想像していた。

    ドアの向こうに医者か看護師さんがいたら、人違いだと訴えよう。
    ハルカはそう考えた。

    女性が鉄のドアを開けた。

    「お待たせしました〜!遅れてすみません!」

    部屋に入ると、そこには医療機器も医者も看護師さんもいなかった。

    代わりに数人の男性が椅子に座っていて、
    中央の一段高くなった台を取り囲むようにして並んでいた。
    男性たちの椅子の前には各自のイーゼルがあり、真っ白なキャンバスが置かれている。
    若い学生のような男性から中年の貫禄のある男性まで、年齢はまちまちだ。

    「モデルさん到着しました。宜しくお願いします!」

    女性はハルカの背中を押して、中央の台の上に登らせた。

    (…モデル!?…もしかしてこれッ!裸婦デッサン!?)

    横の女性がハルカの耳元で刺すように言った。

    「ガウンちょうだい!早く!」

    「…えッ!!??」



    冗談じゃないーーーー!!!



    ようやく状況が飲み込めた。
    ここは絵画教室か美大のアトリエで、今から裸婦デッサンが始まる。
    そしてハルカはそのモデルと勘違いされているのだ。

    …違いますッ!!
    ハルカはそう叫びそうになったのを思わず躊躇した。
    なんの覚悟も経験もなく、偶然迷い込んだ素人さんが、
    裸にガウン1枚で数人の男性の前に突っ立ているなんて…
    そんな状況恥ずかしすぎる!!!

    さっき走り去ったプロのモデルさんとして、当然のような顔をしていれば、
    ここは真面目なアトリエなのだ。
    誰もフシダラな事なんて考えてはいけない聖域だ。

    だがそんな事を考えているうちに、隣の女性の許す時間の猶予を使ってしまったようだ。
    さっさと事情を説明していれば、ここから逃れられたかもしれないのに!
    もうこれ以上女性を待たせる訳には行きそうになかった。
    眉間にしわを寄せきって、ハルカを睨み殺している。

    追い詰められたハルカは、朦朧とした意識でガウンの紐を解き、
    ガウンを肩から滑らせた。
    しかし、そこで躊躇した。

    …これ以上降ろすと、胸や…その下まで見えてしまう!

    ふと、ハルカの視線に周りの男性たちの顔が入った。
    当たり前だが、皆んなでこちらを見ている。


    …やっぱりこんなこと信じられないーーーー!!


    だが、業を煮やした女性がガウンを持ち去ってしまった。


    ーーーあッ!!


    ハルカの胸やその下が、男性たちの前に晒された。
    今やハルカは、全裸で複数の男たちに取り囲まれている。
    男たちの視線が集中しているのが分かる。

    集中している…視線を感じる…!

    すると、ハルカの顔が一気に赤面した。

    (…ダメ!…赤くなったりしたら!これはヤラシイ事じゃないのよ!!)

    だが、もう遅かった。
    赤面したハルカを間近に見て、正面に座っていた若い男性が赤面するのが分かった。
    学生らしきその男性は恥ずかしそうに下を向いてしまった。
    裸婦デッサンに慣れていないようだ。

    (…バカ!赤面止まれッ!)

    すると、横から声をかけられた。

    「ポーズとって!」

    声をかけてきたのは、中年の慣れた風な貫禄ある男性だった。

    「…ポーズ…?」

    「足を少し開いて、腕を頭の上で組んでくれないかな」

    …そんなポーズをとったら、隠したいところが強調されてしまう!
    あの男は本気で芸術的観点から真面目に言っているのだろうか…?
    それとも単なる変態で、私に恥ずかしいポーズをさせようとしているのか??

    周りの男性の顔を窺って、この状況を把握しようとした。
    皆んな真面目な顔をしている。
    ニヤけている奴はいない。

    (…ヤラシイ事考えてるのが私だけだったら余計恥ずかしいじゃないか!!)

    ハルカは男性の言う通りのポーズを取るしかなかった。

    (足を少し開いて…)

    足を少し開くと、足の付け根の間に風が通るのを感じた。
    風も視線も通ってしまう…!

    (腕を…頭の上で…)

    腕を上げると、徐々にハルカの豊満な白い胸が前へ張り出していく。
    ハルカの体の隅々まで、視線にさらされる。

    (…ほ…本当にこんなポーズを見て、芸術の事だけを考えていられるのだろうか!?)

    正面の学生らしき男性の様子をチラリと見てみた。
    彼は、さらに顔を赤くしてうつむいている。
    …すると、ハルカも恥ずかしくなってくる。

    (…ダメッ!!…べ…別の事を考えるのよ!!!
    早く終わらせるのよ!!)

    周囲からは、キャンバスに黙々を木炭を走らせる音だけが聞こえてくる。

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