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シリーズ:神様の言う通り【第1話〜3話】
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神様の言う通り【第4話】

作者:いまひろ

  • 無料作品 有料作品:¥0(税込) R18
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    人間サイズになったコトヨロ。
    コトヨロがやって来た理由を語るが…


    登録ユーザー星:0 だれでも星:0 閲覧数:37

    神様の言う通り【第4話】 2305文字

     

    【神様の言う通り・第4話】

    大通りから1本奥へ入った路地でコトヨロに抱きしめられ、ハルカは気を失いそうになった。
    コトヨロから溢れ出る熱いエネルギーが、ハルカに流れ込む。
    まるで全身ジャグジーの中にいるように、身体全体で感じる。
    コトヨロの意識が上下左右に行き渡るのが、感触で分かる。

    ハルカの意思とは関係なく、一瞬で恍惚の中へ包み込まれてしまった。
    抵抗することはできない。

    「・・・ハルカ。」

    コトヨロの声だ。

    耳で聞こえているのではない。
    意識の中へ直接語りかけてくる。


    「この体は実態じゃない…。でも触れ合うことは可能なんだ。
    可能どころか…実態よりもずっとダイレクトに伝わる。」

    ハルカは、あまりの快感に気を失いそうになりながら、その言葉を聞いていた。
    いや、正確には言葉ではない。

    思念だ。

    コトヨロの思念そのものがハルカに伝わってくる。
    コトヨロの “思い” をあえて言葉に変換すると、



    「愛おしい!!」


    言葉では足りない。
    言葉は平面的表現に過ぎない。
    コトヨロから伝わってくるのは、もっと多くのものを含んでいる。
    だが、間違いなく分かることは、それが ”愛” だということだ。
    コトヨロから ”愛” がほとばしっている。

    言い表せない “愛” の感情がシャワーのようにハルカに降り注ぐ。
    ハルカが今まで感じたことのない強い感覚だ。
    ハルカの感じている快感は、この ”愛” の一部分に過ぎない。
    ”愛” が強過ぎる為に否応なく快感が押し寄せ、包み込まれてしまうのだ。

    コトヨロが自分を求めている。
    ハルカにはそれがハッキリと分かった。

    もしもコトヨロが快楽のためだけに求めているのなら、それもハッキリと分かってしまう。
    一切の嘘も誤魔化しも不可能なのだ。

    コトヨロはハルカという存在の全てを愛し、求めていた。

    恍惚の中でハルカはコトヨロに問いかけた。

    「なぜなの?…なぜ私を求めているの…?」


    「ハルカが、俺を求めてくれたから…。」

    「……?」

    「ハルカが、初めにこうして俺を求めてくれたから、俺はここにいるんだ。」


    ハルカはしばしその意味を考えた。
    どういうことだろう・・・?

    「お前は気づいてないかもしれないが・・。
    お前の ”好きだ” どいう気持ちにはとてつもない強い力がある。
    こんな強い力を、俺は人間の中に見たことがない。
    例えるなら・・死んだ人間を生き返らせるくらいのエネルギーがある。」

    ハルカにはコトヨロが何を言っているのか分からなかった。

    「心当たりもあるはずだ・・。
    今までお前が ”好きだ” と思った周りの人間…先輩や同僚、知り合い、
    みんな急に出世したり、人気が出たり頭角を現しただろう。」

    ハルカは記憶をたどって確かめた。
    ・・確かにそんな気もする。
    ハルカが誰かを好きになり、心の中でその相手のいいところや素晴らしいところを強く想うと
    ますます活き活きと輝き出し、さらにハルカを夢中にさせた。
    そうするうちに、その相手は何かに抜擢されたり、中心的存在に昇格することが殆どだった。
    彼らに魅力があるから夢中になったのだと思っていた。
    でも、コトヨロが言っているのは、私が強く思ったから…?


    「お前がエネルギーを与えているんだ。」


    「・・・その強い気持ち、全部届くんだ。
    それが届くと、理由もなく力が湧いてくる。
    震えるほどの感動がある。
    お前の ”好き” という気持ちは、純粋に相手の深層部まで愛する気持ちだ。
    相手を全肯定した上に、それを数倍愛おしく思う力・・。
    それがとてつもなく強い。」

    ハルカは、今までそんな事を意識した事がなかった。

    「お前の愛は・・やみつきになる・・・。
    ・・・それで、俺はお前を探してここへ来た・・。」

    「・・・・?」

    どこかでコトヨロに会ってた…?
    …私が強く思ったの…??

    ハルカには全く覚えがなかった。
    コトヨロに似た人にも会ったことはない。
    …というか、会っていれば覚えていないはずはない。

    それでもハルカは、記憶の中を探った。

    コトヨロの放つとてつもないエネルギーによって、ハルカは恍惚とし、
    このまま身を委ねてしまってもいいとさえ思い始めている。
    もしかすると、自分が今まで心の中で思った相手にも、こんなエネルギーが届いていたのだろうか・・・。

    コトヨロが囁くように思念で語りかけてきた。

    「…さあ、おいで。」

    この上ない優しい誘導。
    ハルカはふわりとベンチに腰を下ろした。

    いろいろ考えるものがあった。
    どこで会った誰なのか思い出せない事や、
    そもそもこんな所でガードを外してしまうわけには行かない。
    しかし、ハルカの理性はもう既に保っていられない程に負け始めていた。

    「安心できる所へ行こう。」

    いつものようにコトヨロはハルカの心の声に応える。

    「……。」

    いいのだろうか…ついていってしまっても…

    だが正直に言えば、心も身体もコロヨロを求めていた。
    あんなに憎らしいと思った小さい男…
    私をとんでもない目にあわせた奴…
    …それなのに…
    …それなのに!

    ハルカはふらりと立ち上がり、コトヨロの導く方へと歩き出した。

    ふらふらとおぼつかない足取りで歩くハルカの肩を、
    コトヨロは優しく包み誘導していく。
    もう何処を歩いているのかすら分からない。

    このまま付いて行ったら…
    私の世界は変わってしまう。

    …でも…

    …それでもいい。

    未だかつて感じたことのない感覚。
    ハルカは今まで知らなかった感覚に、身を任せてみたいという好奇心に駆られた。


    だがその時だった。
    二人の目の前が眩しく輝き出し、辺りが白い闇に包まれた。
    何が起こったか全く理解できなかった。

    コトヨロが急に歩みを止め、肩を抱く手が硬直したので、
    ハルカはコトヨロの方を見た。

    硬く強張ったコトヨロの表情が光の中にチラリと見えた。
    しかし光はどんどん輝きを増し、やがて2人は完全に光の中に飲まれてしまった。


    5話へ続く

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